空気が乾いて風の強い日に、市町村から火災に関する警報が出されることがあります。
このとき屋外でたき火をしてしまうと、条文のうえでは具体的にどんな扱いになるのでしょうか。
単なるマナーの問題ではなく、消防法ははっきりとした罰則の条文を用意しています。
この記事では火災警報中の火の使用制限と、消防法第44条が定める罰則の仕組みを条文にもとづいて解説します。
今日は風も強くて、市から火災に関する警報が出ているみたいです。
警報が出ている間は、屋外でのたき火や喫煙に市町村条例の制限がかかります。
うっかり庭でたき火をしてしまったら、どうなるんでしょうか。
消防法第44条に基づいて、30万円以下の罰金又は拘留の対象になります。
順番に条文で確認していきましょう。
- 火災警報が発令されている間は、市町村条例で定める火の使用の制限に従わなければなりません。(消防法第22条第4項)
- 市町村長は、火災の警戒上特に必要があると認めるときは、期間を限って一定区域内のたき火又は喫煙を制限できます。(消防法第23条)
- この制限に違反すると30万円以下の罰金又は拘留に処せられます。(消防法第44条第18号)
- 消防法第45条の両罰規定の対象号に第18号は含まれておらず、原則として個人だけが罰せられます。
- 制限の具体的な内容は市町村条例で定められるため、自治体ごとに確認が必要です。
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目次
火災警報が出ている日にたき火をするとどうなるのか

このまま続けてよいのか、条文から確認します。
条文が定めているのは市町村長による警報の発令で、どんな行為が制限されるかの中身は条例に委ねられています。
たき火をしていた本人だけでなく、警報発令中にその区域内にいる人すべてが制限に従う立場に立たされます。
自分の家の庭先であっても例外にはなりません。
まずは警報が出ているかどうかを確認することが出発点です。
うちの庭なんだから、好きにしてもいいと思っていました。
いいえ、警報発令中は区域内全員が対象になります。
まずは警報の有無を確認しましょう。
第22条と第23条はどちらも処罰の対象になるのか

警報のときの制限と同じものなのか、条文で見分け方を確認します。
第22条は火災警報という気象状況を引き金に市町村全域へ及ぶのに対し、第23条はお祭りなど特定の行事に合わせて市町村長が区域と期間を自分で区切ります。
きっかけも範囲も別の条文ですが、消防法第44条第18号は両方の違反をまとめて同じ号で処罰します。
つまりどちらの制限であっても、違反したときの罰則の重さは変わりません。
自分の地域がいま第22条と第23条のどちらの制限下にあるのかを、まず確認してください。
警報のときとお祭りのときで、別の条文が使われているんですね。
はい、根拠は別ですが罰則の号は同じです。
両方の掲示を見落とさないようにしましょう。
罰則の重さはどう定められているのか

条文で中身を確かめます。
拘留は刑法第16条が定める刑で、1日以上30日未満のあいだ刑事施設に拘置されます。
罰金のように金額で終わる話ではなく、身体を拘置される刑が選択肢に入っている点に注意が必要です。
どちらが選ばれるかは個別の事情によりますが、条文上は両方が等しく用意されています。
軽い行為のつもりでも、選択できる刑の種類までは軽くないと理解しておく必要があります。
拘留というのは、罰金が払えないときの代わりなんですか。
いいえ、罰金とは別に用意された選択刑です。
条文上どちらも同じ重さで並んでいます。
会社も両罰規定で罰せられるのか

消防法には別に両罰規定の条文があるので、そこを確認します。
第44条には23の号がありますが、第45条第3号が名前を挙げているのは第1号・第3号・第11号・第12号・第22号の5つだけです。
火災警報中の制限違反(第18号)はこの一覧に含まれないため、法人の業務に関して行われた違反であっても、会社そのものが罰金刑を受ける根拠はありません。
行為者である個人だけが30万円以下の罰金又は拘留の対象になります。
「会社の指示でやった」という事情は、罰則の宛先を会社に移す理由にはなりません。
現場の担当者だけが罰を受けるというのは、少し意外です。
はい、第18号は両罰規定の対象外です。
だからこそ現場での注意が重要になります。
明日からなにを確認すればよいのか

制限の中身そのものは条例に委ねられている点がポイントです。
条例が定める制限の文言は自治体ごとに違うため、他の地域の案内をそのまま当てはめることはできません。
以下のポイントを、乾燥した日の屋外作業の前に確認しておきましょう。
自分の市町村で火災に関する警報が出ていないか
お祭りなど行事の予定がある区域で第23条の制限が出ていないか
制限の対象になる行為(たき火・喫煙・火遊び等)の範囲を条例の文言で確認したか
つまり条例を見ないと、制限の中身までは分からないんですね。
そうですね、条例の確認が出発点です。
今日のうちに自治体の案内を見ておきましょう。
よくある質問
まとめ
警報が出たら条例の制限に従って、違反すれば自分が罰則の対象になるということですね。
乾燥した日はまず警報の有無を確認してください。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防法第22条第3項及び第4項
- 消防法第23条
- 消防法第44条第18号
- 消防法第45条第3号
- 刑法第16条
※本記事は公表されている法令に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





