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性能評価を行う機関の指定と承認は国内の事務所と外国の事務所でどう分かれるのか|建築基準法第77条の56と第77条の57を解説

事務机に置かれた建材の見本板と書類と封筒の写真

防火設備や耐火構造の大臣認定では、性能の評価を国以外の機関が行うことがあります。
その機関の決め方が、国内の事務所と外国の事務所で分かれています。
今回は建築基準法第77条の56と第77条の57を中心に、指定性能評価機関と承認性能評価機関の決め方、準用される規定、防火管理者が押さえておきたい点をあわせて解説します。

大臣認定のための評価は、国の職員だけが行うのでしょうか。
誰が評価するのか気になります。

第68条の25第3項に、大臣が評価を行わせる者の指定の決まりがあります。
まず条文から確認します。

外国の会社の製品でも、同じ指定を受けるのですか。
手続きが変わるのか知りたいです。

第77条の57に、外国の事務所の場合の承認の決まりがあります。
順番に見ていきましょう。

この記事の結論
  • 性能評価を行う者の指定は、性能評価を行おうとする者(外国にある事務所により行おうとする者を除く)の申請により行います(第77条の56第1項)。
  • 外国にある事務所により性能評価を行おうとする者は、指定ではなく承認の申請をします(第77条の57第1項)。
  • 指定を受けた者は指定性能評価機関と呼ばれ、欠格条項や指定の基準などの規定が準用されます(第77条の56第2項)。
  • 承認を受けた者は承認性能評価機関と呼ばれ、「国土交通大臣等」は「国土交通大臣」、「命ずる」は「請求する」と読み替えられます(第77条の57第2項)。
  • 指定性能評価機関の審査請求では、「処分」が「処分(性能評価の結果を除く。)」と読み替えられます。

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性能評価を行う機関の指定と承認の分かれ方を示す図解

性能評価を行う機関の指定はどのような申請で行われるのか

国の庁舎と書類の束と試験体のイラスト
まず、第68条の25第3項と第77条の56第1項を確認しましょう。
(建築基準法第六十八条の二十五第三項)国土交通大臣は、第七十七条の五十六の規定の定めるところにより指定する者に、構造方法等の認定のための審査に必要な評価の全部又は一部を行わせることができる。
(建築基準法第七十七条の五十六第一項)第六十八条の二十五第三項(第八十八条第一項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による指定は、第六十八条の二十五第三項の評価(以下「性能評価」という。)を行おうとする者(外国にある事務所により行おうとする者を除く。)の申請により行う。
第68条の25第3項は、国土交通大臣が第77条の56の規定の定めるところにより指定する者に、構造方法等の認定のための審査に必要な評価の全部又は一部を行わせることができると定めています
第77条の56第1項は、この指定が、性能評価を行おうとする者の申請により行われるとしています。
ただし、外国にある事務所により行おうとする者は、この指定の対象から除かれています。
指定の申請の様式や、どの機関が指定を受けているかは、この条文には書かれていません。

指定は、機関のほうから申請するのですか。

第1項は、性能評価を行おうとする者の申請により行うと書いています。
国が一方的に決めるとは書かれていません。

外国にある事務所で性能評価を行う場合はどのように承認されるのか

地球儀と庁舎と封筒のイラスト
次に、第68条の25第6項・第7項と第77条の57第1項を確認しましょう。
(建築基準法第六十八条の二十五第六項)国土交通大臣は、第七十七条の五十七の規定の定めるところにより承認する者に、構造方法等の認定のための審査に必要な評価(外国において事業を行う者の申請に基づき行うものに限る。)の全部又は一部を行わせることができる。
(建築基準法第六十八条の二十五第七項)外国において事業を行う者は、前項の承認を受けた者が作成した性能評価書を第一項の申請書に添えて構造方法等の認定を申請することができる。
(建築基準法第七十七条の五十七第一項)第六十八条の二十五第六項(第八十八条第一項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による承認は、性能評価を行おうとする者(外国にある事務所により行おうとする者に限る。)の申請により行う。
第77条の57第1項は、承認が、性能評価を行おうとする者のうち外国にある事務所により行おうとする者に限って、その申請により行われると定めています
第68条の25第6項は、大臣が第77条の57の規定により承認する者に、外国において事業を行う者の申請に基づく評価を行わせることができるとしています。
第7項は、外国において事業を行う者が、承認を受けた者が作成した性能評価書を申請書に添えて認定を申請できるとしています。
承認を受けられる機関の要件や手数料は、この条文には書かれていません。

