災害への備えとして、職員や関係者に防災の教育をしておくことは大切だと感じる方は多いと思います。
実は災害対策基本法の第47条の2は、災害予防責任者に、防災教育の実施に努めることを求めています。
あわせて、教育を行うときは、教育機関などに協力を求めることができるとも定めています。
国の通知と条文で、その中身を確かめます。
防災教育は、法律で決まっているのでしょうか。
はい、災害予防責任者が努めることとして第47条の2に定められています。
だれに協力を求めて進めればよいのでしょうか。
教育機関や関係のある団体の名前が条文に出てきます。
順番に見ていきましょう。
- 災害予防責任者は、防災教育の実施に努めなければならないとされています(災害対策基本法第47条の2第1項)。
- 防災教育は、それぞれ、又は他の災害予防責任者と共同して努める形で定められています。
- 教育を行おうとするときは、教育機関その他の関係のある公私の団体に協力を求めることができるとされています(同条第2項)。
- 通知は、防災教育の例として、テキストやマニュアルの配布と、教育機関と連携した研修を挙げています。
- 通知は、協力を求める取組の例として、学校や大学の教員を講師に招くことなどを挙げています。
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目次
防災教育の実施は、なぜ災害予防責任者に求められているのか

災害への備えの中には、人を育てる取組も含まれます。
条文は、災害予防の事項の一つとして防災に関する教育を挙げ、実施に努めるよう定めています。
防災教育は、災害予防の一つとして条文に位置づけられています。
第46条第1項第2号は、災害予防の事項に防災に関する教育及び訓練を挙げています。
第47条の2第1項は、災害予防責任者に防災教育の実施に努めなければならないと定めています。
「努めなければならない」という書きぶりなので、努力義務として読みます。
通知はこの規定を「防災教育の実施(法第47条の2等関係)」として説明しています。
防災教育は、災害予防の一つとして決まっているのですね。
第47条の2第1項は、防災教育の実施に努めなければならないと定めています。
だれが防災教育を実施する立場で、だれを対象にするのか

防災教育を実施するよう努める立場は「災害予防責任者」と呼ばれています。
その範囲は、第47条の冒頭に書かれています。
防災教育に努める立場の範囲は、第47条で定められています。
国の機関、地方公共団体の長その他の執行機関、指定公共機関などのほか、公共的団体や防災上重要な施設の管理者も列挙されています。
通知は、防災教育の対象を、例えば各防災機関の職員等と説明しています。
一般の建物や事業者が、この防災上重要な施設の管理者に当たるかどうかは、この通知の範囲では示されていません。
自分の立場が当たるかは、地域防災計画や所轄の自治体で確認する必要があります。
防災教育を実施する立場には、どんな人が入るのでしょうか。
第47条は、公共的団体や防災上重要な施設の管理者なども挙げています。
通知は防災教育を、具体的にどのような取組として説明しているのか

「防災教育」と言われても、何をすればよいのか迷います。
通知は、想定される取組を例として挙げています。
通知が挙げる防災教育の例は、資料の配布と研修です。
通知は、防災に関するテキストやマニュアルを配布することを例に挙げています。
もう一つは、教育機関と連携して防災に関する研修を行うことです。
通知は「例えば」と述べており、この二つに限るとは書いていません。
資料を配って終わりにせず、研修とあわせて考えると、教育の形が見えてきます。
資料を配るだけでなく、研修も例に入っているのですね。
通知はテキストやマニュアルの配布と、教育機関と連携した研修を例に挙げています。
協力を求めることができるという規定は、どこまでを指すのか

防災教育を行うとき、自分たちだけで抱え込む必要はありません。
第2項は、関係のある団体に協力を求めることができると定めています。
協力を求めることは、義務ではなく「できる」と定められています。
第1項は「努めなければならない」、第2項は協力を求めることができると、書きぶりが違います。
通知は、協力を求める取組の例として学校や大学の教員を講師に招くことを挙げています。
学校や大学の体育館等を利用した講演会や、自主防災組織の活動への実地研修としての参加も例に挙げています。
これも「例えば」の例示なので、挙げられた取組に限るとは書かれていません。
協力を求めるのは、しなければならないことでしょうか。
第2項は協力を求めることができると定めており、通知は取組を例示しています。
明日から何を確認しておけばよいのか

防災教育は、資料を配るだけで終わらせず、教える相手と協力先を先に決めておくと進めやすくなります。
この記事で確かめた内容から、平常時の確認事項を整理します。
防災教育は、実施する立場と協力先を先に確かめておきます。
まず、自分が災害予防責任者に当たるかどうかを、条文と地域防災計画で確認します。
次に、教育の対象が職員等のどこまでかを決め、配るテキストやマニュアルがあるかを確かめます。
協力を求められる教育機関や関係のある団体が近くにあるかも見ておきます。
自主防災組織の活動への実地研修としての参加という取組も、通知に例が示されています。
条文は改正で動くため、現在の法令で引き直して確認します。
自分の立場と、協力してもらえる先を確認してみます。
実施する立場と協力先を確かめることが第一歩です。
よくある質問もあわせてご確認ください。
よくある質問
まとめ
実施する立場と協力先、さっそく確認してみます!
それが一番の備えになります。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 災害対策基本法の一部を改正する法律の運用について(平成24年6月27日 府政防第725号・消防災第235号)
- 災害対策基本法(昭和36年法律第223号)第46条、第47条、第47条の2
※本記事は公表されている法令および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





