駅から続く地下道に面して、地階の店が並んでいる場所があります。消防法令の上では、その地階と地下道をひとまとめにして準地下街と扱う場合があります。
準地下街になると、令別表第一の(十六の三)項として、設備の基準が変わります。ただ、国の条文は「連続して地下道に面して」と書くだけで、何メートル・何平方メートルから準地下街なのかは書いていません。
この記事では、豊中市消防局の運用基準が準地下街をどう判定しているかを、鈴鹿市・埼玉県央広域・堺市・四日市市の公開資料と比べながら読みます。
地下道に面した地階の店が並んでいます。
これは消防法では何になるのでしょうか?
「準地下街」という防火対象物になることがあります。
豊中市の運用基準で、判定の数字を見てみましょう。
そうとは限りません。
開口部の面積の合計が40㎡以上などの条件が要ります。
この記事の結論
- 豊中市の運用基準は、準地下街を形態・連続性・開口部の面積・用途の四つのすべてに当てはまるものと定めています
- 連続性は、開口部相互間の歩行距離が20メートル以内の地階等が2以上あること、開口部の面積は合計40㎡以上です
- 附室を介して接続する開口部は面積から除外し、防火設備を備えた開口部は2分の1として数えます
- 地下道の範囲は各部分から歩行距離10メートル以内で、開口部から20メートルを超える地階は含まれません
- この40㎡の判定は、鈴鹿市と埼玉県央広域に同じ数字がありますが、堺市と四日市市の資料には見当たりませんでした
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豊中市の運用基準は準地下街をどう判定しているのか
豊中市消防局は「消防用設備等の設置に関する運用基準」を市のホームページで公開しています。この記事で読むのは、その
第1部 第2章 第3節 第3 準地下街の取扱い基準(PDFの116ページから119ページ)です。
まず国の条文です。消防法施行令の別表第一は、準地下街を次のように定めています。
消防法施行令 別表第一(十六の三)項 建築物の地階((十六の二)項に掲げるものの各階を除く。)で連続して地下道に面して設けられたものと当該地下道とを合わせたもの((一)項から(四)項まで、(五)項イ、(六)項又は(九)項イに掲げる防火対象物の用途に供される部分が存するものに限る。)
条文は「連続して」「地下道に面して」とだけ書き、
開口部の大きさや店の間隔の数字は出てきません。この空白を、豊中市の運用基準が数字で埋めています。運用基準は、次のように書き始めます。
豊中市消防局「消防用設備等の設置に関する運用基準」第1部 第2章 第3節 第3 準地下街の取扱い基準 次の事項のすべてに該当するものを、準地下街として扱うものとする。
この「すべて」にあたる四つの事項を、表にまとめます。
| 事項 | 豊中市の運用基準に書かれていること |
| (1) 形態 | 建築物の地階又は地下に存する建築物が地下道に面していること |
| (2) 連続性 | 開口部相互間の歩行距離が20メートル以内となる地階等が2以上あること |
| (3) 開口部の面積 | 地階等と地下道との接続部の開口部の面積の合計が40平方メートル以上であること |
| (4) 用途 | 地階等の一部又は全部に特定用途(令別表第一の(一)項から(四)項まで、(五)項イ、(六)項及び(九)項イ)が存すること |
国の条文にある「特定用途」の括弧書きが、四つ目の事項にそのまま対応しています。残る三つ(形態・連続性・開口部の面積)が、豊中市の運用基準が条文に加えている読み方です。
もう一つ、読み方の注意があります。豊中市の運用基準は、前文で次のように断っています。
豊中市消防局「消防用設備等の設置に関する運用基準」 前文(PDF 13ページ) この基準の記載内容には、法令上義務となる内容と行政指導の内容が含まれている
