BLOG

津市でスプリンクラーの流水検知装置はどこに置けばよいのか|専用室と点検口の扉の決まりを6つの消防本部で比べる

流水検知装置はどんな部屋に置けばよいのか|専用室の流水検知装置と開いた扉の写真

スプリンクラー設備の流水検知装置は、ヘッドから水が出たことを知らせる発信部で、各階の配管に付いています。
国の消防法施行規則は、制御弁の高さや標識は決めていますが、どんな部屋に置くかは書いていません。
津市の予防事務審査検査基準は、置く部屋と点検口の扉の錠まで書き足しています。
津市の基準を軸に、鈴鹿市・四日市市・埼玉県央広域・大阪市・堺市の書き方も並べて比べます。

津市で建てるビルの図面で、流水検知装置が倉庫の奥に描かれていました。
鍵のかかる部屋でも問題ないのでしょうか。

津市は置き場所と扉について細かく書いています。
まず国の規則から順にたどってみましょう。

ほかの市でも同じ決まりなのですか。

部屋の種類やボイラー室の扱いは本部ごとに書き方が違います。
6つの本部を並べて見ていきます。

この記事の結論
  • 消防法施行規則第14条第1項は制御弁を階ごとに床から0.8m以上1.5m以下に設けると定めるが、置く部屋の種類は書いていない
  • 津市は流水検知装置を階段や非常用エレベーター乗降ロビー等の直近の、不燃材料で区画した専用室や配管室等に設けるとしている
  • 津市は点検口を廊下等の共用部分に面して設け、扉は施錠できない構造とし、置き場所に非常用照明装置を設けるとしている
  • 鈴鹿市と埼玉県央広域は制御弁の置き場所の説明を流水検知装置にも当てはめ、火気を使用する設備を設けた機械室を除いている
  • 堺市はパイプシャフトや機械室等からボイラー等の火気使用設備の場所を除き、四日市市と大阪市はそれぞれ扉の表示や照明を書いている

▼

階ごとに設ける国の規則と不燃区画の専用室と鍵をかけない扉と本部ごとに違う置き場所を並べた図解

国の規則では流水検知装置と制御弁の置き場所はどこまで決まっているのか

2階建ての断面で各階の配管の腰の高さに流水検知装置と赤いハンドルの制御弁を付けたイメージ
まず、スプリンクラー設備の制御弁と自動警報装置を定めた消防法施行規則第14条第1項を確かめます。
置き場所に関係するのは第3号の制御弁と、第4号ロの発信部です。
消防法施行規則 第14条第1項(抜粋)
三 制御弁は、次に定めるところによること。
イ 制御弁は、(略)閉鎖型スプリンクラーヘッドを用いるスプリンクラー設備(略)にあつては当該防火対象物の階(略)ごとに床面からの高さが〇・八メートル以上一・五メートル以下の箇所に(略)設けること。
ロ 制御弁にはみだりに閉止できない措置が講じられていること。
ハ 制御弁にはその直近の見やすい箇所にスプリンクラー設備の制御弁である旨を表示した標識を設けること。
四 ロ 発信部は、各階(略)又は放水区域ごとに設けるものとし、当該発信部には、流水検知装置又は圧力検知装置を用いること。
国は部屋までは決めていません。
国の規則が決めているのは、流水検知装置を各階(又は放水区域)ごとに設けることと、制御弁の高さ・閉止できない措置・標識までです。
第14条第1項の第3号と第4号を読んでも、専用室・配管室・点検口・扉の錠といった言葉は出てきません。
一方で、津市・四日市市・大阪市の基準は、制御弁を流水検知装置の一次側直近に設けるとしているので、2つはほぼ同じ場所に並びます。
そのため、制御弁の置き場所について書かれた決まりは、流水検知装置の置き場所を考えるときにも手がかりになります。
明日やることは、設備図で各階の流水検知装置と制御弁がどの部屋に描かれているかを一覧にすることです。

