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指定確認検査機関は誰でも指定を受けられるのか欠格や基準はどう決まっているのか|建築基準法第77条の18から第77条の20を解説

官庁の窓口の机に置かれた天秤と書類の綴りの写真

確認検査を行う民間の機関は、申請すれば誰でも指定を受けられるのでしょうか。
指定を受けられない人や、指定のときに満たさなければならない基準は、条文でどう決められているのでしょうか。
今回は建築基準法第77条の18から第77条の20までを中心に、指定の申請と意見聴取、指定を受けられない者、法人の役員や親会社の扱い、指定の基準、防火管理者が押さえておきたい点をあわせて解説します。

確認検査機関が民間の会社だと聞くと、誰でもなれるのか気になります。
指定を受けるには、何か条件があるのですか。

第77条の18に、指定の申請の規定があります。
まず、そこから見ていきましょう。

過去に問題を起こした人や会社でも、指定を受けられるのでしょうか。
法人の場合は、役員や親会社も関係しますか。

第77条の19に欠格、第77条の20に指定の基準の規定があります。
順番に条文を確認していきます。

この記事の結論
  • 第77条の18第1項は、指定は確認検査の業務を行おうとする者の申請により行うと定めています。
  • 申請は指定区分に従って業務区域を定めてし、指定の前に、業務区域を所轄する特定行政庁の意見を聴きます(第77条の18第2項・第3項)。
  • 未成年者や、刑を受けて5年を経過しない者など、第77条の19第1項の各号のいずれかに該当する者は指定を受けることができません。
  • 法人は役員が欠格に当たる場合や、親会社等が欠格に当たる場合も指定を受けられません(第77条の19第1項第10号・第11号)。
  • 指定は、第77条の20第1項の八つの基準に適合していると認めるときでなければしてはならず、消防法令の基準とは別の制度です。

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指定確認検査機関の指定に欠格と八つの基準があることを示す図解

指定はどのような申請で行われ誰の意見を聴くのか

申請書と地図の板と官庁の建物のイラスト
まず、第77条の18を確認しましょう。
(建築基準法第七十七条の十八第一項)第六条の二第一項(略)又は第七条の二第一項(略)の規定による指定(以下この節において「指定」という。)は、(略)(以下「確認検査」という。)の業務を行おうとする者の申請により行う。
(建築基準法第七十七条の十八第二項)前項の申請は、国土交通省令で定めるところにより、国土交通省令で定める確認検査の業務の区分(以下この節において「指定区分」という。)に従い、確認検査の業務を行う区域(以下この節において「業務区域」という。)を定めてしなければならない。
(建築基準法第七十七条の十八第三項)国土交通大臣又は都道府県知事は、指定をしようとするときは、あらかじめ、業務区域を所轄する特定行政庁(都道府県知事にあつては、当該都道府県知事を除く。)の意見を聴かなければならない。
第77条の18は、指定が申請によって行われること、申請には指定区分と業務区域を定めること、指定の前に特定行政庁の意見を聴くことを定めています
第1項は、指定が確認検査の業務を行おうとする者の申請により行われると定めています。
第2項は、申請は国土交通省令で定める指定区分に従い、業務区域を定めてするとしています。
第3項は、国土交通大臣または都道府県知事が指定をしようとするときは、あらかじめ、業務区域を所轄する特定行政庁の意見を聴かなければならないと定めています。
都道府県知事が指定する場合は、その都道府県知事自身は、意見を聴く特定行政庁から除かれています。
指定区分の具体的な中身や申請の様式は、この条文には書かれていません。

申請すれば、すぐに指定を受けられるのでしょうか。

指定の前に、業務区域を所轄する特定行政庁の意見を聴くと条文に書かれています。
意見を聴くのは、大臣か知事の側です。

未成年者や破産者などは指定を受けられないのか

書類と規程の綴りと官庁の建物のイラスト
次に、第77条の19第1項を確認しましょう。
(建築基準法第七十七条の十九第一項)次の各号のいずれかに該当する者は、指定を受けることができない。
一 未成年者
二 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
三 拘禁刑以上の刑に処せられ、又は建築基準法令の規定により刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して五年を経過しない者
四 第七十七条の三十五第一項又は第二項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から起算して五年を経過しない者
五 第七十七条の三十五の十九第二項の規定により第七十七条の三十五の二第一項に規定する指定を取り消され、その取消しの日から起算して五年を経過しない者
六 第七十七条の六十三第二項(第七十七条の六十六第二項において準用する場合を含む。)の規定により第七十七条の五十八第一項又は第七十七条の六十六第一項の登録を消除され、その消除の日から起算して五年を経過しない者
七 建築士法第七条第四号又は第二十三条の四第一項第三号に該当する者
八 公務員で懲戒免職の処分を受け、その処分の日から起算して三年を経過しない者
九 心身の故障により確認検査の業務を適正に行うことができない者として国土交通省令で定めるもの
第77条の19第1項は、第1号から第9号までのいずれかに該当する者は、指定を受けることができないと定めています
第1号は未成年者、第2号は破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者です。
第3号は、拘禁刑以上の刑または建築基準法令の規定により刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者です。
第4号から第6号は、指定を取り消されたり登録を消除されたりして、その日から起算して5年を経過しない者を挙げています。
第7号は建築士法の規定に該当する者、第8号は公務員で懲戒免職の処分の日から起算して3年を経過しない者です。
第9号は、心身の故障により確認検査の業務を適正に行うことができない者として国土交通省令で定めるものです。

