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建築基準法で居室の採光や階段の基準に違反すると罰金になるのか|第101条の第4号と第14号を解説

窓から光が差し込む居室の床と階段が写る建物内部の写真

居室の窓が小さすぎたり、階段の造りが基準に合っていなかったりする建物を耳にすることがあります。
建築基準法第36条は、こうした技術的基準を政令に委ねており、その政令に違反した場合の罰則が第101条の第4号と第14号に置かれています。
今回は第4号と第14号を、罰せられる人と根拠になる第36条・第87条第3項に分けて解説します。

採光や階段の基準に違反すると、罰金になることはありますか。

第101条第4号と第14号に、100万円以下の罰金の定めがあります。
この記事で、その中身を確認します。

罰せられるのは、建物の持ち主だけですか。

第4号と第14号では、罰せられる人が違います。
順番に見ていきましょう。

この記事の結論
  • 第101条は、各号のいずれかに該当する者を、100万円以下の罰金に処すると定めています。
  • 第4号は、第36条に基づく政令の規定に違反した場合の設計者(施工の場合は工事施工者)を罰する規定です。
  • 第4号の対象は、採光面積、天井と床の高さ、床の防湿方法、階段、便所、浄化槽の6つの事項に限られています。
  • 第14号は、第87条第3項が準用する第36条の政令に違反した建築物の所有者、管理者又は占有者を罰する規定です。
  • 第2項の故意の規定は第4号を含み、第14号は含みません。

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建築基準法第101条の第4号が設計者を、第14号が用途変更をした建築物の所有者、管理者又は占有者を、第36条に基づく政令の違反で100万円以下の罰金で罰する仕組みを示す図解

第101条第4号は第36条に基づく政令に違反した設計者をどう罰するのか

採光の窓と階段のある建物のイラスト
まず、第101条の前文と第4号、そして第2項を確認しましょう。
(建築基準法第百一条(前文))次の各号のいずれかに該当する者は、百万円以下の罰金に処する。
(建築基準法第百一条第四号)四 第三十六条(居室の採光面積、天井及び床の高さ、床の防湿方法、階段の構造、便所の設置及び構造並びに浄化槽の構造に係る部分に限る。)の規定に基づく政令の規定に違反した場合における当該建築物又は建築設備の設計者(設計図書に記載された認定建築材料等の全部又は一部として当該認定建築材料等の全部又は一部と異なる建築材料又は建築物の部分を引き渡した場合においては当該建築材料又は建築物の部分を引き渡した者、設計図書を用いないで工事を施工し、又は設計図書に従わないで工事を施工した場合(設計図書に記載された認定建築材料等と異なる建築材料又は建築物の部分を引き渡された場合において、当該建築材料又は建築物の部分を使用して工事を施工した場合を除く。)においては当該建築物又は建築設備の工事施工者)
(建築基準法第百一条第二項)前項第三号、第四号又は第六号に規定する違反があつた場合において、その違反が建築主又は建築設備の設置者の故意によるものであるときは、当該設計者又は工事施工者を罰するほか、当該建築主又は建築設備の設置者に対して同項の刑を科する。
第4号は、第36条の規定に基づく政令に違反した場合の設計者を、100万円以下の罰金に処すると規定しています
ただし第36条のすべてではなく、括弧書きで、居室の採光面積、天井及び床の高さ、床の防湿方法、階段の構造、便所の設置及び構造並びに浄化槽の構造に係る部分に限っています。
第36条が挙げる防火壁、防火区画、消火設備、避雷設備などは、第4号の括弧書きには入っていません。
また括弧書きは、設計図書を用いないで、又は設計図書に従わないで工事を施工した場合には工事施工者を、認定建築材料等と異なる建築材料などを引き渡した場合には引き渡した者を、罰する相手に置き換えています。
第2項は、第4号の違反が建築主又は建築設備の設置者の故意によるときは、設計者又は工事施工者を罰するほか、その建築主等にも同項の刑を科すと定めています。

