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仮設の建物を期間を超えて使い続けると罰金になるのか|建築基準法第101条の第8号から第10号と第85条を解説

朝の空き地に置かれた白い仮設のプレハブ建物と三角コーンの写真

災害のあとに建てる仮設の建物や、博覧会などのための仮設の建物は、建築基準法の規制が一部外れる代わりに、使える期間が決められています。
その期間を守らなかったときの罰則が、第101条の第8号から第10号にあります。
今回は第8号・第9号・第10号を、それぞれの根拠になる第85条の項に対応させて解説します。

仮設の建物を、許可された期間を超えて使い続けると、罰金になることはありますか。

第101条の第8号から第10号に、100万円以下の罰金の定めがあります。
この記事で、その中身を確認します。

三つの号は、どう分かれているのですか。

第8号は第85条第3項、第9号は第4項と第5項、第10号は第6項と第7項に対応しています。
順番に見ていきましょう。

この記事の結論
  • 第101条は、各号のいずれかに該当する者を、100万円以下の罰金に処すると定めています。
  • 第8号は、第85条第3項の規定に違反した場合の建築主を罰する規定です。
  • 第9号は、特定行政庁が定めた期間を超えて応急仮設建築物を存続させた場合の、所有者、管理者又は占有者を罰する規定です。
  • 第10号は、特定行政庁が定めた期間を超えて仮設興行場等を存続させた場合の、所有者、管理者又は占有者を罰する規定です。
  • 第101条第2項の故意の規定が挙げるのは第3号、第4号、第6号で、第8号から第10号は含まれていません。

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建築基準法第101条の第8号から第10号が、応急仮設建築物や仮設興行場等を許可された期間を超えて存続させた場合を100万円以下の罰金で罰する仕組みを示す図解

第101条の第8号から第10号は仮設の建物にどんな違反を罰するのか

仮設の建物と資材のイラスト
まず、第101条の前文と第8号から第10号、そして第2項を確認しましょう。
(建築基準法第百一条(前文))次の各号のいずれかに該当する者は、百万円以下の罰金に処する。
(建築基準法第百一条第八号)八 第八十五条第三項の規定に違反した場合における当該建築物の建築主
(建築基準法第百一条第九号)九 第八十五条第四項又は第五項の規定により特定行政庁が定めた期間を超えて応急仮設建築物を存続させた場合における当該建築物の所有者、管理者又は占有者
(建築基準法第百一条第十号)十 第八十五条第六項又は第七項の規定により特定行政庁が定めた期間を超えて仮設興行場等を存続させた場合における当該建築物の所有者、管理者又は占有者
(建築基準法第百一条第二項)前項第三号、第四号又は第六号に規定する違反があつた場合において、その違反が建築主又は建築設備の設置者の故意によるものであるときは、当該設計者又は工事施工者を罰するほか、当該建築主又は建築設備の設置者に対して同項の刑を科する。
第8号から第10号は、いずれも第85条の規定に関わる違反を、100万円以下の罰金に処すると規定しています
第8号は、第85条第3項の規定に違反した場合の、当該建築物の建築主を罰しています。
第9号は、第85条第4項又は第5項により特定行政庁が定めた期間を超えて、応急仮設建築物を存続させた場合を罰しています。
第10号は、第85条第6項又は第7項により特定行政庁が定めた期間を超えて、仮設興行場等を存続させた場合を罰しています。
第9号と第10号が罰する相手は、建築物の所有者、管理者又は占有者です。
第2項の故意の規定は第3号、第4号、第6号を挙げているので、第8号から第10号は含まれていません。

