危険物施設を新しく設けたり変更したりしたときは、使い始める前に完成検査を受けなければなりません。
四日市市消防本部には、この検査を、消防職員が施設に立ち入らずインターネットで行う要綱があります。
ただし、申出をすれば必ずオンラインになるわけではなく、現地検査に戻る場合も要綱が決めています。
消防法の条文から要綱の第1条〜第8条までを番号つきでたどり、国の通知が見つからなかった点もそのまま書きます。
危険物施設の変更工事が終わったら、検査員さんに現地へ来てもらうものだと思っていました。
原則は現地です。
ただ、四日市市にはオンラインで受けられる要綱があります。
申し込めば、誰でもオンラインにしてもらえるのでしょうか。
いいえ、消防本部の判断が入ります。
その仕組みを要綱でたどりましょう。
- 消防法第11条第5項は、製造所等を設置したり変更したりしたときは、市町村長等が行う完成検査に適合と認められた後でなければ使ってはならないと定めている
- 四日市市の要綱は、完成検査・完成検査前検査(水張及び水圧検査に限る)・審査基準の中間検査を、消防職員が立ち入らずに行う方法を定めている
- オンラインになるのは、申請者から申出があり、かつ消防本部が現地へ行かなくても確認できると判断した場合に限られる
- 送信する情報は実時間のものに限り、機器は申請者と消防本部がそれぞれ持つものを使い、非防爆の機器はガイドラインに準拠する
- 検査員が確認できないと判断したときは、改めて現地検査になる。国の通知は今回確認した範囲で見つからず、最新は消防本部で確認する
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目次
四日市市でオンラインで受けられる危険物施設の検査はどの検査なのか

四日市市の要綱は、そのうちの三つの検査を、オンラインで行えるとしています。
第一項の規定による許可を受けた者は、製造所、貯蔵所若しくは取扱所を設置したとき又は製造所、貯蔵所若しくは取扱所の位置、構造若しくは設備を変更したときは、当該製造所、貯蔵所又は取扱所につき市町村長等が行う完成検査を受け、これらが前条第四項の技術上の基準に適合していると認められた後でなければ、これを使用してはならない。
…法第11条第5項の規定に基づき実施する完成検査、同法第11条の2第1項の規定に基づき実施する完成検査前検査(水張及び水圧検査に限る)及び四日市市危険物規制審査基準(本編)第2章第3節第7の規定に基づき実施する中間検査(以下「完成検査等」という。)を消防職員が製造所等に立ち入ることなく、インターネットを通じて実施する場合における検査方法等について必要な事項を定めるものとする。
完成検査は、法第11条第5項の検査で、設置や変更の工事のあと、使い始める前に受けます。
完成検査前検査は、法第11条の2第1項の検査で、要綱はこのうち水張及び水圧検査に限っています。
中間検査は、四日市市危険物規制審査基準(本編)第2章第3節第7が決める検査です。この基準の中身は今回確認できていないので、ここでは要綱が名前を挙げている点だけを書きます。
| 検査 | 根拠 | 要綱が挙げる範囲 |
|---|---|---|
| 完成検査 | 消防法 第11条 第5項 | 完成検査として挙げている |
| 完成検査前検査 | 消防法 第11条の2 第1項 | 水張及び水圧検査に限る |
| 中間検査 | 四日市市危険物規制審査基準(本編)第2章 第3節 第7 | 要綱が挙げる(基準の中身は未確認) |
完成検査のほかにも、オンラインでできる検査があるのですね。
はい、要綱は三つの検査を挙げています。
完成検査前検査は、水張と水圧に限られます。
申出をすれば必ずオンラインで検査してもらえるのか

ただし、申出だけでは決まらず、消防本部の判断が重なります。
オンライン検査とすることができる検査は、完成検査等のうち、申請者からオンライン検査実施に係る申出があり、かつ消防本部が製造所等に立ち入った検査(以下「現地検査」という。)によらなくても、法第10条第4項の技術上の基準への適合及び法第11条第2項の許可内容との整合(以下「検査項目」という。)について確認できると判断した場合に限る。
申請者は、オンライン検査による完成検査等の申出について、完成検査等の申請時に申請書の提出等と併せて実施するものとする。この場合において、消防本部がオンライン検査による方法では完成検査等に係る検査項目について確認することが困難であると認める場合は、現地検査を実施するものとする。
一つ目は、申請者からの申出があることです。
二つ目は、消防本部が、現地へ行かなくても検査項目を確認できると判断することです。
検査項目とは、法第10条第4項の技術上の基準に合っていることと、法第11条第2項の許可の内容と合っていることです。 申出の時期は、完成検査等を申請するときに、申請書の提出などと併せて行うと第4条が書いています。
申請書を出す日に申出も添えるので、オンラインを希望するかは、申請の前に決めておきましょう。
申し出ても、現地での検査になることがあるのですね。
はい、消防本部が確認が難しいと認めれば現地検査です。
申出が通るかは、消防本部の判断です。
オンライン検査の当日はどのように進むのか