第4号は、罰する相手を建築主と書いていますか。

書いていません。
第4号は、設計者(施工の場合は工事施工者)と書いています。

第36条は建築物の技術的基準をどこまで政令に委ねているのか

定規と設計図と建物のイラスト
続けて、第4号の根拠になる第36条と、採光を定める第28条第1項を確認しましょう。
(建築基準法第三十六条)居室の採光面積、天井及び床の高さ、床の防湿方法、階段の構造、便所、防火壁、防火床、防火区画、消火設備、避雷設備及び給水、排水その他の配管設備の設置及び構造並びに浄化槽、煙突及び昇降機の構造に関して、この章の規定を実施し、又は補足するために安全上、防火上及び衛生上必要な技術的基準は、政令で定める。
(建築基準法第二十八条第一項)住宅、学校、病院、診療所、寄宿舎、下宿その他これらに類する建築物で政令で定めるものの居室(居住のための居室、学校の教室、病院の病室その他これらに類するものとして政令で定めるものに限る。)には、採光のための窓その他の開口部を設け、その採光に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、五分の一から十分の一までの間において居室の種類に応じ政令で定める割合以上としなければならない。ただし、地階若しくは地下工作物内に設ける居室その他これらに類する居室又は温湿度調整を必要とする作業を行う作業室その他用途上やむを得ない居室については、この限りでない。
第36条は、居室の採光面積、階段の構造などに関して、この章の規定を実施し、又は補足するために必要な技術的基準は、政令で定めると規定しています。
つまり、窓の大きさや階段の寸法などの細かい基準は、条文本体ではなく政令で確認することになります。
採光を定める第28条第1項は、採光に有効な部分の面積を、居室の床面積に対して5分の1から10分の1までの間で居室の種類に応じ政令で定める割合以上とするよう求めています。
第4号が罰しているのは、こうした第36条に基づく政令の規定への違反です。
どの政令の条文がどの事項に当たるかは、第101条にも第36条にも書かれていません。

採光の割合は、条文に細かく書かれていますか。

第28条第1項は、割合を政令で定めると書いています。
基準の中身は、政令で確認します。

第101条第14号は用途を変えた建築物の所有者等をどう罰するのか

古い建物と書類のイラスト
続けて、第14号を確認しましょう。
(建築基準法第百一条第十四号)十四 第八十七条第三項において準用する第三十六条(居室の採光面積及び階段の構造に関して、第二十八条第一項又は第三十五条の規定を実施し、又は補足するために安全上、防火上及び衛生上必要な技術的基準に係る部分に限る。)の規定に基づく政令の規定に違反した場合における当該建築物の所有者、管理者又は占有者
第14号は、第87条第3項において準用する第36条の政令の規定に違反した場合の建築物の所有者、管理者又は占有者を、罰すると規定しています
第4号と違い、罰する相手は設計者ではなく所有者、管理者又は占有者です。
括弧書きが挙げる事項も、居室の採光面積と階段の構造に、第28条第1項又は第35条を実施し、又は補足するための基準に限られており、第4号より狭くなっています。
所有者、管理者、占有者のうち誰が違反した者に当たるかは、条文には書かれていません。

第14号は、設計者を罰する規定ですか。

いいえ。
第14号が挙げるのは、建築物の所有者、管理者又は占有者です。

第87条第3項は既存の建築物の用途を変えるときに何を求めているのか

用途を変えた建物と窓のイラスト
続けて、第14号が準用元にしている第87条第3項を確認しましょう。
(建築基準法第八十七条第三項)第三条第二項の規定により第二十七条、第二十八条第一項若しくは第三項、第二十九条、第三十条、第三十五条から第三十五条の三まで、第三十六条中第二十八条第一項若しくは第三十五条に関する部分、第四十八条第一項から第十四項まで若しくは第五十一条の規定又は第三十九条第二項、第四十条、第四十三条第三項、第四十三条の二、第四十九条から第五十条まで、第六十八条の二第一項若しくは第六十八条の九第一項の規定に基づく条例の規定(次条第一項において「第二十七条等の規定」という。)の適用を受けない建築物の用途を変更する場合においては、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、これらの規定を準用する。
一 増築、改築、大規模の修繕又は大規模の模様替をする場合
二 当該用途の変更が政令で指定する類似の用途相互間におけるものであつて、かつ、建築物の修繕若しくは模様替をしない場合又はその修繕若しくは模様替が大規模でない場合
三 第四十八条第一項から第十四項までの規定に関しては、用途の変更が政令で定める範囲内である場合
第3項は、第3条第2項により第28条第1項などの適用を受けない建築物の用途を変更する場合に、第36条中第28条第1項又は第35条に関する部分を含む規定を準用すると定めています。
ただし、増築や大規模の修繕を伴う場合、類似の用途相互間の変更で修繕等が大規模でない場合などは、各号のとおり扱いが分かれます。
第14号が「第87条第3項において準用する第36条」と書くのは、この用途変更の場面を指しています。
どの変更が類似の用途に当たるか、政令の範囲内かは、条文本体には書かれていません。

