BLOG

津市でスプリンクラーの音響警報装置は自動火災報知設備があっても要るのか|流水検知装置の近くに1か所を鈴鹿市・埼玉県央広域・大阪市・堺市と比べる

津市のスプリンクラー 警報装置は自火報があっても要るのか|流水検知装置と赤い警報装置がある弁室の写真

スプリンクラー設備は、ヘッドから水が出ると流水検知装置が働き、ベルやサイレンで建物の中に知らせます。
国の消防法施行規則は、自動火災報知設備で警報が鳴る建物なら、この音響警報装置を設けないことができると書いています。
ところが津市の審査基準は、自動火災報知設備があっても流水検知装置の近くに1か所は設けると書いています。
放送設備で鳴らす場合まで省略を認める本部もあり、同じ建物でも答えは管轄で変わります。

津市でスプリンクラー付きの店舗を計画しています。
自動火災報知設備があるので、スプリンクラー側のベルは要らないと聞きました。

国の規則だけならそのとおりですが、津市の審査基準はサイレンかゴングを1か所置くと書いています。
規則から順にたどってみましょう。

自動火災報知設備のない建物だと、どうなるのですか。

津市はその場合、各部分から水平距離25m以下になるよう置くと書いています。
他の市の書き方とも比べます。

この記事の結論
  • 消防法施行規則第14条第1項第4号のただし書は、自動火災報知設備で警報が発せられる場合は音響警報装置を設けないことができるとしている
  • 津市は自動火災報知設備があっても、流水検知装置の近くにサイレンかゴングを1か所設ければ足りるとしている
  • 津市は自動火災報知設備がない場合、規則第24条第5号ニに準じて各部分から水平距離25m以下になるよう設けるとしている
  • 鈴鹿市・埼玉県央広域・大阪市は、地区音響装置に代えて放送設備で鳴らす場合も音響警報装置を省略できると書いている
  • 四日市市の基準には記載がなく、堺市は自動火災報知設備も放送設備も使わないときはゴングやベル等にするとしている

▼

スプリンクラーの音響警報装置の扱いについて国の規則と津市と鈴鹿市・埼玉県央広域・大阪市と堺市の書き方を並べた図解

国の規則ではスプリンクラーの音響警報装置を省略できるのか

天井にスプリンクラーヘッドと感知器があり壁に自動火災報知設備のベルと受信機がある事務所の断面のイメージ
まず、スプリンクラー設備の自動警報装置を定めた消防法施行規則第14条第1項第4号を確かめます。
鈴鹿市などの審査基準は、自動警報装置を流水検知装置・表示装置・音響警報装置で構成されるものと説明しています。
消防法施行規則 第14条第1項第4号(抜粋)
四 自動警報装置は、次に定めるところによること。ただし、特定施設水道連結型スプリンクラー設備にあつては自動警報装置を、自動火災報知設備により警報が発せられる場合は音響警報装置を、それぞれ設けないことができる。
イ スプリンクラーヘッドの開放又は補助散水栓の開閉弁の開放により警報を発するものとすること。
ロ 発信部は、各階(ラック式倉庫にあつては、配管の系統)又は放水区域ごとに設けるものとし、当該発信部には、流水検知装置又は圧力検知装置を用いること。
(略)
国の規則では省略できます。
ただし書が省略を認めているのは音響警報装置だけで、流水検知装置や表示装置まで省けるわけではありません。
埼玉県央広域の審査基準は、流水検知装置の信号を自動火災報知設備の受信機に入れ、地区音響装置を鳴らす配線を例図で示しています。
国の規則には、省略するときに音響警報装置を1つ残すという定めはありません。
明日やることは、設備図で流水検知装置の信号が自動火災報知設備の受信機につながっているかを見ることです。

うちのビルのスプリンクラーは、作動すると自動火災報知設備のベルが鳴る仕組みでした。

それなら国の規則では音響警報装置を設けない設計も通ります。
ただし市の基準は別に確かめます。

津市では自火報があっても音響警報装置をどこに置くのか

スプリンクラーの立て管にある流水検知装置のすぐ横の壁に赤い音響警報装置を取り付けた弁室のイメージ
津市予防事務審査検査基準は、5-3 スプリンクラー設備の8で流水検知装置と自動警報装置の置き方を定めています。
そのうち⑷が、音響警報装置の数と場所を書いた項目です。
津市予防事務審査検査基準 5-3 スプリンクラー設備 8 流水検知装置及び自動警報装置(抜粋)
⑷ 流水検知装置の自動警報装置(サイレン又はゴングに限る。)は、自動火災報知設備が設けられている場合、流水検知装置の近くに一箇所設ければ足りるものとする。ただし、自動火災報知設備が設けられていない場合は、規則第24条第5号ニに準じ水平距離が25m以下となるよう自動警報装置を設けること。
津市では流水検知装置の近くに1か所置きます。
書き方は「一箇所設ければ足りる」で、国のただし書のようにゼロにしてよいとは書かれていません。
種類はサイレン又はゴングに限ると書いています。
同じ8の⑶は、流水検知装置を不燃材料で区画した専用室や配管室に置き、点検用の開口部の扉を施錠できない構造にすると書いています。
津市の基準には記号の凡例がなく、義務か行政指導かは「〜ものとする」「〜こと」という書きぶりからしか読めません。
明日やることは、津市で計画する建物の図面に、流水検知装置の横のサイレンかゴングが描かれているかを確かめることです。