国の規則には部屋の決まりが無いのですね。

だからこそ、建物のある市の審査基準が決め手になります。
次は津市の書き方です。

津市では流水検知装置をどんな部屋に置くのか

階段のすぐ横に不燃材料の壁で区切った小さな専用室を設け中に流水検知装置を置いたイメージ
津市予防事務審査検査基準の5-3スプリンクラー設備は、8を「流水検知装置及び自動警報装置」にあてています。
置き場所は、その⑴から⑶に書かれています。
津市予防事務審査検査基準 5-3 スプリンクラー設備 8(抜粋)
⑴ 流水検知装置の一次側直近には、制御弁を設けること。
⑵ 流水検知装置は、階段又は非常用エレベーター乗降ロビー等の直近で点検に際し、人が容易に出入りできる場所に設けること。
⑶ 流水検知装置は、火災等の被害を受けるおそれが少ない不燃材料で区画した専用室又は配管室(各階ごとに床打されていること。)等に設けること。
階段の近くの専用室が基本です。
津市は、まず場所として階段や非常用エレベーター乗降ロビー等の直近で、人が容易に出入りできる所を求めています。
そのうえで部屋は、不燃材料で区画した専用室か、各階ごとに床が打たれた配管室等としています。
冒頭の質問のような倉庫の奥は、階段等の直近でも専用室でもないので、⑵と⑶に合わせにくい配置です。
津市の5-3の8には、項目ごとの記号は付いていません(画像でも確かめました)。
明日やることは、流水検知装置を置く部屋の壁の仕様と、階段からの位置を図面で確かめることです。

倉庫の奥では階段から遠すぎるということですね。

配置を変えられる今のうちに設計者と相談しましょう。
部屋の区画も一緒に見直せます。

点検口の扉に鍵をかけてはいけないのか

廊下の壁にある点検口の扉が半分開いて中の制御弁が見え扉の上に非常用照明がある通路のイメージ
津市の⑶には、続けて点検用の開口部と扉のことが書かれています。
あわせて、⑼で置き場所の照明も求めています。
津市予防事務審査検査基準 5-3 スプリンクラー設備 8(抜粋)
⑶(なお書き) なお、点検用の開口部は、廊下等の共用部分に面した場所に設けることとし、当該開口部に設ける扉は、施錠できない構造のものとすること。ただし、容易に解錠できる透明プラスチックカバー付き非常解錠方式等の構造のものとする場合にあってはこの限りでない。
⑼ 流水検知装置が設けられている場所には、非常用照明装置を設けること。
扉は施錠できない構造にします。
津市は、点検口を共用部分に面した場所に設け、その扉を施錠できない構造にするとしています。
ただし、透明なプラスチックカバーを外せばすぐ解錠できる非常解錠方式等なら、この限りでないとしています。
⑼では、流水検知装置のある場所に非常用照明装置を設けるとしていて、停電した中での操作も想定した書き方です。
ほかの本部では、四日市市が配管室や専用室の中に制御弁を設けるときは扉や点検口の前にも制御弁の表示をするとし(下線=行政指導)、鈴鹿市と埼玉県央広域は制御弁の標識を共用部分から容易に識別できる位置に設けるとしています(▲)。
明日やることは、点検口の扉に付ける錠の種類を確かめ、普通の鍵なら非常解錠方式に変えられるかを相談することです。

いたずらが心配でも、普通の鍵はかけられないのですね。

カバー付きの非常解錠なら両立できます。
製品を選ぶ前に管轄へ確認しておくと安心です。

ほかの消防本部ではどんな場所なら点検に便利とされるのか

配管が縦に通るパイプシャフトの横にボイラー室があり火気のある部屋には置かないことを示すイメージ
鈴鹿市と埼玉県央広域の審査基準は、流水検知装置の置き場所を、前に出てくる制御弁の項目を借りて説明しています。
借り先をたどると、置いてよい部屋が具体的に並んでいます。
鈴鹿市消防用設備等に関する審査基準 第4章 第3 スプリンクラー設備 8⑴(抜粋)
ア 点検に便利で、かつ、火災等の災害による被害を受けるおそれが少ない箇所(機器の点検ができる空間が確保された専用の室、ポンプ室、パイプシャフト若しくはパイプダクト又は壁、床及び天井の室内に面する部分の仕上げを不燃材料とした機械室(火気を使用する設備を設けた室を除く。)をいう。)に設ける。▲