用途を変えなくても、第14号の罰則は関係しますか。

第14号は、第87条第3項が準用する第36条の政令の違反を挙げています。
個別の事案は、建築の窓口で確かめます。

第4号と第14号を比べると何が分かるのか

表を広げた事務所の机のイラスト
最後に、ここまでの内容を整理します。
規定書かれていることポイント
第101条第4号第36条に基づく政令の規定(6つの事項に係る部分)に違反した場合の設計者を100万円以下の罰金に処する罰する相手は設計者(施工の場合は工事施工者)
第101条第14号第87条第3項が準用する第36条の政令の規定(採光面積と階段の構造に係る部分)に違反した場合の所有者、管理者又は占有者を罰する罰する相手は所有者、管理者又は占有者
第36条安全上、防火上及び衛生上必要な技術的基準を政令で定める細かい基準は政令で確認
第87条第3項適用を受けない建築物の用途を変更する場合に第36条などを準用する各号に該当する場合は準用が除かれる
第101条第2項故意の場合に建築主等にも同項の刑を科す第4号は含む、第14号は含まない
第4号も第14号も、罰金は100万円以下と定められています
これらは建築基準法の罰則であり、消防法令の義務とは別の規定です。
また、政令のどの規定が第36条に基づくものに当たるか、誰が違反した者に当たるかは、第101条には書かれていません。
建物の用途を変えるときは、こうした罰則があることを頭に入れておくと安心です。
明日から、次の点を確認してください。
  • 居室の採光や階段など、第36条に基づく政令の基準に当たる事項を、政令で確かめる。
  • 設計や工事の段階では、設計者と工事施工者がそれぞれ誰かを、契約で確かめる。
  • 用途を変更するときは、第87条第3項の準用の対象になるかを建築の窓口で確かめる。
  • 所有者、管理者、占有者のうち誰が管理しているかを、賃貸借などの契約で確かめる。
  • 建物の防火管理などの義務は別の規定なので、所轄消防署へ確かめる。
建築基準法の罰則については建築の窓口に、消防法令の義務については所轄消防署に、それぞれ確かめておきましょう。

整理はできました。
現場では、何から確かめればよいですか。

まず、その事項が第36条に基づく政令の基準に当たるかを確認しましょう。
消防法令の義務は、所轄消防署に別に確かめます。

よくある質問

Q第4号は誰を罰しますか?
A第36条に基づく政令の規定に違反した場合の設計者を、100万円以下の罰金に処すると定めています。
Q第4号の対象は第36条のすべてですか?
A括弧書きで、採光面積、天井と床の高さ、床の防湿方法、階段、便所、浄化槽の6つの事項に係る部分に限るとされています。
Q第14号は誰を罰しますか?
A第87条第3項において準用する第36条の政令に違反した場合の建築物の所有者、管理者又は占有者を罰すると定めています。
Q第2項の故意の規定は第14号にも及びますか?
A第2項が挙げているのは第3号、第4号、第6号で、第14号は含まれていません。

まとめ

✔第101条の第4号と第14号は、第36条に基づく政令の規定に違反した場合を、100万円以下の罰金で罰すると定めています。
✔第4号が罰するのは、設計者(施工の場合は工事施工者)で、対象は6つの事項に限られています。
✔第14号が罰するのは、第87条第3項が準用する第36条の政令に違反した建築物の所有者、管理者又は占有者です。
✔第36条は、細かい技術的基準を政令に委ねています。
✔第2項の故意の規定は、第4号を含み、第14号は含みません。
✔政令のどの規定が該当するか、誰が違反した者に当たるかは、第101条には書かれていません。
✔これは建築基準法の罰則で、消防法令の義務とは別なので、防火管理者は建築の窓口と所轄消防署の両方に確認します。

採光や階段の基準に違反すると罰金になる場合がよく分かりました。
まず、政令の基準を確認します!

建築の罰則と消防の罰則は別なので、両方を確かめておくと安心です。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

まずはWebで無料お見積りを!

お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 建築基準法第二十八条・第三十六条・第八十七条第三項・第百一条(e-Gov法令検索)

※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。罰則の適用は事案ごとに確認が必要な場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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