都市ガスの導管を保守しているのは、私たちが契約する小売会社とは別の「一般ガス導管事業者」だとご存知でしょうか。
実はこの事業者には、ガス事業法第六十四条・第六十五条によって「保安規程」と「ガス主任技術者」という二つの安全体制が義務づけられています。
では、この二つのうちどちらかを怠ったとき、罰則にはどんな違いがあるのでしょうか。
本記事ではガス事業法第六十四条・第六十五条を取り上げ、保安規程とガス主任技術者がなぜ両方必要なのか、怠ったときの罰則の重さの違いを解説します。
自分のビルに来ているガス管にも、こんな仕組みがあるとは知りませんでした。
点検してくれる会社はいつも同じですよね。
実は保安規程とガス主任技術者はまったく別の制度です。
順番に見ていきましょう。
どちらか一方が欠けたらどうなるんでしょうか。
実は欠けた仕組みによって罰則の重さが大きく変わります。
その境目を見てみましょう。
- 一般ガス導管事業者は、ガス工作物の保安を確保するため保安規程を定め、経済産業大臣に届け出なければなりません。
- 保安規程を変更したときも、遅滞なく届け出る必要があります。
- 一般ガス導管事業者は、免状と実務経験を持つ者のうちからガス主任技術者を選任し、保安の監督をさせなければなりません。
- ガス主任技術者を選任・解任したときも、遅滞なく届け出なければなりません。
- 保安規程の届出漏れは三十万円以下の罰金ですが、ガス主任技術者を選任しなかった場合は三百万円以下の罰金になります。
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目次
一般ガス導管事業者はなぜ保安規程とガス主任技術者の両方を備えるのか

だからこそ法律は、その導管を運用する事業者自身に安全体制を義務づけています。
この重い責任を果たすため、法律は事業者に二つの仕組みを課しています。
一つは保安規程という書面のルール、もう一つはガス主任技術者という人による監督です。
書面と人、この二つがそろって初めて保安が確保される仕組みになっています。
まずは保安規程の中身から見てみましょう。
使用停止まで命じられることがあるんですね。
保安規程には何を書くんでしょうか。
実は事業を始める前に届け出る義務があります。
条文で確認しましょう。
保安規程には何を定め届け出るのか

条文が定める要件を確認しましょう。
届出は認可制ではなく、国が内容を事前に審査して許可を出す仕組みではありません。
規程を変更したときも、遅滞なくその内容を届け出なければなりません。
一方で経済産業大臣は、保安のため必要があれば規程そのものの変更を命じる権限を持っています。
書面のルールが整ったところで、次はそれを実際に監督する人の仕組みを見てみましょう。
書類を出すだけで、規程どおり運用されているかは分かるんでしょうか。
実は資格を持つ人が現場で監督する仕組みもあります。
次はその役割を見てみましょう。
ガス主任技術者はどんな役割を担うのか

条文を確認しましょう。
選任できるのはだれでもよいわけではなく、免状の交付と実務経験の両方を満たす人に限られます。
選任・解任のいずれも、遅滞なく経済産業大臣への届出が必要です。
そして工事や維持、運用に携わる従業者は、ガス主任技術者の保安上の指示に従う義務を負います。
書面のルールと現場の監督者、この二つがそろって初めて保安体制が完成します。
資格を持った人が現場で指示するんですね。
選ばなかったらどうなるんでしょうか。
実は怠った制度によって罰則の重さがまったく違います。
次はその差を見てみましょう。
保安規程の届出漏れとガス主任技術者の未選任では罰則はどう違うのか

条文で比べてみましょう。
保安規程を変更したのに届け出なかった場合や、変更命令に違反した場合も、同じ三十万円以下の罰金にとどまります。
一方でガス主任技術者を選任しなかったこと自体は、届出違反とは別枠のより重い罰則が定められています。
書類の不備よりも、現場に監督する人がいない状態のほうが重く扱われるという構造です。
この違いを踏まえて、明日から何を確認すればよいかを整理しましょう。
十倍も違うとは思いませんでした。
実際に何を確認すればよいでしょうか。
確認するポイントを整理しましょう。
次で具体的に見ていきます。
明日からなにを確認すればよいのか

最後に、指示に従う義務の範囲も確認しておきます。
保安規程を変更する予定があるときは、遅滞なく届け出る手順をあらかじめ決めておきましょう。
ガス主任技術者が異動や退職で交代するときは、解任と選任の届出を同時に済ませる必要があります。
現場で工事や維持に関わる従業者には、ガス主任技術者の指示に従う義務があることをあらためて周知しておきましょう。
建物の管理者としては、契約しているガス導管事業者がこの二つの体制を備えているかも、確認の目安になります。
自社の届出状況、一度確認してみます。
届出と選任の確認する習慣が一番の備えです。
次によくある質問をまとめます。
よくある質問
まとめ
保安規程とガス主任技術者、両方とも必要だと分かりました!
今度は自社の届出状況を確認してみます。
届出と選任の確認が一番の備えになります。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- ガス事業法(昭和二十九年法律第五十一号)第六十一条・第六十四条・第六十五条・第六十六条・第百九十九条・第二百一条
※本記事は公表されている法令に基づく一般的な解説です。個別の判断については所轄の経済産業局にご確認ください。





