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堺市で消防設備の電源回路に漏電遮断器を付けてはいけないのか|屋内消火栓の規定の借り方を解説

堺市の審査基準が消防用設備等の電源回路に地絡遮断装置を設けないと定め各設備が屋内消火栓の規定を借りる仕組みを大阪市と東大阪市と比べて解説した記事のアイキャッチ

屋内消火栓のポンプや自動火災報知設備は、停電しても動くように非常電源につながっています。その非常電源から設備までの電気の通り道が「非常電源回路」です。
一般の電気回路には、漏電したときに電気を自動で切る漏電遮断器がよく付いています。では、消防用設備等の電源回路にも付けてよいのでしょうか。
堺市消防局の審査基準は、消防用設備等の電源回路には地絡で電路を遮断する装置を設けないと定めています。しかもこの決まりは、屋内消火栓設備の項目に書かれ、ほかの設備はそれを借りる形になっています。
この記事では、堺市の審査基準の「非常電源回路等」の項目を国の基準と分けて読み、ほかの設備がどう借りているかを順にたどり、大阪市と東大阪市の基準とも比べます。

堺市のビルで、消火栓ポンプの電源回路を改修する予定です。
漏電遮断器を付けてもよいのでしょうか。

堺市の審査基準は、地絡で電路を遮断する装置を設けないとしています。
屋内消火栓の項目に書いてあります。

屋内消火栓以外の設備はどうなりますか。

ほかの設備は、屋内消火栓の項目を「例による」で借りています。
借り方を順にたどりましょう。

この記事の結論
  • 国の消防法施行規則第12条第1項第4号ホは、非常電源の配線に他の回路による障害を受けない措置を求めていますが、地絡遮断装置には触れていません
  • 堺市は屋内消火栓設備の項目で、専用の回路・開閉器を点検に便利な場所に置くこと・地絡で電路を遮断する装置を設けないことを定めています
  • スプリンクラー設備や誘導灯などほかの設備は、この屋内消火栓の項目を「例による」で借りています。泡と水噴霧はスプリンクラーを経由して借ります
  • ガス漏れ火災警報設備は、非常電源を共用しない場合は専用回路と地絡の項目だけを借ります。ガス系・自動火災報知設備・放送設備は配線区分の項目を除いて借ります
  • 大阪市と東大阪市の公開資料では、地絡遮断装置を設けない決まりは非常コンセント設備の項目で確認できました。全設備に共通の形で書いているのは堺市です

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堺市の審査基準で非常電源回路の規定が国の規則から屋内消火栓設備とスプリンクラー設備を経て泡と水噴霧まで順に借りられる流れを示した図解

堺市の非常電源回路の基準はどこに書いてあるのか

非常電源の発電機と配電盤を置いた不燃の部屋から設備へ配線が出ていく様子を表したイラスト
堺市消防局の「堺市消防同意・消防用設備等審査基準」は、第3章 消防用設備等の技術上の審査基準の「第3 非常電源」で、非常電源の種類や置き場所を定めています。その6が「非常電源回路等」です。
堺市「堺市消防同意・消防用設備等審査基準」 第3章 第3 非常電源 Ⅱ 細目 6 非常電源回路等(柱書) 非常電源回路、操作回路、警報回路、表示灯回路等(以下「非常電源回路等」という。)は、省令第12 条第1 項第4 号ホ及び第5 号の規定によるほか、消防用設備等の種別に応じて次により施設すること。
「省令」は消防法施行規則のことです。柱書は国の規定の「によるほか」としているので、国の決まりを守ったうえで、堺市の(1)〜(15)が加わる形です。
まず、全国共通の国の基準を確かめます。
消防法施行規則 第12条第1項第4号ホ(柱書) 配線は、電気工作物に係る法令の規定によるほか、他の回路による障害を受けることのないような措置を講じるとともに、次の(イ)から(ハ)までに定めるところによること。
消防法施行規則 第12条第1項第5号(柱書) 操作回路又は第三号ロの灯火の回路の配線は、電気工作物に係る法令の規定によるほか、次のイ及びロに定めるところによること。
第4号ホは、屋内消火栓設備の非常電源の配線に他の回路による障害を受けない措置を求め、耐熱性のある電線や保護の方法を定めています。第5号は操作回路や表示灯の回路の配線です。
ただ、どんな措置なら「障害を受けない」といえるのかは、条文に具体的には書かれていません。地絡(漏電)で電路を遮断する装置についても、第4号ホと第5号の条文には文言がありません。
堺市の基準では、出発点となる場所も定義しています。
堺市「堺市消防同意・消防用設備等審査基準」 第3章 第3 非常電 Ⅰ 概要 2 用語の意義 (3) 非常電源の専用区画等とは、不燃専用室、キュービクル式の外箱及び低圧で受電する非常電源専用受電設備の配電盤又は分電盤並びにその他による区画をいう。
堺市の非常電源回路の項目は、この「非常電源の専用区画等」から設備までの配線を対象にしています。