国内の事務所と外国の事務所は、どこで分かれますか。

指定は外国にある事務所を除くと書き、承認は外国にある事務所に限ると書いています。
同じ言葉で対になっています。

指定性能評価機関にはどのような規定が準用されるのか

二冊のバインダーと庁舎と机のイラスト
続けて、第77条の56第2項を確認しましょう。
(建築基準法第七十七条の五十六第二項)第七十七条の三十六第二項の規定は前項の申請に、第七十七条の三十七、第七十七条の三十八、第七十七条の三十九第一項及び第七十七条の四十一の規定は第六十八条の二十五第三項の規定による指定に、第七十七条の三十九第二項及び第三項、第七十七条の四十、第七十七条の四十二から第七十七条の四十五まで並びに第七十七条の四十七から第七十七条の五十二までの規定は前項の規定による指定を受けた者(以下この条、第九十七条の四及び第百条において「指定性能評価機関」という。)に、第七十七条の五十三の規定は指定性能評価機関の行う性能評価又はその不作為について準用する。
第77条の56第2項は、指定の申請や指定に、指定認定機関について定めた第77条の36から第77条の53までの規定の一部を準用すると定めています
指定の段階では、申請、欠格条項(第77条の37)、指定の基準(第77条の38)、指定の公示(第77条の39第1項)、指定の更新(第77条の41)が準用されます。
指定を受けた者には、名称等の変更の届出と公示(第77条の39第2項・第3項)、業務区域の変更(第77条の40)、認定員(第77条の42)、秘密保持義務等(第77条の43)、認定等の義務(第77条の44)、認定等業務規程(第77条の45)が準用されます。
さらに、帳簿の備付け等(第77条の47)、監督命令(第77条の48)、報告、検査等(第77条の49)、業務の休廃止等(第77条の50)、指定の取消し等(第77条の51)、大臣による実施(第77条の52)が準用されます。
かっこ内の見出しは準用元の条文のものです。第77条の46は、この列挙に入っていません。

準用の中では、言葉が入れ替わるのですか。

第77条の38第1号などでは、「認定員」が「評価員」と読み替えられます。
審査請求の第77条の53では、性能評価の結果が処分から除かれます。

承認性能評価機関にはどのような規定が準用されるのか

地球儀と書類と庁舎のイラスト
最後に、第77条の57第2項を確認しましょう。
(建築基準法第七十七条の五十七第二項)第七十七条の三十六第二項の規定は前項の申請に、第七十七条の三十七、第七十七条の三十八、第七十七条の三十九第一項及び第七十七条の四十一の規定は第六十八条の二十五第六項の規定による承認に、第七十七条の二十二(第三項後段を除く。)、第七十七条の三十四、第七十七条の三十九第二項及び第三項、第七十七条の四十二、第七十七条の四十四、第七十七条の四十五、第七十七条の四十七から第七十七条の四十九まで並びに第七十七条の五十五の規定は第六十八条の二十五第六項の規定による承認を受けた者(第九十七条の四において「承認性能評価機関」という。)について準用する。
第77条の57第2項は、承認の申請や承認に、第77条の36第2項、第77条の37、第77条の38、第77条の39第1項、第77条の41を準用すると定めています
承認を受けた者には、第77条の22(業務区域の変更。第3項後段を除く)、第77条の34(確認検査の業務の休廃止等)、第77条の39第2項・第3項、第77条の42、第77条の44、第77条の45、第77条の47から第77条の49まで、第77条の55(承認の取消し等)が準用されます。
読み替えでは、「国土交通大臣等」が「国土交通大臣」に、「認定員」が「評価員」に、「命ずる」が「請求する」に、「命令」が「請求」になります。
どの規定がなぜ選ばれたかは、この条文には書かれていません。

