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総合操作盤の総合点検はなぜ各設備の記録で足りることがあるのか|UPS切替と確認ラベルの基準も解説

総合操作盤の前でえんじ色の作業着を着た点検員が画面を確認している写真

防火管理者として総合操作盤の点検報告を受け取るとき、総合点検の中身まで目を通している方は多くありません。
実は総合点検は、各消防用設備等を一つずつ動かして正常に作動するか確認する大掛かりな点検です。
しかも非常電源や予備電源へ切り替えた状態で行うため、やり方を誤ると点検そのものが思わぬ時間を要します。
この記事では、総合点検の進め方とUPS・記録装置・確認ラベルなど見落としやすい基準をまとめます。

総合操作盤の総合点検って、具体的に何をするのか分かっていませんでした。
業者さん任せになっています。

総合点検は、予備電源や非常電源に切り替えた状態で、各消防用設備等を実際に動かして確認する点検です。
まずは全体の流れから見ていきましょう。

UPSに切り替えて点検するときは、何か気をつけることがあるのでしょうか。
停電中の話なので少し心配です。

UPSは蓄電池で動くため使える時間に限りがあります。
その考え方と、点検をまとめて省略できる場合の基準もご紹介します。

この記事の結論
  • 総合操作盤の総合点検は、予備電源又は非常電源に切り替えた状態で、各消防設備等及び防災設備等を実際に操作して確認します。
  • 電源装置にUPS等がある場合は、UPS等に切り替えた状態で確認することもできます。
  • UPS等で実施する場合は、蓄電池の容量でできる時間を考慮しなければなりません。
  • 各消防用設備等ですでに総合点検が行われていれば、総合操作盤側は記録装置の記録により確認されたものとして扱えます。
  • 本体の点検では、銘板等や時計装置に加え、個別確認済みの部品に確認ラベルが貼付されているかも見ます。

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総合操作盤の総合点検を電源切替、UPSの時間制限、記録装置での確認、相互通話の確認の4つの観点で示した図解

総合操作盤の総合点検はそもそも何を確認する点検なのか

総合操作盤の前で予備電源に切り替えて確認するイメージ
機器点検は外観や表示灯など個々の部品を確かめる点検です。
一方、総合点検は設備をまとめて実際に動かして確認する点検です。
点検要領 第27 総合操作盤 2 総合点検 総合作動 予備電源又は非常電源に切り替えた状態で、各消防設備等及び防災設備等の操作等により確認すること。(判定方法)別表第2及び別表第3に係る警報、操作が正常であること。別表第1に係る項目がCRT等に適正に表示されていること。印字内容及び記録内容が正常であること。
総合点検は、常用電源を止めて予備電源か非常電源に切り替えた状態で行います。
そのうえで、総合操作盤につながる屋内消火栓設備や自動火災報知設備など各消防用設備等を実際に操作し、警報や作動状態が正しく動くかを確かめます。
確認する内容は、別表第2の警報項目、別表第3の操作項目、別表第1の表示項目の3つに整理されています。
記録紙やCRT画面の印字内容・記録内容も正常であることが条件です。
一つの設備だけでなく、防災センターでつながるすべての設備をまとめて動かす点検だとイメージすると分かりやすいです。

全部の設備を一度に動かすんですね。
結構大掛かりな作業になりそうです。

そのとおりです。
だからこそ、次に説明するUPSの時間管理が大切になります。

UPSに切り替えて確認する場合はなぜ時間に気をつけるのか

UPSと時計を並べて使用できる時間を考える点検のイメージ
総合操作盤には、非常電源以外にUPS等の電源装置を備えるものがあります。
UPSを使う点検には、専用の注意点があります。
※ 電源装置(UPS等)がある場合には、UPS等に切り替えた状態で確認することができる。※(ア) UPS等に切り替えた状態で実施する場合は、蓄電池の容量でできる時間を考慮すること。
UPS等がある総合操作盤では、非常電源の代わりにUPSへ切り替えて総合点検を行うことが認められています。
ただしUPSは内蔵の蓄電池で動く装置のため、使用できる時間に限りがあります。
点検の途中で電源が落ちてしまっては意味がないため、蓄電池の容量でできる時間を事前に考慮したうえで、点検の順番や範囲を組み立てる必要があります。
時間のかかる設備から先に確認するなど、限られた時間を有効に使う工夫が現場では行われています。
非常電源への切り替えとUPSへの切り替えは、どちらも認められた方法ですが、時間の制約があるかどうかが違いです。

時間切れで点検が中断したら困りますね。
段取りが大事そうです。

はい、事前に時間配分を決めてから始めるのが安全です。
次は、点検を省略できる場合についてです。

各消防用設備等の総合点検をすでに終えていれば総合操作盤側はやり直さなくてよいのか

記録装置の印字記録とチェックリストで確認するイメージ
総合操作盤の総合点検では、つながる設備を一つずつ動かして確認します。
しかし、その設備側ですでに点検を済ませていたらどうなるのでしょうか。
※(イ) 各消防設備等の総合点検が行われたものは記録装置の記録により確認されたものとする。
各消防用設備等の総合点検がすでに実施されている場合は、総合操作盤側で同じ作動をもう一度やり直す必要はありません。
総合操作盤の記録装置に残る記録を確認すれば、それで足りるとされています。
つまり屋内消火栓設備やスプリンクラー設備などの点検結果が記録紙やCRTのログに残っていれば、総合操作盤側はその記録を読み合わせるだけでよいことになります。
二重に設備を起動させる手間を省ける規定なので、点検の計画を立てるときは各設備の点検日程と記録の有無を先に確認しておくと効率的です。
ただし記録が残っていない、または不明瞭な場合は、総合操作盤側で改めて作動を確認することになります。