弁室の中か、その近くにサイレンを付ければよいのですね。

流水検知装置の近くに1か所と書かれているので、場所は図面で所轄と詰めましょう。

自火報のない建物では音響警報装置をいくつ付けるのか

屋根を外した平屋の建物で廊下の壁に赤いベルを等しい間隔で並べたイメージ
津市の⑷のただし書は、自動火災報知設備がない建物の場合を書いています。
ここでは国の規則の別の条文を借りているので、順にたどります。
消防法施行規則 第24条第5号ニ(抜粋)
ニ 各階ごとに、その階(前条第四項第一号ヘに掲げる部分を除く。)の各部分から一の地区音響装置までの水平距離が二十五メートル以下となるように設けること。
自火報がなければ25mで届くよう増やします。
たどり方は次の3段です。
  1. 規則第14条第1項第4号:ただし書の省略は自動火災報知設備で警報が発せられる場合だけなので、自動火災報知設備がなければ省略できない
  2. 津市 5-3 8⑷ただし書:自動火災報知設備がない場合は、規則第24条第5号ニに「準じ」て自動警報装置を設ける
  3. 規則第24条第5号ニ:本来は自動火災報知設備の地区音響装置の規定で、各階の各部分から1つの装置まで水平距離25m以下とする
国の規則第14条第1項第4号には、音響警報装置の数や間隔の定めは見当たりません。
津市は、地区音響装置の25mの物差しを借りて数を決めています。
幅の狭い長さ60mの平屋なら、真ん中に1つでは両端まで届かず、2つ以上が要ります。
明日やることは、自動火災報知設備のない建物の平面図に、装置ごとに半径25mの円を描いて抜けがないかを見ることです。

細長い倉庫だと、ベルがいくつも要りそうですね。

津市の書き方では各階ごとに25mで数えるので、階ごとに図面で確かめましょう。

放送設備で鳴らす建物でも音響警報装置は省けるのか

スプリンクラーの立て管と自動火災報知設備の受信機と放送設備の増幅器と天井のスピーカーをつないだイメージ
国のただし書は「自動火災報知設備により警報が発せられる場合」と書くだけで、放送設備には触れていません。
規則第24条第5号は放送設備を設けた場合を地区音響装置の定めから外しているので、各本部がこの場合を補っています。
鈴鹿市消防用設備等に関する審査基準 第4章 第3 9 自動警報装置 ⑹ 音響警報装置の設置免除
省令第14条第1項第4号ただし書きのほか、省令第24条第5号の規定により地区音響装置の代替として放送設備を設ける場合は、政令第32条の規定を適用して、音響警報装置を設けないことができる。(略)この場合において、放送設備の音声警報音のメッセージの内容は、火災放送とする。
3つの本部は放送設備でも省略を認めています。
鈴鹿市は政令第32条の特例として、埼玉県央広域は「同等に取り扱って差し支えない」として認め、どちらも放送のメッセージは火災放送にすると書いています。
大阪市は運用基準の第14 特例基準の9で、感知器の作動と連動して起動する放送設備(音響装置を付加したものに限る)で警報を発することができれば、音響警報装置を設けないことができるとしています。
堺市は、自動火災報知設備や、それと連動する放送設備を音響装置に使わない場合は、ウォーターモーターゴング(水車ベル)やベル等にすると書いています。
明日やることは、放送設備のある建物で、スプリンクラーの作動が火災放送につながる設計かを設備業者に確かめることです。