堺市 スプリンクラー設備の基準 (7)自動警報装置(抜粋)
イ 流水検知装置等は、各階又は各放水区域のパイプシャフト、機械室等(炉、ボイラー等の火気使用設備を設置する場所を除く。)に設置すること。★
火気のある部屋は外されています。
鈴鹿市と埼玉県央広域の流れを番号順にたどると、次のようになります。
  1. 鈴鹿市は9⑴アで「流水検知装置は、第8⑴アの例に倣い」点検に便利な箇所に設けるとしている(▲)
  2. 埼玉県央広域は10⑴アのなお書きで、その箇所の意味は「前9⑴を準用」するとしている(▲)
  3. 借り先の制御弁の項(鈴鹿市8⑴ア・埼玉県央広域9⑴)が、専用の室・ポンプ室・パイプシャフト・パイプダクト・不燃材料で仕上げた機械室を挙げている
  4. どちらも機械室から火気を使用する設備を設けた室を除いている
堺市も、パイプシャフトや機械室等から炉・ボイラー等の火気使用設備の場所を除いていて、★は堺市が独自に定めた指導の印です。
鈴鹿市と埼玉県央広域は、地下5階以上の深い階に置く制御弁は階段付近等の維持管理しやすい場所に設けるとも書いています(▲)。
四日市市は「人が容易に出入りできる場所」と「被害を受けるおそれがない場所」の2つを挙げ、この(3)には下線がありません(画像で確かめました)。
大阪市は制御弁を各階の平面配置上同一又は近接した場所に設けるとし(◆)、弁の操作に必要な照明も求めています(◆)。
明日やることは、下の表で建物のある本部の行を探し、置き場所の候補の部屋が当てはまるかを確かめることです。
置いてよい場所扉・標識・照明記号
国の規則各階又は放水区域ごと(制御弁は床から0.8m以上1.5m以下)制御弁の直近に標識-
津市階段や非常用エレベーター乗降ロビー等の直近・不燃材料で区画した専用室や各階で床打ちした配管室等点検口は共用部分に面し扉は施錠できない構造(非常解錠方式等は可)・非常用照明装置記号なし
鈴鹿市専用の室・ポンプ室・パイプシャフト・パイプダクト・不燃仕上げの機械室(火気を使用する設備の室を除く)制御弁の標識は共用部分から識別できる位置▲
埼玉県央広域鈴鹿市と同じ部屋(制御弁の項を準用)制御弁の標識は共用部分から識別できる位置▲
四日市市人が容易に出入りでき被害を受けるおそれがない場所配管室や専用室の扉・点検口の前にも制御弁の表示場所は下線なし・表示は下線(行政指導)
大阪市制御弁は各階の平面配置上同一又は近接した場所開閉状態の標識と弁の操作に必要な照明◆
堺市各階又は各放水区域のパイプシャフト・機械室等(炉・ボイラー等の場所を除く)共用部分から見えなければ直近と共用部分に標識★

つまりパイプシャフトなら多くの本部で候補になるのですね。

候補にはなりますが、点検できる広さがあるかも見られます。
扉を開けて人が入れるかを確かめましょう。

設計や改修の前に何を確かめればよいのか

防災センターの机の上に作動した階を示す表示盤があり横に非常電源の蓄電池盤を置いたイメージ
津市の8には、置き場所のほかにも流水検知装置まわりの細かい決まりが並んでいます。
受信部の表示装置と、操作ハンドルの扱いです。
津市予防事務審査検査基準 5-3 スプリンクラー設備 8(抜粋)
⑸ 規則第14条第1項第4号ニに定める表示装置は、非常電源容量を30分以上保有すること。
⑹ 流水検知装置の操作ハンドルは、人が容易に触れないような措置を施すこと。
⑺ 表示装置の表示窓は、流水検知装置ごとに設けること。
表示装置の電源も見ておきます。
国の規則第14条第1項第4号ニは、ヘッドが開放した階や放水区域が分かる表示装置を防災センター等に設けると定めています。
津市はその表示装置に、30分以上の非常電源容量を持たせるとしています。
表示窓を流水検知装置ごとに設ける点は、大阪市も第7の4で表示部を流水検知装置ごとに設けるとしています。
操作ハンドルに人が容易に触れない措置をするのは、置き場所を共用部分に面させることと組み合わせて読む必要があります。
明日やることは、次の5点を設備業者と一緒に図面で確かめることです。
  • 流水検知装置を置く部屋の種類と、階段等からの位置
  • 部屋の壁と天井が不燃材料かどうか、火気を使う設備が無いか
  • 点検口の扉の錠の種類と、共用部分に面しているか
  • 非常用照明と、制御弁の標識の位置
  • 表示装置の表示窓の数と、非常電源の容量