承認では、大臣は命令をしないのですか。

第77条の57第2項の後段は、「命ずる」を「請求する」、「命令」を「請求」と読み替えています。
命令という言葉が使われない書き方です。

性能評価を行う機関の規定を防火管理の現場ではどのように受け止めればよいのか

書類のバインダーと建物とチェックリストのイラスト
ここまでの内容を、項目ごとに整理します。
分けて読むと、混乱しにくくなります。
項目条文の書き方押さえる点
指定国土交通大臣が指定する者に評価を行わせることができる(第68条の25第3項)申請により行います
国内の事務所外国にある事務所により行おうとする者を除く(第77条の56第1項)指定の対象です
外国の事務所外国にある事務所により行おうとする者に限る(第77条の57第1項)承認の対象です
指定性能評価機関欠格条項、指定の基準などが準用される(第77条の56第2項)評価員と読み替えます
承認性能評価機関第77条の22、第77条の34などが準用される(第77条の57第2項)請求すると読み替えます
審査請求「処分」が「処分(性能評価の結果を除く。)」となる(第77条の53の読み替え)性能評価の結果は除かれます
性能評価を行う機関の規定は、大臣認定の審査に必要な評価を誰が行うかを定めるルールで、消防用設備等の設置や維持の基準を定めた消防法令とは別の制度です
この規定は、防火管理者の義務を直接決めるものではありません。
また、第77条の56と第77条の57には、指定を受けた機関の名称、評価の方法、手数料は書かれていません。
防火設備や耐火構造を新しく入れる場面では、大臣認定の書類と性能評価書を、設計者や施工業者と共有しておくと、後の相談で慌てずに済みます。
明日から、次の点を確認してください。
  • 建物に使われている防火設備や耐火構造の大臣認定について、認定書の写しを設計者や施工業者から書面でもらって保管する。
  • 認定の審査に使われた性能評価書があるか、設計者に尋ねて控えておく。
  • 評価を行った機関の名称は、書類に書かれた内容をそのまま記録しておく。
  • 評価を行う機関の指定や承認について知りたいときは、建築の窓口に問い合わせる。
  • 建築の話と消防の話は別の制度なので、両方の窓口へ確かめる。
性能評価を行う機関の規定は、消防法令の基準を緩めるものではありません。
建築の窓口と所轄消防署に、それぞれ確かめておきましょう。

指定と承認の分かれ方は分かりました。
現場では、何から確かめればよいですか。

大臣認定の書類と性能評価書の有無を、設計者に確認して控えておきましょう。
消防の基準は、所轄消防署に別に確かめます。

よくある質問

Q性能評価を行う機関の指定は、どのように行われますか?
A第77条の56第1項により、性能評価を行おうとする者の申請により行われます。ただし、外国にある事務所により行おうとする者は除かれます。
Q外国にある事務所で性能評価を行う場合は、どうなりますか?
A第77条の57第1項により、指定ではなく承認の対象になります。承認は、外国にある事務所により行おうとする者の申請により行われます。
Q承認性能評価機関では、どのような読み替えがありますか?
A第77条の57第2項により、「国土交通大臣等」は「国土交通大臣」、「認定員」は「評価員」、「命ずる」は「請求する」と読み替えられます。
Qこの規定は、防火管理者の義務になりますか?
A建築基準法の大臣認定のための評価を行う機関に関するルールで、防火管理者の義務を直接決めるものではなく、消防法令の基準とは別の制度です。

まとめ

✔性能評価を行う者の指定は、外国にある事務所により行おうとする者を除き、申請により行われます。
✔外国にある事務所により行おうとする者は、指定ではなく承認の申請をします。
✔指定を受けた者には、欠格条項や指定の基準などが準用され、「認定員」は「評価員」と読み替えられます。
✔承認を受けた者には、第77条の22や第77条の34などが準用され、「命ずる」は「請求する」と読み替えられます。
✔指定性能評価機関の審査請求では、「処分」が「処分(性能評価の結果を除く。)」と読み替えられます。
✔機関の名称、評価の方法、手数料は、第77条の56と第77条の57には書かれていません。
✔この制度は建築基準法の大臣認定のルールで、消防法令の基準とは別なので、防火管理者は認定書類と性能評価書の有無を設計者に確認して記録します。

評価を行う機関の指定と承認の分かれ方がよく分かりました。
認定書類と性能評価書の有無を、設計者に確認します!

建築の大臣認定と消防の基準は別なので、両方を確かめておくと安心です。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

まずはWebで無料お見積りを!

お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 建築基準法第六十八条の二十五、第七十七条の五十六及び第七十七条の五十七(e-Gov法令検索)

※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。大臣認定や性能評価書の扱いは建築の窓口ごとに確認が必要な場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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