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指定構造計算適合性判定機関は誰でも指定を受けられるのか欠格や基準はどう決まっているのか|建築基準法第77条の35の2から第77条の35の4を解説

官庁の机に置かれた申請用紙と地図と規程の綴りの写真

建築物の構造計算適合性判定を行う機関は、誰でも名乗れば務まるわけではありません。
指定を受けるための申請の仕方、受けられない人、満たすべき基準は、法律に書かれています。
今回は建築基準法第77条の35の2から第77条の35の4を中心に、指定の申請と業務区域、欠格条項、指定の基準、防火管理者が押さえておきたい点をあわせて解説します。

構造計算適合性判定を行う機関は、どのようにして指定を受けるのですか。
誰でも指定を受けられるのでしょうか。

条文では、まず申請で始まるとされています。
あわせて、指定を受けられない場合や満たすべき基準も定められています。

指定を受けられない人というのは、どのような人なのでしょうか。
基準というのも気になります。

第77条の35の3に欠格条項が、第77条の35の4に指定の基準があります。
順番に条文を確認していきます。

この記事の結論
  • 指定は、構造計算適合性判定の業務を行おうとする者の申請により行われ、申請は業務区域を定めてしなければなりません(第77条の35の2第1項・第2項)。
  • 国土交通大臣は、指定をしようとするときは、あらかじめ業務区域を所轄する都道府県知事の意見を聴かなければなりません(第3項)。
  • 未成年者や、破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者などは、指定を受けることができません。法人は、役員や親会社等が欠格に当たる場合も同じです(第77条の35の3)。
  • 大臣や知事は、判定員の数、財産、経理的基礎、公正な実施などの八つの基準に適合していると認めるときでなければ、指定をしてはなりません(第77条の35の4)。
  • これは建築基準法の判定機関のルールで、消防法令の基準とは別の制度です。

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構造計算適合性判定機関の指定の申請と欠格条項と指定の基準を示す図解

構造計算適合性判定機関の指定はどのように申請して誰の意見を聴くのか

官庁の建物と申請書類と砂時計のイラスト
まず、第77条の35の2を確認しましょう。
(建築基準法第七十七条の三十五の二第一項)第十八条の二第一項の規定による指定(以下この節において単に「指定」という。)は、構造計算適合性判定の業務を行おうとする者の申請により行う。
(建築基準法第七十七条の三十五の二第二項)前項の申請は、国土交通省令で定めるところにより、構造計算適合性判定の業務を行う区域(以下この節において「業務区域」という。)を定めてしなければならない。
(建築基準法第七十七条の三十五の二第三項)国土交通大臣は、指定をしようとするときは、あらかじめ、業務区域を所轄する都道府県知事の意見を聴かなければならない。
第77条の35の2第1項は、指定が、構造計算適合性判定の業務を行おうとする者の申請により行われると定めています
第2項は、その申請を、国土交通省令で定めるところにより、業務を行う区域を定めてしなければならないとしています。
この区域は、条文で業務区域と呼ばれています。
第3項は、国土交通大臣が指定をしようとするときは、あらかじめ、業務区域を所轄する都道府県知事の意見を聴かなければならないとしています。
この第3項は国土交通大臣を主語にした規定で、意見の聴き方や申請書の中身は、この条文には書かれていません。

指定を受けたい機関は、区域を決めずに申請できるのでしょうか。

第2項は、申請を業務区域を定めてしなければならないと書いています。
区域を決めずに申請することは、条文の書き方とは合いません。

どのような人や法人は指定を受けることができないのか

閉じた門と書類束と官庁の建物のイラスト
次に、第77条の35の3の前半を確認しましょう。
(建築基準法第七十七条の三十五の三)次の各号のいずれかに該当する者は、指定を受けることができない。
一 未成年者
二 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
三 拘禁刑以上の刑に処せられ、又は建築基準法令の規定により刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して五年を経過しない者
四 第七十七条の三十五第二項の規定により第七十七条の十八第一項に規定する指定を取り消され、その取消しの日から起算して五年を経過しない者
第77条の35の3は、次の各号のいずれかに該当する者は、指定を受けることができないと定めています
第1号は未成年者、第2号は破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者です。
第3号は、拘禁刑以上の刑や建築基準法令の規定による刑に処せられ、その執行を終わるなどした日から5年を経過しない者です。
第4号は、第77条の35第2項の規定により、第77条の18第1項に規定する指定を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者です。
第77条の18第1項の指定は、この条文が書いている別の指定で、ここでは確認検査機関の指定のことです。

