甲種防火管理新規講習は、本来なら防火管理の意義や火気管理など5つの科目をひととおり受ける講習です。
ところが消防設備点検資格者講習や自衛消防業務講習をすでに修了している人は、その一部が免除されることをご存知でしょうか。
科目免除の仕組みは平成22年の通知で整理されましたが、対象になる講習を間違えると免除は受けられません。
本記事では免除の対象となる講習・免除される科目・申込み時の注意点をまとめて解説します
消防設備点検資格者講習を修了した業者が、今度は甲種防火管理講習も受けるそうです。
何か科目が免除されたりしますか。
はい条件を満たせば防火管理の意義及び制度の科目が免除されます。
平成22年の通知でそう定められました。
うちの担当者にも自衛消防業務講習を修了した人がいます。
同じように免除は使えますか。
はい自衛消防業務講習の修了者も対象です。
申込み時に修了証を示せば審査してもらえます。
- 消防設備点検資格者講習と自衛消防業務講習の修了者は科目免除の対象になります
- 免除されるのは「防火管理の意義及び制度」の科目です
- 免除の対象は甲種防火管理新規講習に限られます
- 乙種防火管理講習や甲種防火管理再講習は対象になりません
- 申込み時には講習修了証の提示が必要です
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目次
甲種防火管理講習の科目免除はなぜ導入されたのか

その重なりを整理する転機になったのが平成22年の通知です。
それまで防火管理講習・消防設備点検資格者講習・防火対象物点検資格者講習・自衛消防業務講習・防災管理講習・防災管理点検資格者講習はそれぞれ独立に運用され、同じ内容を何度も学び直す受講者がいました。
そこで総務省消防庁は講習事項の一部免除を拡大し、既に別の講習で学んだ内容を重ねて受けなくてよい仕組みを整えました。
本記事で扱う甲種防火管理新規講習の科目免除も、このときの見直しで新設されたものです。
対象になる講習と免除される科目を順に見ていきます。
講習がいろいろあって、どれとどれが重なっているのか分かりにくいです。
平成22年の通知で整理されたので、順番に確認していきましょう。
免除の対象になるのはどの講習の修了者か

対象になる講習は2つあります。
甲種防火管理新規講習の講習事項のうち、「防火管理の意義及び制度」を免除できるものとして、次の者を定めたこと(防火管理講習実施細目第2関係)。
(1) 消防設備点検資格者講習の課程を修了し、免状の交付を受けている者
(2) 自衛消防業務講習の課程を修了している者
どちらも登録講習機関から修了を証する書類の交付を受けている必要があり、受講しただけで修了証の交付前という状態では対象になりません。
防火対象物点検資格者講習や防災管理点検資格者講習の修了者はこの2つの科目免除には含まれておらず、別の科目免除の枠組みが用意されています。
自分がどちらの講習を修了しているか、修了証の名称で確認しておきましょう。
うちのスタッフは自衛消防業務講習だけ修了しています。
それでも対象になりますか。
はい自衛消防業務講習の修了だけで対象になります。
消防設備点検資格者講習との両方は必要ありません。
免除されるのはどの科目でどれだけ短くなるのか

免除の対象になるのはこのうちの1科目です。
防火管理の意義及び制度 2時間
火気管理 2時間
施設及び設備の維持管理 2時間
防火管理に係る訓練及び教育 2時間
防火管理に係る消防計画 2時間
甲種防火管理新規講習は5つの科目にそれぞれ2時間が割り当てられ、合計でおおむね十時間になります。
このうち防火管理の意義及び制度だけが免除の対象で、残り4科目・8時間は通常どおり受講します。
免除されるのは受講時間だけでなく、修了考査の出題範囲からもこの科目が外れます。
半分以上が免除されるわけではない点は、申込み前に押さえておきたいところです。
2時間まるまる免除されるなら、かなり楽になりますね。
はい残り8時間は通常どおり受講が必要です。
まったく受けなくてよいわけではありません。
免除を当てにするとき見落としやすいのはどこか

似た名前の講習でも対象外になる場合があります。
(1) 甲種防火管理新規講習の講習時間を12時間から10時間に改め(略)たこと(規則第2条の3第2項関係)。
(2) 甲種防火管理再講習の講習時間を3時間から2時間に改め、講習事項のうち「防火管理上留意すべきこと」を削除したこと(規則第2条の3第3項関係)。
(3) 乙種防火管理講習の講習時間を6時間から5時間に改めたこと(規則第2条の3第4項関係)。
同じ通知で講習時間が見直された甲種防火管理再講習や乙種防火管理講習には、この科目免除の規定は適用されません。
乙種防火管理講習をこれから受ける人が消防設備点検資格者講習を修了していても、科目は免除されないということです。
また、免除を受けるには登録講習機関へ修了証等の証明書類を示す必要があり、口頭で申告するだけでは認められません。
自分が受けようとしている講習の種類を、申込み前に必ず確認しておきましょう。
乙種講習を受ける予定なんですが、免除は使えないんですね。
はい対象は甲種防火管理新規講習だけです。
乙種や再講習では通常どおり受講してください。
免除を受けるにはなにを準備すればよいのか

申込みの段階で手続きが必要です。
消防設備点検資格者講習または自衛消防業務講習の修了証を、講習を主催する登録講習機関・都道府県知事・消防長のいずれかに示して確認を受けます。
講習機関によって申込み方法や証明書類の提出方法が異なるため、事前に募集要項を確認しておくと当日慌てずに済みます。
免除される科目があっても、修了考査は免除されない科目を対象に実施されるので、当日の出席時間も確認しておきましょう。
不明な点は申込み先の登録講習機関に直接問い合わせるのが確実です。
申込みのときに証明書を忘れずに持っていきます。
修了証の原本かコピーを忘れずにご準備ください。
不明点があれば事前に確認しておくと安心です。
よくある質問
まとめ
消防設備点検資格者講習と自衛消防業務講習のどちらでも免除が使えるとよく分かりました。
修了証の提示を忘れずに申し込みます!
それが確実な進め方です。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 「消防法施行規則の一部を改正する省令」等の公布について(平成22年12月14日 消防予第544号 消防庁次長)
- 消防法施行規則第2条の3(防火管理に関する講習)
- 防火管理に関する講習の実施細目(18号告示による改正後の第1・第2関係)
※本記事は公表されている法令および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





