粉末消火設備の点検には、消火剤を手で握って、床の上から落とす確認があります。
握って固めても落として砕ければよいと聞くと、どこまで固まったら不合格なのか気になります。
消防庁の点検要領は、その確かめ方と、点検自体を見合わせる温度と湿度まで書いています。
この記事では、粉末消火剤のケーキングの判定と、点検を見合わせる条件を整理します。
粉末消火剤は、固まっていたらすぐ不良ですか。
固まりかけでも、落として砕けるかで見る決まりです。
順番に見ていきましょう。
点検をしてはいけない天気もあるのでしょうか。
温度と湿度で見合わせる目安があります。
数字も確かめます。
- 握って固めた粉末消火剤が床上50cmの高さから落として砕けることが、点検要領の判定です。
- 異物の混入・変質・固化などが無いことも、同じ判定で確かめます。
- 温度が40℃以上、湿度が60%を超える場合は、点検を見合わせます。
- この方法は、点検要領の蓄圧式の消火剤貯蔵容器の項目に書かれています。
- 告示の点検基準は「規定量以上貯蔵」までで、握って落とす方法は点検要領の側にあります。
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目次
握って落とす確認は点検要領のどこに書かれているのか

まず、どの項目の中に置かれているかを確かめます。
判定方法として、所定の消火薬剤が規定量以上貯蔵されていること、および、異物の混入、変質、固化等がなく、かつ、手で握ってケーキングしても床上50cmの高さから落下させた場合、砕けることが並んでいる。
規定量以上貯蔵されていること。
告示の点検基準は、消火剤量を規定量以上貯蔵とだけ定めています。
点検要領がその中身を具体的にして、量に加えて粉末の状態も見る形になっています。
粉末消火剤の種類そのものは、粉末消火剤の種類の記事で扱っています。
ケーキングというのは、粉が固まることですか。
点検要領は、手で握ってかたまりにすることをケーキングと書いています。
固まりやすさを確かめる方法です。
消火剤の量はどうやって量るのか

容器についた部品を外してから、秤に乗せます。
(1) 容器弁に装着されている容器弁開放装置、連結管、操作管及び容器押えを取り外す。
(2) 秤の上に乗せ計量する。
(3) 消火剤量は測定値から、容器弁(サイフォン管を含む。)及び容器の質量を差し引いた値とする。
先に取り外すのは、開放装置・連結管・操作管・容器押えです。
点検要領は、機器を取り外したときは、終わったあとに接続部の緩み、脱落、封印などを再確認するよう、一般的留意事項で求めています。
消火剤の量の最低限度は、規則第21条第3項が設備ごとに定めています。
量ったあとに、元に戻す確認も要るのですね。
点検終了後に、接続部の緩み・脱落・封印を確かめる決まりです。
外しっぱなしにしないための定めです。
握って固めた粉が床上50cmから落ちて砕けるとはどういう判定か

固まり方に一定の余裕があるかを、手と高さだけで確かめる方法です。
異物の混入、変質、固化等がなく、かつ、手で握ってケーキングしても床上50cmの高さから落下させた場合、砕けること。
判定は二段になっています。
まず、異物の混入・変質・固化が見た目で無いこと。
そのうえで、握ってかたまりにしたものを床上50cmから落として砕けることです。
点検要領は、握る強さや落とす回数、砕け方の程度までは書いていません。
砕けなかったら、消火剤を全部替えるのですか。
点検要領は、その先の措置までは書いていません。
不良の扱いは、消防設備士や所轄消防署にご確認ください。
なぜ温度40℃以上・湿度60%超のときは点検を見合わせるのか

点検要領は、判定方法の下に注意書きを置いています。
温度40℃以上、湿度60%を超える場合は、点検を見合わせること。
点検要領は、見合わせる理由を書いていません。
握って落とす確認は粉の状態を見るものなので、高温多湿だと結果が変わることを避ける趣旨と読めます。
なお、貯蔵容器の設置場所そのものにも別の温度の定めがあります。次の項目で確かめます。
見合わせたら、点検は飛ばしてよいのですか。
見合わせるのは、その確認の実施です。
いつやり直すかは、点検の計画で決めておきます。
貯蔵容器の置き場所の温度と湿度はどう決まっているのか

条文と点検要領を並べて見ます。
貯蔵容器は、防護区画以外の場所に設けること。温度四十度以下で温度変化が少ない場所に設けること。直射日光及び雨水のかかるおそれの少ない場所に設けること。
湿度が著しく高くなく、周囲温度は40℃以下であること。直射日光、雨水等の影響を受けるおそれがないこと。
点検要領の周囲の状況は、これを棒状温度計と目視で確かめる形になっています。
消火剤の状態を守る置き場所の条件と、点検の条件は、どちらも高温と湿気を避ける向きでそろっています。
貯蔵容器等の規格や置き場所の全体は、貯蔵容器等の置き場所の記事で扱っています。
粉末消火設備の起動の仕組みは、粉末消火設備の起動の記事をご覧ください。
蓄圧式の圧力計が、ゼロを指していたらどうなりますか。
点検要領は、指針がゼロ点の位置にあるときは、消火剤量の点検を行うことと注記しています。
そこで、この握って落とす確認にもつながります。
よくある質問
まとめ
点検の予定日は、気温と湿度も見て決めておきます!
見合わせになる日を避けた段取りを組むと安心です。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防用設備等の点検要領の全部改正について(平成14年6月11日 消防予第172号 消防庁予防課長)別添 点検要領 第8 粉末消火設備
- 消防用設備等の点検の基準及び消防用設備等点検結果報告書に添付する点検票の様式を定める件(昭和50年消防庁告示第14号)別表第8
- 消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第19条第5項第6号、第21条第3項・第4項
※本記事は公表されている法令および消防庁の点検要領に基づく一般的な解説です。点検要領は改正されることがあります。個別の判断は、消防設備士や所轄消防署にご確認ください。





