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総合操作盤は防災センター以外にも置けるのか|認められる3つの例外を解説

総合操作盤は防災センター以外にも置けるのかを示すアイキャッチ

高層ビルや大規模な建物の防災センターには、たくさんの画面とスイッチが並ぶ大きな盤があります。
これが総合操作盤で、消火設備や自動火災報知設備をまとめて監視・操作するための設備です。
「防災センターに置く設備」という説明はよく見かけますが、実は防災センター以外に置くことが認められる場合があります。
その仕組みと条件を告示から確認します

総合操作盤は防災センターに置くものだと思っていたのですが、それしか認められないのですか。

原則はそうですが、告示に3つの例外があります。
条件を満たせば分散させたり、敷地外に置くこともできますよ。

敷地の外に置いてもよいというのは驚きです。

ただし条件は決して軽くありません。
順番に見ていきましょう。

この記事の結論
  • 総合操作盤は原則として常時人がいる防災監視場所(防災センター等)に設置します
  • 告示は例外として副防災監視場所方式・監視場所方式・遠隔監視場所方式の3つを認めています
  • 敷地外に監視の受け皿を置く遠隔監視場所方式はスプリンクラー設備の設置が無条件の要件です
  • 同一敷地内の監視場所方式にはスプリンクラー設備の例外規定がありますが、遠隔監視場所方式には同じ例外がありません
  • どの方式でも相互に通話できる設備と要員の体制確保が欠かせません

総合操作盤は原則防災センターに置くが副防災監視場所方式・監視場所・遠隔監視場所という3つの例外があり条件はスプリンクラー設置と消防長等の認定が前提であることを示す図解

総合操作盤は防災センター以外にも置けるのか

防災センターの中で担当者が総合操作盤を操作している図
総合操作盤という設備を初めて知る方も多いはずです。
まず、条文がこの盤をどこに置くよう求めているかを確認します。
消防法施行規則第12条第1項第8号 (略)当該設備の監視、操作等を行うことができ、かつ、消防庁長官が定める基準に適合する総合操作盤(略)を、消防庁長官が定めるところにより、当該設備を設置している防火対象物の防災センター(略)、中央管理室(略)、守衛室その他これらに類する場所(常時人がいる場所に限る。以下「防災センター等」という。)に設けること。
平成16年消防庁告示第8号(総合操作盤の設置方法を定める件)第三条 消防用設備等に係る監視、操作等は、当該消防用設備等を設置している防火対象物の常時人がいる防災監視場所に総合操作盤を設置して行うものとする。ただし、第四条から第六条までに掲げる場合にあっては、この限りでない。
原則は防災センター等に一つだけ置くという発想です
施行規則は総合操作盤の設置場所を「消防庁長官が定めるところにより」と告示に委ねており、その告示が平成16年消防庁告示第8号です。
告示第三条は原則として常時人がいる防災監視場所に総合操作盤を設置することを求めていますが、同じ条文の「ただし」以下で、第四条から第六条までに掲げる場合はこの原則を外れてよいとしています。
つまり、条件を満たせば設置の仕方に幅を持たせられるということです。

ただし書きがあるということは、うちのビルにも当てはまる可能性があるのですね。

可能性はありますが、条件は厳格です。
まずは1つ目の副防災監視場所方式から見ていきましょう。

副防災監視場所方式とはどんな仕組みか

同じ建物内の防災センターと副防災監視場所の盤が電話でつながっている図
同じ建物の中で監視の場所を分けられる仕組みがあります。
テナントが用途ごとに分かれている建物で使われる方式です。
平成16年消防庁告示第8号第四条第1項 一 副防災監視場所に、当該場所において監視、操作等を行う消防用設備等の総合操作盤が設けられていること。
二 防火対象物の防災監視場所に、総合操作盤が設置されていること。(略)
三 防災監視場所と副防災監視場所の相互間で同時に通話することができる設備が設けられていること。
盤を分けても本体側の盤は無くせません
副防災監視場所方式は、防火対象物の一部分(用途や管理区分が同じ一団の部分)に、その部分専用の総合操作盤を設けることを認める仕組みです。
ただし、本体である防災監視場所側の総合操作盤を無くすことはできません。
さらに相互に同時通話できる設備を防災監視場所と副防災監視場所の間に設けることが条件で、盤だけ置いて連絡手段を用意しないという運用は認められません。

本体の盤は残したまま、部分ごとにも盤を置くということですね。

そのとおりです。
次は建物の敷地内・敷地外に置く方式を見ていきましょう。

監視場所と遠隔監視場所にはどんな条件があるのか

敷地内の建物と敷地外の警備員小屋が線でつながっている図
もう一つの分け方は、建物そのものと同じ敷地にあるか、敷地の外にあるかという区別です。
告示はこの二つを別の条文で規定しています。
平成16年消防庁告示第8号 監視場所とは、防火対象物に設置されている消防用設備等に係る監視等を行うことのできる場所のうち、当該防火対象物と同一敷地内にある場所をいう。遠隔監視場所とは、(略)当該防火対象物の敷地外にある場所をいう。
第五条第1項 一 監視対象物の防災監視場所には、総合操作盤が設置されていること。(略)三 監視場所は、敷地内の監視対象物に対し円滑な対応ができ、かつ、消防隊が容易に近接できる位置とすること。
置き場所は同一敷地内か敷地外かで名前が変わります
監視場所は防火対象物と同じ敷地の中、遠隔監視場所は敷地の外(警備会社の拠点など)を指し、いずれも本体側の防災監視場所に総合操作盤が設置されていることが前提です。
監視場所は消防隊が容易に近接できる位置にすることも求められており、単に近くにあればよいわけではありません。
どちらの方式も、監視盤に表示・警報の機能を持たせ、防災監視場所と相互に通話できる設備を設けることまでが条件になります。

