消防庁が「危険物の規制に関する規則の一部改正に伴う航空機給油取扱所の運用について」を通知したのは、令和8年4月3日、消防危第65号によってです。
直前の令和8年4月3日付け消防危第56号で公布された危険物の規制に関する規則の改正(令和8年総務省令第60号)を受け、航空機給油取扱所の基準の特例や取扱いの基準の運用がまとめ直されました。
特に、原動機を止めずに給油できる特別な取扱所では、消防ポンプ自動車の性能や専門員の配置人数まで具体的に示されています。
自分の取扱所がどちらの区分に当たるのかを知るところから、運用の見直しは始まります。
うちは空港内で給油業務を委託されているんですが、消防ポンプ自動車の性能まで細かく決まっているんでしょうか。
はい、令和8年4月の通知で消防ポンプ自動車の性能や専門員の配置人数まで具体的に示されました。
まずは自分の取扱所がどの区分に当たるか確認しましょう。
うちは原動機を止めずに給油してもらう特別な取扱所なんですが、何を確認すればいいですか。
消防ポンプ自動車の級別と専門員の配置、そして予防規程への記載がポイントになります。
順番に見ていきましょう。
- 消防危第65号(令和8年4月3日)は、危険物の規制に関する規則の改正(令和8年総務省令第60号)を受けて航空機給油取扱所の運用留意事項をまとめた通知です
- 消防ポンプ自動車の設置が必要になるのは、原動機を止めずに給油できる特別な取扱所だけです
- その消防ポンプ自動車は、A-1級又はA-2級のポンプを有し泡を放射できるものに限られます
- 専門員は区分ごとに原則1名以上、消防ポンプ自動車を扱う防火要員は2名以上配置します
- 予防規程には教育訓練の内容や給油業務の手順など4項目を記載する必要があります
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目次
航空機給油取扱所の基準はなぜ改めて示されたのか

航空機給油取扱所も、令和8年の規則改正を受けて留意事項が新たに示されました。
規則そのものの改正は消防危第56号で先に通知され、消防危第65号はその運用の解釈を補う位置づけです。
対象になるのは、規則第26条が定める航空機給油取扱所の基準の特例と、第四十条の三の七が定める取扱いの基準の両方です。
本通知は消防組織法第37条の規定に基づく助言として発出されており、義務というより運用の目安を示すものです。
規則が改正されたのは知っていましたが、この通知は何のために出たんですか。
改正された規則をどう運用すればよいか、留意事項として整理したものです。
次は対象になる取扱所を見ていきましょう。
泡を放射する消防ポンプ自動車が必要になるのはどの取扱所か

消防ポンプ自動車の設置が必要になるのは、このうち原動機を止めずに給油できる特別な取扱所だけです。
通常どおり原動機を止めて給油する場合は、この消防ポンプ自動車も専門員の配置も求められません。
求められる消防ポンプ自動車は、A-1級又はA-2級という上位の級別に限られ、化学消防自動車又は動力消防ポンプの規格省令別表で規定されています。
薬剤やノズル、混合装置など泡を放射できる資機材一式を備えていることも条件です。
原動機を止めて給油するときは、消防ポンプ自動車は要らないんですね。
そのとおりです。
特別な取扱所だけの上乗せ基準だと考えてください。
消防ポンプ自動車と専門員はどう配置するのか

区分ごとに必要な人数が決まっているため、頭数をそろえるだけでは足りません。
原則は各区分に1名以上ですが、消防ポンプ自動車と消火設備の付近で待機する防火要員だけは2名以上が求められます。
ただし業務に支障が出なければ、給油要員が第四種の消火設備を扱う防火要員を兼務することも認められています。
兼務の可否は、給油と消火の両方を同時にこなせるかどうかで判断することになります。
防火要員だけ2名以上というのは、なぜなんですか。
消防ポンプ自動車を取り扱う業務は1人では対応しきれないためです。
兼務できる場面とできない場面を切り分けて考えましょう。
添加装置や専門員以外の給油制限はどこが見落としやすいのか

専門員以外が給油できない原則とあわせて確認しておきましょう。
添加装置の転倒防止は、アンカー等での固定か、車輪があるならブレーキ等でのロックのどちらかで満たせます。
また専門員以外の者は給油業務そのものを行えず、給油できる危険物も引火点38度以上の第四類の危険物に限られます。
現場の点検では、添加装置が固定・ロックされているかを毎回目で見て確かめることが実務のポイントです。
うちの添加装置、車輪が付いているだけで固定していませんでした。
ブレーキでロックできれば基準は満たせます。
次回の点検で確認しておきましょう。
予防規程には何を書けばよいのか

条文が求める4つの項目を確認しておきましょう。
教育訓練は、専門員が受ける学科教育や実技教育などの内容そのものを記載します。
対応可能な航空機の機種を絞り込み、機種ごとの安全対策まで書き込むことで、現場で判断に迷わない体制になります。
これらの記載内容が適切かどうかは、第三者機関の評価を活用して確かめても差し支えないとされています。
予防規程って、書き足すだけでいいんですか。
はい、記載事項を漏れなく盛り込めば大丈夫です。
迷ったら所轄消防署に相談してください。
よくある質問
まとめ
消防ポンプ自動車の級別から予防規程まで、よく分かりました。
級別の確認から専門員の配置、予防規程の記載まで一緒に整えましょう。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 危険物の規制に関する規則の一部改正に伴う航空機給油取扱所の運用について(令和8年4月3日 消防危第65号 消防庁危険物保安室長)
- 危険物の規制に関する規則の一部を改正する省令の公布について(令和8年4月3日 消防危第56号)
- 危険物の規制に関する規則第26条、第四十条の三の七、第60条の2
※本記事は公表されている法令および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