国の規則には、漏電遮断器のことは書いていないのですね。

はい、第4号ホと第5号には書かれていません。
堺市は屋内消火栓の項目で決めています。

屋内消火栓設備には何が決められているのか

分電盤から屋内消火栓箱まで専用の回路で配線した様子を表したイラスト
堺市の6(1)は屋内消火栓設備の項目で、アからエまであります。このうちアからウが電源回路そのものの決まりです。
堺市「堺市消防同意・消防用設備等審査基準」 第3章 第3 非常電源 Ⅱ 細目 6 (1) 屋内消火栓設備 ア 非常電源回路は、非常電源の専用区画等から直接専用の回路とすること。ただし、他の消防用設備等及び防災設備用の回路、高圧又は特別高圧の電路若しくは2系統以上の給電回路等であって、かつ、それぞれ開閉器、遮断器等で分岐できる回路にあってはこの限りでない。
堺市「堺市消防同意・消防用設備等審査基準」 第3章 第3 非常電源 Ⅱ 細目 6 (1) 屋内消火栓設備 イ 前アの非常電源回路に使用する開閉器、遮断器等は、点検に便利な場所に設けること。また、これらを収容する箱の構造・性能は、前2.(1).イに規定する非常用配電盤等の例によること。ただし、当該消防用設備等のポンプ室内に設置する場合にあっては、この限りでない。
堺市「堺市消防同意・消防用設備等審査基準」 第3章 第3 非常電源 Ⅱ 細目 6 (1) 屋内消火栓設備 ウ 電源回路には、地絡により電路を遮断する装置を設けないこと。
3つの決まりを短くまとめると、次のとおりです。
  1. ア:非常電源の専用区画等から直接、専用の回路にする(他の消防用設備等の回路などで、開閉器や遮断器で分岐できるものは例外)
  2. イ:回路の開閉器や遮断器は点検に便利な場所に置き、それを入れる箱は「非常用配電盤等」の例による(ポンプ室内なら例外)
  3. ウ:電源回路には地絡で電路を遮断する装置を設けない
イの「前2.(1).イ」は、同じ第3の非常電源専用受電設備の項目です。
堺市「堺市消防同意・消防用設備等審査基準」 第3章 第3 非常電源 Ⅱ 細目 2 (1) イ(★) 省令第12 条第1 項第4 号イ(ホ)に規定する低圧で受電する非常電源専用受電設備の配電盤又は分電盤(以下「非常用配電盤等」という。)は、認定品を使用すること。
国の規則第12条第1項第4号イ(ホ)は、低圧で受電する非常電源専用受電設備の配電盤や分電盤に、消防庁長官が定める基準に適合する第一種(場所によっては第二種)のものを求めています。配電盤の種類については第1種と第2種の配電盤の記事で解説しています。 ウの地絡遮断装置は、いわゆる漏電遮断器のことです。堺市の検査実施要領でも、同じことを「漏電遮断器」という言葉で確かめる項目があります。
堺市「堺市消防同意・消防用設備等審査基準」 第4章 消防用設備等検査実施要領 第3 非常電源 Ⅰ 外観検査 4 配線 (3) 消防用設備等の電源回路には、漏電遮断器が設けられていないこと。
漏電で回路が切れると、火災のときにポンプや受信機が止まってしまうおそれがあります。消防用設備等は火災のときに動き続けることが求められるため、と読むのが自然です。
ただし、電気の技術基準のほうで地絡遮断装置が必要になる場合もあります。堺市はウの「なお」書きで、その場合の扱いを示しています。
堺市「堺市消防同意・消防用設備等審査基準」 第3章 第3 非常電源 Ⅱ 細目 6 (1) ウ(なお書き) なお、「電気設備に関する技術基準を定める省令(平成9 年通商産業省令第52 号。以下「電技」という。)」第15 条により、地絡遮断装置の設置が必要となる場合は、「電気設備の技術基準の解釈」の第40 条第4 項を適用すること。
堺市の基準には、その第40条第4項の抜粋も載っています。
堺市「堺市消防同意・消防用設備等審査基準」 第3章 第3 非常電源 Ⅱ 細目 6 (1) ウ 囲み「電気設備に関する技術基準の解釈」抜粋 第40条第4項 低圧又は高圧の電路であって、非常用照明装置、非常用昇降機、誘導灯、鉄道用信号装置その他その停止が公共の安全確保に支障を生ずるおそれがある機器器具に電気を供給するものには、電路に地絡を生じたときにこれを技術員駐在所に警報する装置を設ける場合は、前3 項に規定する装置を施設することを要しない。
つまり堺市は、地絡を「遮断」するのでなく「警報」する装置を設ける形で、電気の技術基準とのつじつまを合わせるよう求めている、と読めます。具体的な機器の選び方は、電気設備の設計者と所轄の消防署に確かめましょう。
アからウには印がありません。堺市の凡例では、無印は次の意味です。
堺市「堺市消防同意・消防用設備等審査基準」 第1章 総則 4 凡例 (1) 無印 : 法令基準及びその解釈(行政手続指針(平成6 年10 月 全国消防長会(消防機関の行政手続に関する検討会)発行)による法令解釈、補完基準を含む)
一方、2(1)イの認定品の項目には★が付いています。★は「堺市消防局として防火安全性の向上を図ることを目的として定めたもの」で、指導基準です。