三つの号は、罰する相手が同じですか。

いいえ、違います。
第8号は建築主、第9号と第10号は所有者、管理者又は占有者です。

第8号が罰する第85条第3項の違反とはどんな場合か

書類と仮設の建物のイラスト
続けて、第8号の根拠になる第85条第1項・第2項と第3項を確認しましょう。
(建築基準法第八十五条第一項)非常災害があつた場合において、非常災害区域等(非常災害が発生した区域又はこれに隣接する区域で特定行政庁が指定するものをいう。第八十七条の三第一項において同じ。)内においては、災害により破損した建築物の応急の修繕又は次の各号のいずれかに該当する応急仮設建築物の建築でその災害が発生した日から一月以内にその工事に着手するものについては、建築基準法令の規定は、適用しない。ただし、防火地域内に建築する場合については、この限りでない。
(建築基準法第八十五条第三項)前二項の応急仮設建築物を建築した者は、その建築工事を完了した後三月を超えて当該建築物を存続させようとする場合においては、その超えることとなる日前に、特定行政庁の許可を受けなければならない。ただし、当該許可の申請をした場合において、その超えることとなる日前に当該申請に対する処分がされないときは、当該処分がされるまでの間は、なお当該建築物を存続させることができる。
第85条第1項は、非常災害があった場合に、非常災害区域等の内で建築する応急仮設建築物などについて、建築基準法令の規定を適用しないと定めています。
第2項は、災害があった場合に建築する公益上必要な用途の応急仮設建築物などについて、挙げた規定を適用しないと定めています。
第3項は、この二つの項の応急仮設建築物を建築した者が、建築工事の完了後3か月を超えて存続させようとする場合は、超えることとなる日前に特定行政庁の許可を受けなければならないと規定しています。
ただし書は、許可の申請をした場合に、その日前に処分がされないときは、処分がされるまでの間は存続させられると定めています。
第3項は「建築した者」と書き、第8号は「建築主」を罰すると書いています。

許可の申請をしていれば、3か月を過ぎても使えますか。

申請をしたのに処分がされないときは、処分がされるまでは存続させられます。
これは、第3項のただし書が定めています。

第9号は許可された期間を超えるとなぜ罰せられるのか

期間と応急仮設の建物のイラスト
続けて、許可の期間を定めた第85条第4項と第5項を確認しましょう。
(建築基準法第八十五条第四項)特定行政庁は、前項の許可の申請があつた場合において、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるときは、二年以内の期間を限つて、その許可をすることができる。
(建築基準法第八十五条第五項)特定行政庁は、被災者の需要に応ずるに足りる適当な建築物が不足することその他の理由により前項に規定する期間を超えて使用する特別の必要がある応急仮設建築物について、安全上、防火上及び衛生上支障がなく、かつ、公益上やむを得ないと認める場合においては、同項の規定にかかわらず、更に一年を超えない範囲内において同項の規定による許可の期間を延長することができる。被災者の需要に応ずるに足りる適当な建築物が不足することその他の理由により当該延長に係る期間を超えて使用する特別の必要がある応急仮設建築物についても、同様とする。
第4項は、前項の許可の申請があった場合に、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるときは、2年以内の期間を限って許可をすることができると規定しています。
第5項は、その期間を超えて使用する特別の必要がある応急仮設建築物について、公益上やむを得ないと認める場合に、更に1年を超えない範囲で許可の期間を延長できると規定しています。
第9号は、この第4項又は第5項によって特定行政庁が定めた期間を超えて存続させた場合を、罰しています。
罰せられる相手は、当該建築物の所有者、管理者又は占有者で、建築主とは書かれていません。

許可の期間が過ぎたあとの延長は、誰が決めるのですか。

延長は、特定行政庁が第5項の要件を認めた場合にできます。
第8項は、原則として建築審査会の同意を得ることを求めています。

第10号は仮設興行場等の期間超過をどう罰するのか

仮設の売店と広場のイラスト
続けて、仮設興行場等の許可を定めた第85条第6項と第7項を確認しましょう。
(建築基準法第八十五条第六項)特定行政庁は、仮設興行場、博覧会建築物、仮設店舗その他これらに類する仮設建築物(次項及び第百一条第一項第十号において「仮設興行場等」という。)について安全上、防火上及び衛生上支障がないと認める場合においては、一年以内の期間(建築物の工事を施工するためその工事期間中当該従前の建築物に代えて必要となる仮設店舗その他の仮設建築物については、特定行政庁が当該工事の施工上必要と認める期間)を定めてその建築を許可することができる。
(建築基準法第八十五条第七項)特定行政庁は、国際的な規模の会議又は競技会の用に供することその他の理由により一年を超えて使用する特別の必要がある仮設興行場等について、安全上、防火上及び衛生上支障がなく、かつ、公益上やむを得ないと認める場合においては、前項の規定にかかわらず、当該仮設興行場等の使用上必要と認める期間を定めてその建築を許可することができる。
第6項は、仮設興行場、博覧会建築物、仮設店舗などを、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認める場合に、1年以内の期間を定めて建築を許可できると規定しています。
括弧書きは、これらを「仮設興行場等」と呼び、その語を第101条第1項第10号でも使うと書いています。
工事期間中に従前の建築物に代えて必要となる仮設店舗などは、特定行政庁が工事の施工上必要と認める期間を定めます。
第7項は、国際的な規模の会議又は競技会の用に供するなど、1年を超えて使用する特別の必要がある仮設興行場等について、使用上必要と認める期間を定めて許可できると規定しています。
第10号は、第6項又は第7項により特定行政庁が定めた期間を超えて存続させた場合の、所有者、管理者又は占有者を罰しています。