刑に処せられた人は、いつまで指定を受けられないのですか。

第3号は、執行を終わるなどした日から起算して5年を経過しない者と書いています。
5年を過ぎていれば、この号には当たりません。

取消しや登録の消除を受けた人や役員と親会社が該当する場合はどうなるのか

書類ラックと小さな建物と大きな建物のイラスト
続けて、第77条の35の3の後半を確認しましょう。
(建築基準法第七十七条の三十五の三第五号から第十一号)五 第七十七条の三十五の十九第一項又は第二項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から起算して五年を経過しない者
六 第七十七条の六十三第二項(第七十七条の六十六第二項において準用する場合を含む。)の規定により第七十七条の五十八第一項又は第七十七条の六十六第一項の登録を消除され、その消除の日から起算して五年を経過しない者
七 建築士法第七条第四号又は第二十三条の四第一項第三号に該当する者
八 公務員で懲戒免職の処分を受け、その処分の日から起算して三年を経過しない者
九 心身の故障により構造計算適合性判定の業務を適正に行うことができない者として国土交通省令で定めるもの
十 法人であつて、その役員のうちに前各号のいずれかに該当する者があるもの
十一 その者の親会社等が前各号のいずれかに該当する者
第5号は、第77条の35の19第1項または第2項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者を指定の対象から外しています
取り消された機関の指定が、その日から5年は受けられないということです。
第6号は、第77条の63第2項の規定により登録を消除され、その消除の日から5年を経過しない者です。
第7号は建築士法の規定に該当する者、第8号は公務員で懲戒免職の処分を受け、その日から3年を経過しない者です。
第9号は、心身の故障により業務を適正に行うことができない者として国土交通省令で定めるものです。
第10号は、法人であって、その役員のうちに前各号のいずれかに該当する者があるものです。
第11号は、その者の親会社等が前各号のいずれかに該当する者です。

法人の役員の一人が欠格に当たると、法人はどうなるのですか。

第10号は、役員のうちに前各号のいずれかに該当する者があるときは、その法人も指定を受けられないと書いています。
親会社等が該当する場合は、第11号が同じ扱いです。

指定を受けるにはどのような基準を満たす必要があるのか

書類の綴りと官庁の建物とチェックリストのイラスト
次に、第77条の35の4の基準を確認しましょう。
(建築基準法第七十七条の三十五の四)国土交通大臣又は都道府県知事は、指定の申請が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、指定をしてはならない。
一 第七十七条の三十五の九第一項の構造計算適合性判定員(職員である者に限る。)の数が、構造計算適合性判定を行おうとする建築物の規模及び数に応じて国土交通省令で定める数以上であること。
二 前号に定めるもののほか、職員、設備、構造計算適合性判定の業務の実施の方法その他の事項についての構造計算適合性判定の業務の実施に関する計画が、構造計算適合性判定の業務の適確な実施のために適切なものであること。
三 その者の有する財産の評価額(その者が法人である場合にあつては、資本金、基本金その他これらに準ずるものの額)が国土交通省令で定める額以上であること。
四 前号に定めるもののほか、第二号の構造計算適合性判定の業務の実施に関する計画を適確に実施するに足りる経理的基礎を有するものであること。
五 法人にあつては役員、第七十七条の二十第五号の国土交通省令で定める構成員又は職員(第七十七条の三十五の九第一項の構造計算適合性判定員を含む。以下この号において同じ。)の構成が、法人以外の者にあつてはその者及びその職員の構成が、構造計算適合性判定の業務の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。
六 その者又はその者の親会社等が指定確認検査機関である場合には、当該指定確認検査機関に対してされた第六条の二第一項の規定による確認の申請又は第十八条第四項の規定による通知に係る建築物の計画について、第十八条の二第四項の規定により読み替えて適用される第六条の三第一項又は第十八条第五項の規定による構造計算適合性判定を行わないものであること。
七 前号に定めるもののほか、その者又はその者の親会社等が構造計算適合性判定の業務以外の業務を行つている場合には、その業務を行うことによつて構造計算適合性判定の業務の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。
八 前各号に定めるもののほか、構造計算適合性判定の業務を行うにつき十分な適格性を有するものであること。
第77条の35の4は、国土交通大臣または都道府県知事は、指定の申請が次の基準に適合していると認めるときでなければ、指定をしてはならないと定めています
第1号は、職員である構造計算適合性判定員の数が、判定を行おうとする建築物の規模と数に応じて国土交通省令で定める数以上であることです。
第2号は、職員、設備、業務の実施の方法などについての実施に関する計画が、適確な実施のために適切であることです。
第3号は財産の評価額(法人は資本金、基本金などの額)が国土交通省令で定める額以上であること、第4号は計画を適確に実施するに足りる経理的基礎を有することです。
第5号は、役員や職員の構成が、判定の業務の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないことです。
第6号は、その者や親会社等が指定確認検査機関である場合、その確認検査機関に対してされた確認の申請などに係る建築物の計画について、構造計算適合性判定を行わないことです。
第7号は、他の業務を行っている場合に、判定の業務の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないこと、第8号は、十分な適格性を有することです。
判定員の数や財産の額の具体的な数字は、この条文には書かれておらず、国土交通省令に委ねられています。