漏電遮断器の代わりに、漏電を知らせる警報装置にするのですね。

はい、遮断ではなく警報という考え方です。
機器の選定は設計の段階で確かめます。

ほかの設備は屋内消火栓の規定をどう借りているのか

一つの配電盤から屋内消火栓とスプリンクラーのポンプと泡の薬剤タンクへ配線が分かれる建物の断面のイラスト
堺市の6は、(1)屋内消火栓設備に続いて、(2)から(15)までで設備ごとの非常電源回路等を定めています。そのほとんどが、(1)の項目を「例により」で借りています。
堺市「堺市消防同意・消防用設備等審査基準」 第3章 第3 非常電源 Ⅱ 細目 6 (2) スプリンクラー設備 スプリンクラー設備の非常電源回路等は、第3-17図の例により非常電源の専用区画等から電動機の接続端子までの太線( )部分を耐火配線、操作回路等の点線( )部分を耐火配線又は耐熱配線とし、別表に示す配線方法により施設するほか、前(1)の例により施設すること。
堺市「堺市消防同意・消防用設備等審査基準」 第3章 第3 非常電源 Ⅱ 細目 6 (3) 水噴霧消火設備及び泡消火設備 水噴霧消火設備及び泡消火設備の非常電源回路等は、前(2)の例により施設すること。
泡消火設備の電源回路に地絡遮断装置を付けてよいかを確かめるには、次の順にたどります。
  1. 国の規則第12条第1項第4号ホ・第5号が、非常電源の配線に他の回路による障害を受けない措置などを求める
  2. 堺市の6柱書が、国の規定の「によるほか」、設備の種別に応じて(1)〜(15)によるとする
  3. (1)屋内消火栓設備のアからウが、専用の回路・開閉器の置き場所と箱・地絡遮断装置を設けないと定める
  4. (2)スプリンクラー設備が、自分の図による配線区分の「ほか、前(1)の例により」として(1)を借りる
  5. (3)水噴霧消火設備と泡消火設備が、「前(2)の例により」として(2)を借り、(2)を通じて(1)のアからウにたどり着く
泡消火設備の項目だけを読むと「前(2)の例」としか書いていないので、地絡の決まりがかかることに気づきにくいつくりです。
(1)をそのまま借りている設備は、ほかにもあります。たとえば誘導灯です。
堺市「堺市消防同意・消防用設備等審査基準」 第3章 第3 非常電源 Ⅱ 細目 6 (11) 誘導灯 誘導灯の非常電源回路は、第3-24図の例により非常電源の専用区画等から誘導灯の接続端子までの太線( )部分を耐火配線、操作回路等の点線( )部分を耐火配線又は耐熱配線とし、別表に示す配線方法により施設するほか、前(1)の例により施設すること。
設備ごとの借り方を並べると、次のとおりです。
設備(堺市の6の号)借りている項目アからウ(専用回路・開閉器・地絡)
(1) 屋内消火栓設備(本体)かかる
(2) スプリンクラー設備前(1)の例かかる
(3) 水噴霧消火設備・泡消火設備前(2)の例((2)を通じて(1))かかる
(4) 不活性ガス消火設備前(1)(エを除く)の例かかる
(5) ハロゲン化物・粉末消火設備前(4)の例((4)を通じて(1))かかる
(6) 屋外消火栓設備前(1)の例かかる
(7) 自動火災報知設備前(1)(エを除く)の例かかる
(8) ガス漏れ火災警報設備共用しない:前(1)ア及びウの例
共用する:前(1)の例
共用しないときはイがかからない
(9) 非常ベル・自動式サイレン前(1)の例かかる
(10) 放送設備前(1)(エを除く)の例かかる
(11)〜(15) 誘導灯・排煙設備・連結送水管・非常コンセント設備・無線通信補助設備前(1)の例かかる
(1)のエは、屋内消火栓設備の図(第3-16図)による耐火配線・耐熱配線の範囲と、その例外です。スプリンクラー設備などは自分の図を持ったうえで(1)を丸ごと借りるので、エの例外も一緒に借りる形になります。
屋内消火栓設備の非常電源回路に使う耐火電線の基準は、耐火電線の区分の記事で解説しています。

