自分の町の防災会議に、消防や警察以外の顔ぶれが増えていることに気づいたことはありませんか。
実は平成24年の法改正で、防災会議の委員に新しい枠が加わりました。
きっかけは東日本大震災で、避難所運営の現場から出たある指摘でした。
なぜ委員の範囲が見直されたのか、法律の条文から確認します
うちの市の防災会議の名簿を見たら、自治会長さんや大学の先生の名前もあったんです。
それは平成24年の法改正で加わった新しい委員かもしれません。
消防や警察の人だけじゃないんですね。
そうなんです。
順番に見ていきましょう。
- 平成24年法律第41号による改正で、都道府県防災会議の委員に「自主防災組織を構成する者又は学識経験のある者」が新たに加わりました。
- きっかけは東日本大震災で、避難所運営に女性や高齢者の視点が十分反映されなかったという指摘です。
- 「自主防災組織を構成する者又は学識経験のある者」には、自治会の代表者や大学教授、NPOの関係者などが想定されています。
- 市町村防災会議は自動的には変わらず、都道府県に準じて各市町村が条例を改正する必要があります。
- 委員の任命は知事や市町村の判断で行われるため、実際に加わっているかは名簿で確認する必要があります。
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目次
防災会議の委員はなぜ見直されることになったのか

東日本大震災はその中でも、防災会議のあり方そのものを見直す転機になりました。
指定地方行政機関の職員や自衛隊、警察、市町村長など、役職に応じて自動的に委員になる人たちが中心だったのです。
東日本大震災では、その顔ぶれの中に女性や高齢者、障害者の視点を持つ人がほとんどいませんでした。
避難所運営の現場で不便や見落としが相次いだことが、平成23年12月の防災基本計画の修正につながります。
そして平成24年の法改正で、防災会議の委員構成そのものに手が入りました。
うちの防災会議も、消防や警察の人ばかりだった気がします。
多くの自治体がそうでした。
そこにどんな枠が加わったのか見ていきましょう。
都道府県防災会議の委員はどこがどう変わったのか

法律の条文そのものに、新しい委員の枠が書き加えられました。
それまでの委員は、指定地方行政機関の長や自衛隊、警察、市町村長など役職ごとの充て職で構成されていました。
そこへ「自主防災組織を構成する者又は学識経験のある者」という第8号が新設され、知事が任命する枠として加わったのです。
充て職と違い、この枠は特定の役職に結び付かないため、地域の実情に応じて幅広い人選ができます。
条文の番号や言い回しまで確認しておくと、自分の自治体の条例と照らし合わせやすくなります。
第8号だけ、他の号と毛色が違う感じがします。
その通りです。
知事が自由に選べる枠だから、多様な人が入れます。
「自主防災組織を構成する者又は学識経験のある者」とは具体的に誰なのか

通知にはもう少し具体的な想定が書かれています。
自主防災組織、つまり町内会や自治会の防災担当の代表者もこの枠に含まれます。
大学教授など研究者のほか、ボランティアやNPOの関係者も対象として挙げられています。
女性・高齢者・障害者団体などの代表者も想定されており、これは同時期に通知された男女共同参画の推進とも重なる考え方です。
つまり第8号は、専門知識と当事者の視点の両方を防災会議に持ち込むための枠です。
自治会の役員をしている人でも、委員になれるということですか。
はい、想定には含まれています。
ただし最終的に選ぶのは知事です。
市町村防災会議はどこが見落としやすいのか

市町村の防災会議は、自動的には変わりません。
法第16条第6項は「都道府県防災会議の例に準じて市町村の条例で定める」としているだけです。
つまり都道府県が法改正で第8号を得たのに対し、市町村側は条例を改正しない限り同じ枠が生まれません。
通知も「できる限り速やかに条例の改正等を行う必要がある」と、義務ではなく努力を求める書きぶりです。
自分の市町村の防災会議条例が、実際に改正されているかどうかは別途確認が要ります。
都道府県が変わったら、市町村も自動的に変わると思っていました。
そこが見落としやすい点です。
条例の改正状況を確認しましょう。
明日からなにを確認すればよいか

確認の入り口は身近なところにあります。
条例に自主防災組織や学識経験者の委員枠が定められているかは、自治体のホームページや例規集で確認できます。
名簿に女性や高齢者・障害者団体の代表者が入っているかどうかも、あわせて見ておくとよいでしょう。
国会の附帯決議が示すとおり、委員の多様化は改正した時点で終わりではなく、その後も改善が求められています。
自主防災組織の一員として参画する機会があれば、地域の防災計画づくりに直接関わることもできます。
自分の自治体の条例、確認してみます。
名簿と条例の両方を見ておくと確実です。
次はよくある質問をまとめます。
よくある質問
まとめ
委員の名簿を見る目が変わりました!
条例の改正状況まで確認しておくと安心です。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 災害対策基本法の一部を改正する法律について(平成24年6月27日付け府政防第724号・消防災第234号)
- 災害対策基本法の一部を改正する法律の運用について(平成24年6月27日付け府政防第725号・消防災第235号)
- 災害対策基本法(昭和36年法律第223号)第15条第5項第8号・第16条第6項
- 男女共同参画の推進について(平成24年5月8日付け府政防第535号・消防災第181号)
※本記事は公表されている法令および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