刑を受けたことがあれば、ずっと指定を受けられないのでしょうか。

第3号は、執行を終わった日などから起算して5年を経過しない者と書いています。
ほかの号に当たるかどうかは、号ごとに別に見ます。

法人の役員や親会社が欠格に当たるとどうなるのか

名札の台と官庁の建物と書類の束のイラスト
続けて、同じ第77条の19第1項の第10号と第11号を確認しましょう。
(建築基準法第七十七条の十九第一項)次の各号のいずれかに該当する者は、指定を受けることができない。(略)
十 法人であつて、その役員のうちに前各号のいずれかに該当する者があるもの
十一 その者の親会社等(その者の経営を実質的に支配することが可能となる関係にあるものとして政令で定める者をいう。以下同じ。)が前各号のいずれかに該当する者
第77条の19第1項第10号と第11号は、法人の役員や親会社等が前の各号のいずれかに該当する場合も、指定を受けられないと定めています
第10号は、法人であって、その役員のうちに前の各号のいずれかに該当する者があるものです。
第11号は、その者の親会社等が前の各号のいずれかに該当する者である場合です。
親会社等は、その者の経営を実質的に支配することが可能となる関係にあるものとして政令で定める者と条文の括弧書で定義されています。
どのような関係の者が親会社等に当たるかは、政令に委ねられていて、この条文の本文には書かれていません。

機関そのものに問題がなくても、役員に問題があれば指定は受けられないのですか。

第10号は、役員のうちに前の各号に当たる者がいる法人を挙げています。
親会社等が当たる場合も、第11号で同じ扱いです。

指定を受けるにはどのような基準を満たす必要があるのか

天秤とコイン状の円盤と官庁の建物のイラスト
次に、第77条の20を確認しましょう。
(建築基準法第七十七条の二十第一項)国土交通大臣又は都道府県知事は、指定の申請が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、指定をしてはならない。
一 第七十七条の二十四第一項の確認検査員又は副確認検査員(いずれも常勤の職員である者に限る。)の数が、指定区分ごとに確認検査を行おうとする建築物の種類、規模及び数に応じて国土交通省令で定める数以上であること。
二 前号に定めるもののほか、職員、確認検査の業務の実施の方法その他の事項についての確認検査の業務の実施に関する計画が、確認検査の業務の適確な実施のために適切なものであること。
三 その者の有する財産の評価額(その者が法人である場合にあつては、資本金、基本金その他これらに準ずるものの額)が国土交通省令で定める額以上であること。
四 前号に定めるもののほか、第二号の確認検査の業務の実施に関する計画を適確に実施するに足りる経理的基礎を有するものであること。
五 法人にあつては役員、法人の種類に応じて国土交通省令で定める構成員又は職員(第七十七条の二十四第一項の確認検査員又は副確認検査員を含む。以下この号において同じ。)の構成が、法人以外の者にあつてはその者及びその職員の構成が、確認検査の業務の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。
六 その者又はその者の親会社等が第七十七条の三十五の五第一項の指定構造計算適合性判定機関である場合には、当該指定構造計算適合性判定機関に対してされた第十八条の二第四項の規定により読み替えて適用される第六条の三第一項又は第十八条第五項の規定による構造計算適合性判定の申請又は求めに係る建築物の計画について、第六条の二第一項の規定による確認又は第十八条第四項の規定による審査をしないものであること。
七 前号に定めるもののほか、その者又はその者の親会社等が確認検査の業務以外の業務を行つている場合には、その業務を行うことによつて確認検査の業務の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。
八 前各号に定めるもののほか、確認検査の業務を行うにつき十分な適格性を有するものであること。
第77条の20第1項は、指定の申請が八つの基準に適合していると認めるときでなければ、指定をしてはならないと定めています
第1号は、常勤の確認検査員または副確認検査員の数が、指定区分ごとに国土交通省令で定める数以上であることです。
第2号から第4号は、業務の実施に関する計画が適切であること、財産の評価額が国土交通省令で定める額以上であること、計画を適確に実施するに足りる経理的基礎を有することです。
第5号から第7号は、役員や職員の構成、構造計算適合性判定機関との関係、ほかの業務との関係が、確認検査の業務の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないことを求めています。
第8号は、そのほか確認検査の業務を行うにつき十分な適格性を有することです。