泡消火設備は、スプリンクラーを経由して屋内消火栓の項目を借りるのですね。

はい、2段の借り方です。
番号を順にたどると見落としません。

ガス漏れ火災警報設備や放送設備の借り方はどう違うのか

厨房の壁のガス漏れ検知器と廊下の天井スピーカーを表したイラスト
表のとおり、いくつかの設備は(1)を丸ごとではなく一部だけ借りています。まずガス漏れ火災警報設備です。
堺市「堺市消防同意・消防用設備等審査基準」 第3章 第3 非常電源 Ⅱ 細目 6 (8) ガス漏れ火災警報設備 ア 非常電源を他の消防用設備等と共用しない場合
(ア) 前(1).ア及びウの例により施設すること。
(イ) 受信機の予備電源を受信機の外部に設けるものは、不燃性の箱に収納し、受信機と予備電源との間は耐火配線又は耐熱配線とすること。
堺市「堺市消防同意・消防用設備等審査基準」 第3章 第3 非常電源 Ⅱ 細目 6 (8) ガス漏れ火災警報設備 イ 非常電源を他の消防用設備等と共用する場合
(ア) 前(1)の例によること。
非常電源を共用しない場合は、(1)のアとウだけを借ります。イ(開閉器の置き場所と箱)は借りていません。それでもウの地絡の決まりは、共用してもしなくてもかかります。
次に、エを除いて借りる設備です。不活性ガス消火設備・自動火災報知設備・放送設備は「前(1)(エを除く。)の例」としています。ハロゲン化物消火設備と粉末消火設備は「前(4)の例」なので、不活性ガス消火設備を通じて、やはりエを除いた(1)を借ります。
自動火災報知設備には、さらにただし書があります。
堺市「堺市消防同意・消防用設備等審査基準」 第3章 第3 非常電源 Ⅱ 細目 6 (7) 自動火災報知設備(ただし書) ただし、次に掲げるものについては、これによらないことができる。
ア 耐火配線の部分で、受信機が設けられている部屋(関係者以外の者がみだりに出入りすることのできないものに限る。)内の配線を別表A欄の(1)から(10)に示す電線等を用いて金属管工事又は2種金属製可とう電線管工事としたもの
イ 前(1)エ.に該当するもの
柱書でエを除いておきながら、ただし書のイで(1)エの例外に当たるものは「これによらないことができる」としています。配線の例外だけは、自動火災報知設備にも戻ってくる形です。
放送設備は、このただし書をさらに借ります。
堺市「堺市消防同意・消防用設備等審査基準」 第3章 第3 非常電源 Ⅱ 細目 6 (10) 放送設備(ただし書) ただし、前(7).ア又はイに準ずるものは、この限りでない。
放送設備の配線の例外をたどると、(10)ただし書 → (7)ア又はイ → イなら(1)エの3段になります。ここは配線区分の例外の話で、アからウの電源回路の決まりは、放送設備にもそのままかかります。