基準に適合していれば、必ず指定を受けられるのでしょうか。

条文は「基準に適合していると認めるときでなければ、指定をしてはならない」と書いています。
適合は指定の前提であって、適合すれば必ず指定するとは書かれていません。

判定機関の指定の規定を防火管理の現場ではどのように受け止めればよいのか

規程の綴りと官庁の建物とチェックリストのイラスト
ここまでの内容を、項目ごとに整理します。
分けて読むと、混乱しにくくなります。
項目条文の書き方押さえる点
申請と業務区域業務を行おうとする者の申請により行い、申請は業務区域を定めてする(第77条の35の2第1項・第2項)申請から始まります
意見聴取国土交通大臣は、指定をしようとするときは、あらかじめ業務区域を所轄する都道府県知事の意見を聴く(第3項)指定の前に知事の意見があります
欠格の例未成年者、復権を得ない破産者、刑の執行後5年を経過しない者など(第77条の35の3第1号から第9号)受けられない者が決まっています
役員と親会社等役員や親会社等が前各号に該当する場合も指定を受けられない(第10号・第11号)法人でも役員と親会社等が見られます
基準の柱判定員の数、計画、財産、経理的基礎、公正な実施、適格性(第77条の35の4第1号から第8号)八つの基準に適合が必要です
公正さの確保確認検査機関との関係や他の業務による支障がないこと(第6号・第7号)公正な実施が求められます
判定機関の指定や欠格や基準の規定は、建築基準法の構造計算適合性判定を行う機関を規律するルールで、消防用設備等の設置や維持の基準を定めた消防法令とは別の制度です
この規定は、防火管理者の義務を直接決めるものではありません。
また、第77条の35の2から第77条の35の4には、申請書の中身や判定員の数の具体的な値は書かれていません。
建物の新築や増築の場面では、判定を受ける手続の窓口や書類の控えを、設計者や施工業者と共有しておくと、後の相談で慌てずに済みます。
明日から、次の点を確認してください。
  • 建物の構造計算適合性判定を、どの機関が行ったかを設計者に尋ねて控えておく。
  • 判定に関する書類の名称、日付、番号を、設計者や施工業者から書面でもらって保管する。
  • 機関の指定の有無や業務区域は、公示など公表されたものを見て確かめる。
  • 申請書の中身や省令の数値など条文に無い詳細は、建築の窓口に問い合わせる。
  • 建築の話と消防の話は別の制度なので、両方の窓口へ確かめる。
判定機関に関する規定は、消防法令の基準を緩めるものではありません。
建築の窓口と所轄消防署に、それぞれ確かめておきましょう。

指定の決まりは分かりました。
現場では、何から確かめればよいですか。

判定を行った機関と書類の日付を、設計者に確認して控えておきましょう。
消防の基準は、所轄消防署に別に確かめます。

よくある質問

Q指定構造計算適合性判定機関の指定は、どのように行われますか?
A第77条の35の2第1項により、構造計算適合性判定の業務を行おうとする者の申請により行われます。
Q申請では、業務を行う区域も決めるのですか?
A第2項により、申請は業務区域を定めてしなければなりません。国土交通大臣は、指定の前に業務区域を所轄する都道府県知事の意見を聴きます。
Q指定を受けることができない人には、どのような人がいますか?
A第77条の35の3により、未成年者、破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者などが挙げられ、法人は役員や親会社等が該当する場合も受けられません。
Qこの規定は、防火管理者の義務になりますか?
A建築基準法の構造計算適合性判定に関するルールで、防火管理者の義務を直接決めるものではなく、消防法令の基準とは別の制度です。

まとめ

✔指定は、構造計算適合性判定の業務を行おうとする者の申請により行われ、業務区域を定めて申請します。
✔国土交通大臣は、指定をしようとするときは、あらかじめ業務区域を所轄する都道府県知事の意見を聴きます。
✔未成年者や、復権を得ない破産者、刑の執行後5年を経過しない者などは、指定を受けることができません。
✔法人は、役員や親会社等が欠格に当たるときも、指定を受けることができません。
✔判定員の数、計画、財産、経理的基礎、公正な実施などの八つの基準に適合していると認めるときでなければ、指定はされません。
✔申請書の中身や判定員の数などの具体的な値は、条文の本文に書かれていません。
✔この制度は建築基準法の判定機関のルールで、消防法令の基準とは別なので、防火管理者は判定を行った機関を設計者に確認して記録します。

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㈱防災屋でもご相談を承っております。

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お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 建築基準法第七十七条の三十五の二・第七十七条の三十五の三・第七十七条の三十五の四(e-Gov法令検索)

※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。判定機関の指定の運用は都道府県と建築の窓口ごとに確認が必要な場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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