つまり、放送で知らせる建物なら別のベルは要らない市が多いのですね。

そう書く本部が多いですが、津市の⑷は放送設備の場合に触れていません。
津市なら所轄に確かめましょう。

ほかの市では音響警報装置をどう扱っているのか

机の上に壁の位置に印を付けた図面とペンとチェックリストと電卓があるイメージ
同じ論点を、国の規則と6つの消防本部の基準で並べます。
東大阪市は公開されている運用基準にスプリンクラー設備の節がないため、表に入れていません。
自動火災報知設備がある場合放送設備で鳴らす場合その他
国の規則音響警報装置を設けないことができる(規則第14条第1項第4号ただし書)定めなし音響警報装置の数や間隔の定めなし
津市流水検知装置の近くに1か所設ければ足りる(サイレン又はゴングに限る)記載なし自動火災報知設備がなければ規則第24条第5号ニに準じ水平距離25m以下
鈴鹿市国の規則のただし書のとおり政令第32条を適用して設けないことができる(火災放送)記号なし
埼玉県央広域国の規則のただし書のとおり(配線の例図あり)同等に取り扱って差し支えない(火災放送)記号なし
四日市市記載なし記載なし受信部には放水した階や区域を表示できる自動火災報知設備の受信機も含む
大阪市国の規則のとおり感知器と連動する放送設備(音響装置付き)なら設けないことができる(第14 特例基準9)設けるときは開放した階の全域と防災センター等に警報・放送設備があればマイクを入れると鳴動停止
堺市自動火災報知設備で警報を発することができれば設けないことができる(用語の説明)自動火災報知設備と連動する放送設備も使わない場合はゴング・ベル等-
自火報があっても1か所求めるのは津市だけです。
他の本部は国のただし書をそのまま使うか、放送設備で鳴らす場合にまで省略を広げています。
大阪市は、音響警報装置を設けるときに鳴らす範囲を開放した階の全域と防災センター等とし、放送設備があればマイクスイッチを入れると止まり、切ると再び鳴るようにすると書いています。
埼玉県央広域の審査基準は、鴻巣市・桶川市・北本市で同じものが使われます。

同じ設計でも、津市だけ機器が1つ増えることがあるのですね。

はい、まず建物のある市の審査基準を開いて確かめましょう。
迷うときは図面を持って所轄の消防署に相談すると確実です。

よくある質問

Q津市で自動火災報知設備と放送設備の両方がある建物でも、流水検知装置の近くのサイレンは要りますか?
A津市の⑷は自動火災報知設備が設けられている場合に近くに一箇所と書くだけで、放送設備の場合の省略には触れていないので、津市消防本部に確かめてください。
Q音響警報装置には、どんな機器を使えばよいですか?
A津市はサイレン又はゴングに限ると書き、堺市はウォーターモーターゴング(水車ベル)やベル等としています。
Q桶川市や北本市でも、放送設備で鳴らせば音響警報装置を省けますか?
A埼玉県央広域消防本部が鴻巣市・桶川市・北本市を所管しており、その審査基準は放送設備を設けた場合も同等に取り扱って差し支えないとしています。
Qこの比較は他の市でもそのまま使えますか?
A使えるとは限りません。省略の範囲は本部ごとに書き方が違うので、管轄の消防本部の基準で確かめてください。

まとめ

✔規則第14条第1項第4号のただし書は自動火災報知設備で警報が出るなら音響警報装置を省けるとする
✔津市は自動火災報知設備があっても流水検知装置の近くに1か所設ける
✔津市は音響警報装置の種類をサイレン又はゴングに限っている
✔自動火災報知設備がなければ規則第24条第5号ニに準じて水平距離25m以下で置く
✔鈴鹿市・県央広域・大阪市は放送設備で鳴らす場合も省略を認めている
✔大阪市は鳴らす範囲を開放した階の全域と防災センター等としている
✔設備図で警報音の出どころを確かめ建物のある市の基準で判断する

まずは設備図で流水検知装置の横に何が付いているか見てみます!

津市の建物ならサイレンかゴングの位置も確かめておきましょう。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

まずはWebで無料お見積りを!

お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 消防法施行規則 第14条・第24条(e-Gov法令検索)
  • 津市予防事務審査検査基準 5-3 スプリンクラー設備(津市消防本部)
  • 鈴鹿市消防用設備等に関する審査基準 第4章 第3 スプリンクラー設備(鈴鹿市消防本部)
  • 埼玉県央広域消防本部消防用設備等に関する審査基準 第3章 第3 スプリンクラー設備(埼玉県央広域消防本部)
  • 四日市市消防同意事務審査基準 スプリンクラー設備 6 流水検知装置及び自動警報装置(四日市市消防本部)
  • 大阪市消防局 消防用設備等の設置に係る運用基準 閉鎖型スプリンクラーヘッドを用いるスプリンクラー設備 第7 自動警報装置・第14 特例基準(大阪市消防局)
  • 堺市消防同意・消防用設備等審査基準 スプリンクラー設備(堺市消防局)

※本記事は各消防本部が公表している審査基準と消防法施行規則に基づく一般的な解説です。運用基準・条例は改正されることがあるため、最新は管轄の消防署・消防本部で確認してください。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

BLOGカテゴリ
最新の記事
防火管理者代行サービス 強欲な青木 協業プラン(YouTube出演・ショート動画制作)
無料1分概算見積
津市のスプリンクラー 警報装置は自火報があっても要るのか|流水検知装置と赤い警報装置がある弁室の写真
スプリンクラー設備は、ヘッドから水が出ると流水検知装置が働き、ベルやサイレンで建物の中に知らせます。 国の消防法施行規則は、自動火災報知設備で警報が鳴る建物なら、この音響警報装置を設けないことができると書いています。 と...
リクルート 採用情報はこちら →
採用ページ 一緒に働く仲間を募集中 → フランチャイズ (株)防災屋と一緒に開業する → 協力業者 協力業者さん募集中 →