ガス漏れ火災警報設備は、共用しないなら開閉器の項目は借りないのですね。

はい、借りるのはアとウだけです。
でも地絡の決まりはかかります。

大阪市や東大阪市と比べると何が違うのか

高さの違う三つのビルが並ぶ様子で三つの市の基準の比較を表したイラスト
大阪市消防局の「消防用設備等の設置に係る運用基準」は、第6章を非常電源にあてています。
大阪市「消防用設備等の設置に係る運用基準」 第6章 非常電源(前文) 第1章から第5章まで及び第8章の消防用設備等に設けられる非常電源及び配線については、当該部分の規定によるほか、次による。
大阪市「消防用設備等の設置に係る運用基準」 第6章 非常電源 第7 非常電源回路等 1 設置方法 (1) 非常電源回路等の耐火配線及び耐熱配線は、別表6-6によること
(2) 非常電源回路等は、消防用設備等の種別に応じ、次によること
大阪市の第7は、設備ごとに図で耐火配線と耐熱配線の範囲を示す形です。公開されている第6章を読んだ範囲では、専用回路や地絡遮断装置を全設備に共通の形で定めた項目は見当たりませんでした。
開閉器を入れる箱にあたる部分は、大阪市は第3の非常電源専用受電設備で、配電盤等を国の規則の例によるとしています(無印)。
大阪市「消防用設備等の設置に係る運用基準」 第6章 非常電源 第3 非常電源専用受電設備 1 機器 (2) 低圧で受電する非常電源専用受電設備の配電盤等並びにその非常電源回路に配電盤等を設ける場合は規則第12条第1項第4号イ(ホ)の規定の例により設置するほか、設置場所に応じ別表6-2によること
地絡遮断装置を設けない決まりは、大阪市では非常コンセント設備の項目で確認できました。
大阪市「消防用設備等の設置に係る運用基準」 第5章 第4節 非常コンセント設備 第1 3 電源からの回路 (6)(◆) 地絡により電路を遮断する装置を設けないこと
大阪市「消防用設備等の設置に係る運用基準」 凡例 ◆ :行政手続法上の行政指導に該当する事項(行政指導基準)
東大阪市消防局が公開している運用基準(6つのPDF)にも、非常コンセント設備に同じ趣旨の項目があります。
東大阪市「非常コンセント設備の設置に係る運用基準」 Ⅱ 細目 4 電源及び回路 ⑴・⑵(⑵は●) ⑴ 電源からの回路は、主配電盤から専用回路とすること。ただし、他の消防用設備等の回路を接続する場合で、当該回路による障害を受けるおそれがないものにあっては、この限りでない。
⑵ ⑴の回路には、地絡により電路を遮断する装置を設けないこと。
東大阪市の凡例では、●は「行政指導基準であることを示す印」です。非常コンセント設備の回路そのものの決まりは非常コンセント設備の回路の記事で解説しています。
3市を並べると、次のとおりです。
項目堺市大阪市東大阪市
地絡遮断装置を設けない(全設備)6(1)ウを各設備が借りる(無印)公開の第6章では見当たらない公開の6つのPDFに非常電源の章がない
地絡遮断装置を設けない(非常コンセント)6(14)が(1)を借りるのでかかる第1 3(6)(◆)4⑵(●)
専用の回路6(1)ア(全設備が借りる)非常コンセントの幹線は専用の配線非常コンセントは主配電盤から専用回路
開閉器を入れる箱非常用配電盤等の例(ポンプ室内は除く)規則4号イ(ホ)の例+別表6-2書いていない
地絡を警報する装置の考え方電技解釈第40条第4項を適用書いていない書いていない
検査での確かめ方検査実施要領で漏電遮断器がないことを確認公開資料では確認できず公開資料では確認できず
大阪市と東大阪市は、少なくとも非常コンセント設備では地絡遮断装置を設けないという点で堺市と同じです。ほかの設備で同じ扱いをするかは、公開資料からは確かめられませんでした。所轄の消防署に確かめましょう。
堺市で非常電源回路を計画するときは、次の点を確かめます。
  1. その設備の号を開き、「前(1)の例」「前(2)の例」「前(4)の例」をたどって(1)まで戻る
  2. 回路が非常電源の専用区画等から直接、専用の回路になっているか
  3. 開閉器や遮断器が点検に便利な場所にあり、箱が非常用配電盤等の例によっているか(ポンプ室内を除く)
  4. 電源回路に漏電遮断器が入っていないか(電気の技術基準で必要な場合は警報の形にする)
  5. ガス漏れ火災警報設備は非常電源を共用するかどうかで借りる範囲が変わる