仮設店舗も、第10号の対象になりますか。

第6項の括弧書きが、仮設店舗も仮設興行場等に含めています。
期間を超えて存続させれば、第10号の対象になります。

第8号から第10号を整理すると何が分かるのか

書類を広げた事務所の机のイラスト
最後に、ここまでの内容を整理します。
号対応する第85条罰せられる者
第8号第3項の規定に違反した場合当該建築物の建築主
第9号第4項又は第5項で定めた期間を超えた応急仮設建築物所有者、管理者又は占有者
第10号第6項又は第7項で定めた期間を超えた仮設興行場等所有者、管理者又は占有者
第101条の罰金各号のいずれかに該当する者罰金は100万円以下
第101条第2項故意の場合に建築主等にも刑を科す第3号、第4号、第6号のみで、第8号から第10号は含まれない
罰金は、いずれも100万円以下と定められています
これは建築基準法の罰則であり、消防法令の義務とは別の規定です。
また、どの期間が定められたかや、誰が違反した者に当たるかの個別の判断は、第101条には書かれていません。
仮設の建物を使うときは、許可の内容と期間を頭に入れておくと安心です。
明日から、次の点を確認してください。
  • 使っている仮設の建物が、応急仮設建築物か仮設興行場等かを、許可の書類で確かめる。
  • 特定行政庁が定めた許可の期間がいつまでかを、許可の通知書で確かめる。
  • 期間を超えて使う見込みがあるときは、期間の前に特定行政庁へ相談する。
  • 建築主や所有者、管理者、占有者が誰かを、契約書や管理の記録で確かめる。
  • 建物の防火管理などの義務は別の規定なので、所轄消防署へ確かめる。
建築基準法の罰則については特定行政庁や建築の窓口に、消防法令の義務については所轄消防署に、それぞれ確かめておきましょう。

整理はできました。
実務では、何から確かめればよいですか。

まず、許可された期間の終わりを確認しましょう。
消防法令の義務は、所轄消防署に別に確かめます。

よくある質問

Q第8号は何を罰しますか?
A第85条第3項の規定に違反した場合の、当該建築物の建築主を、100万円以下の罰金に処すと定めています。
Q第9号は誰を罰しますか?
A特定行政庁が定めた期間を超えて応急仮設建築物を存続させた場合の、当該建築物の所有者、管理者又は占有者です。
Q仮設興行場等の期間超過は第何号ですか?
A第85条第6項又は第7項で定めた期間を超えて存続させた場合は、第10号が罰しています。
Q第2項の故意の規定は第8号から第10号にも及びますか?
A第2項が挙げているのは第3号、第4号、第6号で、第8号から第10号は含まれていません。

まとめ

✔第101条の第8号から第10号は、第85条の仮設建築物の規定に関わる違反を、100万円以下の罰金で罰すると定めています。
✔第8号は、第85条第3項の違反について、当該建築物の建築主を罰しています。
✔第9号は、第4項又は第5項で定めた期間を超えて応急仮設建築物を存続させた、所有者、管理者又は占有者を罰しています。
✔第10号は、第6項又は第7項で定めた期間を超えて仮設興行場等を存続させた、所有者、管理者又は占有者を罰しています。
✔第85条第4項は2年以内、第5項は更に1年を超えない範囲で、許可の期間を定め、延長する規定です。
✔第2項の故意の規定は、第3号、第4号、第6号を挙げ、第8号から第10号は含みません。
✔これは建築基準法の罰則で、消防法令の義務とは別なので、防火管理者は建築の窓口と所轄消防署の両方に確認します。

仮設の建物にも、期間を守る罰則があることがよく分かりました。
まず、許可の期間の終わりを確認します!

建築の罰則と消防の罰則は別なので、両方を確かめておくと安心です。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

まずはWebで無料お見積りを!

お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 建築基準法第八十五条・第百一条(e-Gov法令検索)

※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。罰則の適用は事案ごとに確認が必要な場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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