人数やお金の基準は、条文に具体的な数字で書かれているのですか。

常勤の職員の数と財産の評価額は、どちらも国土交通省令で定めるとされています。
条文の本文には、具体的な数や額は書かれていません。

指定の欠格や基準の規定を防火管理の現場ではどのように受け止めればよいのか

規程の綴りと官庁の建物とチェックリストのイラスト
ここまでの内容を、項目ごとに整理します。
分けて読むと、混乱しにくくなります。
項目条文の書き方押さえる点
指定の申請確認検査の業務を行おうとする者の申請により行い、指定区分に従い業務区域を定めてする(第77条の18第1項・第2項)指定は申請から始まります
意見聴取指定をしようとするときは、あらかじめ業務区域を所轄する特定行政庁の意見を聴く(第77条の18第3項)特定行政庁の意見を聴きます
欠格(第1号から第9号)未成年者、破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者、刑や指定の取消しなどから5年を経過しない者などは指定を受けられない(第77条の19第1項)該当すると指定を受けられません
法人の役員・親会社等役員のうちに前の各号に該当する者がある法人や、親会社等が前の各号に該当する者は指定を受けられない(第77条の19第1項第10号・第11号)役員と親会社等にも及びます
指定の基準八つの基準に適合していると認めるときでなければ、指定をしてはならない(第77条の20第1項)基準は八つあります
指定の欠格や基準の規定は、建築基準法の確認や検査を行う機関を対象とするルールで、消防用設備等の設置や維持の基準を定めた消防法令とは別の制度です
この規定は、防火管理者の義務を直接決めるものではありません。
また、第77条の18から第77条の20までには、指定区分の中身、職員の数、財産の額、親会社等の範囲は書かれていません。
確認済証や検査済証を受けている建物では、発行元の機関の名称と発行日を控えておくと、後の相談で慌てずに済みます。
明日から、次の点を確認してください。
  • 建物の確認済証や検査済証が、どの機関の発行かを施工業者に尋ねて控えておく。
  • 書類の名称、日付、番号を、施工業者から書面でもらって保管する。
  • 指定区分や職員の数などの詳細は条文の本文にはないので、必要なときは建築の窓口で確かめる。
  • 建築確認や検査で分からないことは、特定行政庁の窓口に問い合わせる。
  • 建築の話と消防の話は別の制度なので、両方の窓口へ確かめる。
指定の欠格や基準の規定は、消防法令の基準を緩めるものではありません。
建築の窓口と所轄消防署に、それぞれ確かめておきましょう。

指定の決まりは分かりました。
現場では、何から確かめればよいですか。

書類の発行元と日付を、施工業者に確認して控えておきましょう。
消防の基準は、所轄消防署に別に確かめます。

よくある質問

Q指定確認検査機関の指定は、どのように行われますか?
A第77条の18第1項により、確認検査の業務を行おうとする者の申請により行われます。指定の前に、業務区域を所轄する特定行政庁の意見を聴きます。
Q未成年者は指定を受けられますか?
A第77条の19第1項第1号が、未成年者を、指定を受けることができない者として挙げています。
Q法人の役員が欠格に当たるときも、指定を受けられませんか?
A第10号により、役員のうちに前の各号のいずれかに該当する者がある法人は、指定を受けられません。第11号により、親会社等が該当する場合も同じです。
Qこの規定は、防火管理者の義務になりますか?
A建築基準法の確認検査機関に関するルールで、防火管理者の義務を直接決めるものではなく、消防法令の基準とは別の制度です。

まとめ

✔第77条の18第1項は、指定は確認検査の業務を行おうとする者の申請により行うと定めています。
✔申請は指定区分に従い業務区域を定めてし、指定の前に特定行政庁の意見を聴きます。
✔未成年者や、刑や指定の取消しなどから5年を経過しない者などは指定を受けられません。
✔法人の役員や親会社等が欠格に当たる場合も、指定を受けることができません。
✔指定の基準は、第77条の20第1項に八つ定められています。
✔指定区分の中身、職員の数、財産の額などは、条文の本文に書かれていません。
✔この制度は建築基準法の確認検査機関のルールで、消防法令の基準とは別なので、防火管理者は書類の発行元を施工業者に確認して記録します。

指定の欠格や基準の仕組みがよく分かりました。
書類の発行元を、施工業者に確認します!

建築の確認検査と消防の基準は別なので、両方を確かめておくと安心です。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

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お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 建築基準法第七十七条の十八・第七十七条の十九・第七十七条の二十(e-Gov法令検索)

※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。指定の欠格や基準の運用は機関と建築の窓口ごとに確認が必要な場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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