点検の記録さえ残っていれば、二度手間にならないんですね。
少し安心しました。

そうです。
ただし記録が無い場合は、総合操作盤側で改めて確認します。

個別確認済みの部品を点検するときは何を見ればよいのか

銘板と時計装置、確認ラベルを並べて点検するイメージ
総合操作盤の本体には、銘板や時計装置などいくつもの表示があります。
機器点検ではこれらを一つずつ目視で確認します。
本体 表示 ア 銘板等がはがれていないこと。かつ、名称等に汚損、不鮮明な部分がないこと。イ 時計装置が適正な日時を表示していること。ウ 個別確認済みのものにあっては確認ラベルが貼付されていること。
総合操作盤の表示の点検は、銘板・時計装置・確認ラベルの3点をあわせて見ます。
銘板等ははがれ・汚損・不鮮明な部分がないかを確認し、時計装置は適正な日時を示しているかを見ます。
見落としやすいのが確認ラベルです。総合操作盤は構成する部品ごとに個別の確認を受けていることがあり、個別確認済みの部品にはこのラベルが貼付されています。
ラベルが貼られているかどうかで、どの部品がどの手続きを経ているかが分かる仕組みです。
銘板や時計のように動作に直結しない項目でも、記録の正確さを支える大切な点検項目になります。

確認ラベルなんて、意識して見たことがありませんでした。
今度注意してみます。

小さなラベルですが、個別確認を受けた証です。
点検のときはぜひ確認してください。

防災監視場所と副防災監視場所の相互通話は何を確認するのか

送受話器2台で同時通話を確認するイメージ
大きな建物では、防災監視場所のほかに副防災監視場所が設けられることがあります。
両者の間をつなぐ装置も、点検の対象です。
相互通話装置 送受話器を操作し、確認する。総合操作盤が設けられている防災監視場所と副防災監視場所相互間で、同時通話が正常にできること。
相互通話装置の点検は、実際に送受話器を操作して確認します。
確かめるのは、総合操作盤がある防災監視場所と副防災監視場所の間で、同時に通話できるかどうかです。
片方からは聞こえても、もう片方からの声が届かないといった状態では、火災時の連携に支障が出ます。
同時通話という条件が明記されているのは、一方通行の連絡だけでは不十分だと考えられているためです。
防災センターが複数ある建物では、この相互通話装置の点検を忘れずに行う必要があります。

同時に話せるかまで確認するんですね。
片方だけ聞こえればいいと思っていました。

火災時はとっさのやり取りが必要です。
同時通話まで確認して初めて安心できます。

よくある質問

QUPSに切り替えて総合点検をするのは必須ですか?
A必須ではありません。電源装置にUPS等がある場合は、非常電源の代わりにUPSへ切り替えて確認することができるとされています。どちらを使うかは現場の状況で選べます。
Q各消防用設備等の点検記録がなければどうなりますか?
A記録が確認できない場合は、総合操作盤側で改めて作動を確認することになります。記録装置の記録による確認は、あくまで記録が残っている場合の扱いです。
Q確認ラベルが貼られていない部品が見つかったらどうすればよいですか?
Aまずは個別確認を受けた部品かどうかを設置業者や点検業者に確認してください。個別確認を受けていない部品であれば、ラベルが無いこと自体は不具合ではありません。
Q副防災監視場所がない建物でも相互通話装置の点検は必要ですか?
A副防災監視場所が設けられていない建物では、この項目の点検対象になりません。副防災監視場所の有無は、建物の規模や管理体制によって異なります。

まとめ

✔総合操作盤の総合点検は、予備電源又は非常電源に切り替えた状態で、各消防設備等及び防災設備等を操作して確認します
✔電源装置にUPS等がある場合は、UPSへ切り替えて確認することもできます
✔UPSで点検する場合は、蓄電池の容量でできる時間を考慮する必要があります
✔各消防用設備等の総合点検がすでに行われていれば、記録装置の記録により確認したものとして扱えます
✔本体の点検では、銘板等・時計装置に加えて確認ラベルの貼付も確認します
✔確認ラベルは、個別確認を受けた部品であることを示す印です
✔防災監視場所と副防災監視場所の間は、送受話器で同時通話ができることまで確認します

総合点検の流れがよく分かりました!

はい、時間配分と記録の確認がポイントです。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

まずはWebで無料お見積りを!

お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 消防法第17条の3の3
  • 消防法施行規則第12条第1項第8号・第31条の6
  • 総合操作盤の基準を定める件(平成16年5月31日消防庁告示第7号)
  • 消防用設備等の点検の基準及び消防用設備等点検結果報告書に添付する点検票の様式を定める件(昭和50年10月16日消防庁告示第14号)別表第27 総合操作盤
  • 消防用設備等の点検要領(消防庁通知) 第27 総合操作盤

※本記事は公表されている法令、告示および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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