敷地の中か外かだけの違いで、あとの条件は同じようなものなのですね。

実はそこに大きな違いが一つあります。
見落としやすいので次で説明します。

実務で見落としやすいのはどこか

建物と敷地外の警備員小屋の間に禁止マークが付いている図
監視場所方式と遠隔監視場所方式は似ていますが、スプリンクラー設備の扱いに差があります。
条文を並べて比べると、その差がはっきり見えます。
平成16年消防庁告示第8号第五条第1項第二号 監視対象物には、スプリンクラー設備が設置されていること。ただし、当該監視対象物の位置、構造、設備等の状況から、火災の発生及び延焼のおそれが著しく少なく、かつ、火災等の災害による被害を最小限度に止めることができると認められる場合にあっては、この限りでない
第六条第1項第二号 監視対象物には、スプリンクラー設備が設置されていること
ただし書きがあるかどうかが決定的な違いです
同一敷地内の監視場所方式には、火災や延焼のおそれが著しく少ないと認められればスプリンクラー設備を免除できるただし書きがあります。
一方、敷地外の遠隔監視場所方式には同じただし書きがなく、スプリンクラー設備の設置が無条件の要件になっています。
「監視場所でスプリンクラーが免除された前例があるから、遠隔監視場所でも同じように扱えるはずだ」という思い込みは通用しません。
警備会社などの敷地外拠点に監視を委ねる計画を立てるときは、この差を最初に確認しておく必要があります。

敷地の外に任せるほうが、むしろ条件が厳しくなるということですか。

この号だけを見ればそうなります。
最後に、確認の進め方をお伝えします。

明日からなにを確認すればよいのか

担当者が書類ラックの前でチェックリストを確認している図
自分の建物がどの方式に当たるかを整理してから、記録を確認する流れになります。
3つの方式を思い出しながら順に見ていきましょう。
  • 自分の建物の総合操作盤が防災センター等に一つだけあるのか、副防災監視場所方式で分散しているのかを確認する
  • 敷地内・敷地外に監視の受け皿がある場合は、それが監視場所遠隔監視場所かを区別する
  • 遠隔監視場所方式であればスプリンクラー設備の設置が維持されているかを点検記録で確かめる
  • 防災監視場所と副防災監視場所・監視場所・遠隔監視場所との間の相互通話設備が実際に機能するかを試験する
これらは消防計画にも書き込んでおくべき内容です。
どの方式を採用しているかが担当者ごとに違う説明になっていないか、一度書面で統一しておくと引き継ぎがスムーズになります。

まずはうちがどの方式に当たるのかを、消防計画で確認してみます。

それが確実な進め方です。
分からない点は所轄消防署にも確認してみてください。

よくある質問

Q副防災監視場所方式にすれば防災センターの総合操作盤は不要になりますか?
Aいいえ。告示第四条第1項第二号は防災監視場所に総合操作盤が設置されていることを条件にしており、副防災監視場所を設けても本体側の盤を無くすことはできません。
Q監視場所と遠隔監視場所はどうやって区別するのですか?
A防火対象物と同一敷地内にあるものが監視場所、敷地外にあるものが遠隔監視場所です。警備会社の拠点で監視する場合は遠隔監視場所に当たります。
Q遠隔監視場所方式でもスプリンクラー設備を免除できますか?
Aできません。告示第六条第1項第二号には監視場所方式にあるただし書きが無く、スプリンクラー設備の設置が無条件の要件とされています。
Qこれらの例外方式を使うのに消防長等への申請は必要ですか?
A告示は要件を列挙する形式で、個別の認定手続きは所轄の消防長又は消防署長の運用に委ねられています。採用を検討する段階で所轄消防署に相談するのが確実です。

まとめ

総合操作盤は原則常時人がいる防災監視場所(防災センター等)に設置します
告示は例外として副防災監視場所方式・監視場所方式・遠隔監視場所方式の3つを認めています
副防災監視場所方式でも防災監視場所側の総合操作盤は無くせません
監視場所は同一敷地内、遠隔監視場所は敷地外を指します
遠隔監視場所方式はスプリンクラー設備の設置が無条件の要件です
監視場所方式にはスプリンクラー免除のただし書きがありますが遠隔監視場所方式には無く、思い込みで扱うと危険です
どの方式も相互通話設備と要員体制の確保が条件になります

置き方に幅があることがよく分かりました。
消防計画を見直して方式を確認します。

ぜひ確認してみてください。
方式ごとの要件を消防計画に書き残しておくのが基本です
㈱防災屋でもご相談を承っております。

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お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第12条第1項第8号
  • 平成16年消防庁告示第8号「総合操作盤の設置方法を定める件」第二条・第三条・第四条・第五条・第六条
  • 総務省消防庁

※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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