何を機器と呼ぶか、情報をどう送るかは、第2条と第5条が決めています。
(1)携帯型電子機器とは、ICT(情報通信技術)を活用したスマートフォン、タブレット、スマートグラスその他の電子機器をいう。
2 申請者は、検査員が検査項目を確認するうえで必要な情報について、当該携帯型電子機器を通じて検査員に送信するものとする。
3 前項の場合において、検査の真正性を確保するため、検査実施時に送信する情報については実時間によるものに限ることとする。
4 検査員は、検査項目について確認するうえで必要な情報を得るため、申請者に対し必要に応じ指示を与えるものとする。
第5条第3項は、その理由を「検査の真正性を確保するため」と書いています。
実時間に限るので、前もって撮っておいた情報は、この文言に当てはまりません。
検査員は、確認に必要な情報を得るため、必要に応じて申請者へ指示を出します。 だから、当日は、検査員の指示に従って情報を送れる担当者を、あらかじめ決めておくと進めやすくなります。
つまり、その場で検査員さんの指示を受けながら進めるのですね。
そのとおりです。
情報は実時間で送るのが決まりです。
危険物施設の中でスマートフォンやタブレットは使ってよいのか

要綱の第6条は、オンライン検査で使う機器についても、四日市市のガイドラインに準拠するよう求めています。
オンライン検査実施時において、申請者による携帯型電子機器の使用については、「製造所等における非防爆携帯型電子機器使用に係るガイドライン」に準拠した運用を行うものとする。なお、使用機器にあっては申請者及び消防本部各々が保有する機器で実施するものとする。
ガイドライン(令和7年3月1日)は、防爆構造が求められる範囲で非防爆の機器を使うとき、可燃性蒸気等がないことをガス検知器などで容易に確認できることや、十分な換気で蒸気が滞留しない室内等であることを求めています。
ガス検知器が反応したときは、機器の使用を直ちに中止して退避します。
この条件の読み方は、別の記事で国の通知と比べて整理しています。 だから、検査の当日にタブレットなどを施設の中へ持ち込む予定なら、蒸気がないことを確かめる手順を先に整えておきましょう。
検査のために持ち込む機器でも、防爆の決まりは同じなのですね。
はい、第6条がガイドラインへの準拠を求めています。
使う場所は消防本部と決めておきましょう。
検査員がオンラインでは確認できなかったときはどうなるのか

要綱は、改めて現地検査を行うと決めています。
オンライン検査を実施した結果、検査員が当該検査では検査項目の確認ができないと判断した場合は、改めて現地検査により完成検査等を実施するものとする。
検査員は、オンライン検査実施時において製造所等に係る機微情報が他に漏えいすることがないよう細心の注意を払うとともに、これを適切に管理するものとする。
現地へ戻る場面は二つあります。
一つ目は、第4条の、申請時に消防本部がオンラインでは確認が困難だと認める場合です。
二つ目は、第8条の、オンライン検査を行った結果、検査員が確認できないと判断した場合です。
第7条は、施設に関する機微情報が他に漏れないよう、検査員が細心の注意を払って管理すると書いています。 要綱の附則は二つあり、令和4年4月1日と令和8年10月1日の施行が書かれています。
後の附則で何を改めたかは、この文書だけでは分かりません。
現地検査になる場合もあるので、工期に余裕を見ておき、最新の内容は消防本部で確認しましょう。
確認できないときは、改めて現地まで来てもらうわけですね。
はい、再検査は現地検査です。
工期に余裕を見ておくと安心です。
よくある質問
まとめ
申請の前に、オンライン検査の希望を消防本部へ伝えます!
迷う点は、早めに消防本部へ相談しましょう。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防法 第11条・第11条の2(e-Gov法令検索・現行条文)
- 四日市市消防本部「危険物施設における完成検査等のオンライン実施に関する要綱」
- 四日市市消防本部「製造所等における非防爆携帯型電子機器使用に係るガイドライン」(令和7年3月1日)
- 危険物施設の変更工事に係る完成検査等について(平成11年3月17日 消防危第22号・総務省消防庁)
※本記事は四日市市消防本部が公表している要綱・ガイドラインと、消防法の条文に基づく一般的な解説です。要綱が名前を挙げる審査基準(本編)の中身と、他の市の取扱いは確認していません。「確認できませんでした」「見当たらない」としたものは、今回調べた範囲の結果です。運用基準・条例は改正されることがあるため、最新は管轄の消防署・消防本部で確認してください。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