防災センターの表示盤の電源まで決まっているとは知りませんでした。

改修で表示盤を入れ替えるときも容量を確かめましょう。
仕様書に30分以上と書いてあるかが目安です。

よくある質問

Q津市でパイプシャフトの中に流水検知装置を置いてもよいですか?
A津市は「専用室又は配管室(各階ごとに床打されていること。)等」としているので、各階で床が打たれ不燃材料で区画され、階段等の直近にあるかを図面で確かめてください。
Q点検口の扉にはどんな錠も付けられないのですか?
A津市は施錠できない構造を原則にしつつ、容易に解錠できる透明プラスチックカバー付きの非常解錠方式等ならこの限りでないとしています。
Qボイラー室の中に流水検知装置を置いてもよいですか?
A鈴鹿市と埼玉県央広域は火気を使用する設備を設けた室を除き、堺市も炉・ボイラー等の火気使用設備の場所を除いているので、避けるのが基本です。
Q津市では流水検知装置の表示装置に非常電源が要りますか?
A津市の8⑸は、規則第14条第1項第4号ニの表示装置に30分以上の非常電源容量を持たせるとしています。

まとめ

✔国の規則は流水検知装置を各階ごとに設けると定めるが置く部屋の種類は書いていない
✔津市は階段等の直近の不燃材料で区画した専用室や配管室等に設けるとしている
✔津市は点検口の扉を施錠できない構造とし非常解錠方式等なら例外としている
✔津市は置き場所に非常用照明装置を求め表示装置には30分以上の非常電源容量を求める
✔鈴鹿市と埼玉県央広域は制御弁の項を借りてパイプシャフトや不燃仕上げの機械室などを挙げている
✔鈴鹿市・埼玉県央広域・堺市はいずれも火気を使う設備のある部屋を除いている
✔置き場所と扉と照明を図面で押さえ建物のある本部の基準で確かめる

まずは流水検知装置の置き場所を図面で洗い出してみます!

津市なら階段の近くと扉の錠が分かれ目です。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

まずはWebで無料お見積りを!

お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 消防法施行規則 第14条(e-Gov法令検索)
  • 津市予防事務審査検査基準 5-3 スプリンクラー設備(津市消防本部)
  • 鈴鹿市消防用設備等に関する審査基準 第4章 第3 スプリンクラー設備(鈴鹿市消防本部)
  • 埼玉県央広域消防本部消防用設備等に関する審査基準 第3 スプリンクラー設備(埼玉県央広域消防本部)
  • 四日市市消防同意事務審査基準 スプリンクラー設備(四日市市消防本部)
  • 大阪市消防局 消防用設備等の設置に係る運用基準 スプリンクラー設備(大阪市消防局)
  • 堺市消防同意・消防用設備等審査基準 スプリンクラー設備(堺市消防局)

※本記事は各消防本部が公表している審査基準と消防法施行規則に基づく一般的な解説です。東大阪市は、手元の運用基準にスプリンクラー設備の節が見当たらなかったため比べていません。運用基準・条例は改正されることがあるため、最新は管轄の消防署・消防本部で確認してください。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

BLOGカテゴリ
最新の記事
防火管理者代行サービス 強欲な青木 協業プラン(YouTube出演・ショート動画制作)
無料1分概算見積
流水検知装置はどんな部屋に置けばよいのか|専用室の流水検知装置と開いた扉の写真
スプリンクラー設備の流水検知装置は、ヘッドから水が出たことを知らせる発信部で、各階の配管に付いています。 国の消防法施行規則は、制御弁の高さや標識は決めていますが、どんな部屋に置くかは書いていません。 津市の予防事務審査...
リクルート 採用情報はこちら →
採用ページ 一緒に働く仲間を募集中 → フランチャイズ (株)防災屋と一緒に開業する → 協力業者 協力業者さん募集中 →