大阪市と東大阪市も、非常コンセントには地絡遮断装置を付けないのですね。

はい、非常コンセントでは3市とも同じです。
ほかの設備は管轄で確かめましょう。

よくある質問

Q堺市では、消防用設備等の電源回路に漏電遮断器を付けてよいですか?
A審査基準の第3 非常電源 6(1)ウで、地絡により電路を遮断する装置を設けないとされています。屋内消火栓設備の項目ですが、ほかの設備もこれを借りています。
Q電気の技術基準で地絡遮断装置が必要になる場合はどうしますか?
A堺市は、「電気設備の技術基準の解釈」第40条第4項を適用するとしています。地絡を警報する装置を設ける形です。
Q泡消火設備の項目には地絡のことが書いていませんが、かかりますか?
A泡消火設備は「前(2)の例」でスプリンクラー設備を借り、スプリンクラー設備が「前(1)の例」で屋内消火栓設備を借りるので、地絡の決まりもかかります。
Q大阪市や東大阪市にも同じ決まりはありますか?
A公開資料では、非常コンセント設備の項目に地絡遮断装置を設けない決まりがあります。全設備に共通の形で書いているのは堺市で、ほかの設備は所轄の消防署で確かめます。

まとめ

✔国の規則第12条第1項第4号ホは、非常電源の配線に他の回路による障害を受けない措置を求めています
✔堺市は屋内消火栓設備の6(1)で、専用の回路・開閉器の置き場所と箱・地絡遮断装置を設けないことを定めています
✔電気の技術基準で必要な場合は、遮断でなく警報する装置の形にします
✔ほかの設備は「前(1)の例」などで屋内消火栓の項目を借り、泡と水噴霧はスプリンクラーを経由します
✔ガス漏れ火災警報設備は、非常電源を共用しないときはアとウだけを借ります
✔大阪市と東大阪市は、非常コンセント設備で地絡遮断装置を設けないとしています
✔運用基準は改正されることがあるので、最新の内容は管轄の消防署・消防局で確認しましょう

まず電源回路に漏電遮断器が入っていないかを図面で確かめます。
借りている号もたどります!

堺市では、6(1)のアからウと「前(1)の例」を読むのが要点です。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

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監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 堺市消防局「堺市消防同意・消防用設備等審査基準」第1章 総則 4 凡例、第3章 第3 非常電源 Ⅰ 概要 2 用語の意義 (3)・Ⅱ 細目 2 (1) イ・6 非常電源回路等(柱書・(1)〜(15))、第4章 消防用設備等検査実施要領 第3 非常電源 Ⅰ 外観検査 4 配線 (3) https://www.city.sakai.lg.jp/kurashi/bosai/shobo/shokai/reiki/kijyun/index.html
  • 大阪市消防局「消防用設備等の設置に係る運用基準」凡例、第5章 第4節 非常コンセント設備 第1 3 (6)、第6章 非常電源(前文・第3 1 (2)・第7 1) https://www.city.osaka.lg.jp/shobo/page/0000350878.html
  • 東大阪市消防局「非常コンセント設備の設置に係る運用基準」凡例、Ⅱ 細目 4 電源及び回路 ⑴・⑵ https://www.city.higashiosaka.lg.jp/0000041303.html
  • 消防法施行規則 第12条第1項第4号イ(ホ)・ホ・第5号、第31条の2(e-Gov法令検索)

※本記事は公表されている法令および堺市・大阪市・東大阪市の公開資料に基づく一般的な解説です。運用基準や審査基準は改正されることがあるため、最新の内容は管轄の消防署・消防局で確認してください。各資料は2026年10月時点の公開版で確認しています。個々の建物の電源回路や遮断器の選び方は、電気設備の設計者と所轄の消防署にご確認ください。

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