準地下街の節を読んだ範囲では、
義務と行政指導を区別する記号や凡例は見当たりませんでした。この記事では「運用基準にこう書かれている」の範囲で解説します。
国の条文には数字がないのに、豊中市は数字で決めているのですね。
はい、運用基準が四つの事項に分けています。
順番に数え方を見ていきましょう。
連続性と開口部の面積はどう数えるのか
(2)の連続性と、(3)の開口部の面積を、運用基準の文言で確かめます。まず連続性です。
豊中市消防局「消防用設備等の設置に関する運用基準」第1部 第2章 第3節 第3 準地下街の取扱い基準 1 (2) 連続性 前(1)の建築物の地階又は地下に存する建築物(以下「建築物の地階等」という。)の開口部相互間の歩行距離が20メ-トル以内となる建築物の地階等が2以上であること。
読み取れるのは、地下道に面した地階が
1つだけでは足りず、開口部どうしが歩行距離20メートル以内にある地階等が
2以上要る、ということです。次に開口部の面積です。
豊中市消防局「消防用設備等の設置に関する運用基準」第1部 第2章 第3節 第3 準地下街の取扱い基準 1 (3) 開口部の面積 前(2)の建築物の地階等と地下道との接続部の開口部の面積の合計が40平方メ-トル以上であること。
地下道との接続部の開口部の面積を合計して、
40㎡以上かどうかを見ます。計算の例を挙げます(この記事の仮定で、運用基準に出てくる数値ではありません)。
幅4メートル・高さ2.5メートルの開口部は10㎡です。これが歩行距離20メートル以内に四か所あれば、合計40㎡で基準に届きます。
他の本部の資料にも、同じ数字があるのでしょうか。手元の公開資料を読み比べると、鈴鹿市は床面積の算定の項に、埼玉県央広域も同じ項に、似た文言を置いていました。鈴鹿市の文言です。
鈴鹿市「鈴鹿市消防用設備等に関する審査基準」第2章 第3 建築物の床面積及び階の取り扱い ⑽ イ (16の3)項の規定中「建築物の地階で連続して地下道に面して設けられたもの」には、複数の建築物の地階又は地下にある複数の建築物で、地下道との接続部分の開口部(建基令第123条第3項第1号に規定する付室を介して接続するものを除く。)の面積(常時閉鎖式又は随時閉鎖式の特定防火戸を有する開口部にあっては、当該開口部の面積の2分の1の面積とする。)の合計(相互間の歩行距離が20m以内の距離に存する開口部の面積の合計をいう。)が40㎡以上となるものが該当する。
埼玉県央広域の審査基準も、同じ項の末尾を次のように結んでいます。
埼玉県央広域消防本部「消防用設備等に関する審査基準」第2章 第3 建築物の床面積及び階の取り扱い ⑽ イ が40 ㎡以上となるものが該当するものとして取り扱うものであること。
一方、堺市の審査基準と四日市市の審査基準では、(十六の三)項の補足事項や該当用途例の欄に
40㎡の数値は見当たりませんでした。大阪市・東大阪市・八尾市・吹田市の公開資料には、準地下街を扱う項そのものが見当たりませんでした。ここまでを表にします。
| 本部 | 開口部の面積40㎡以上の判定 | 歩行距離20メートルの連続性 |
| 豊中市 | あり(第2章第3節 第3 1(3)) | あり(同(2)) |
| 鈴鹿市 | あり(第2章第3 ⑽イ) | あり(相互間の歩行距離が20m以内) |
| 埼玉県央広域 | あり(第2章第3 ⑽イ) | あり(相互間の歩行距離が20m以内) |
| 堺市 | 見当たらない | 範囲の項に「20メートルを超える地階等は含まない」旨のみ |
| 四日市市 | 見当たらない | 定義のみで補足事項なし |
読んだ範囲では、
豊中市・鈴鹿市・埼玉県央広域の三つが同じ40㎡の物差しを示しています。ただし、各本部の基準にこの数字がない理由は書かれていないため、この記事では
理由を断定しません。
40㎡の物差しは、豊中市だけのルールではないのですね。
鈴鹿市と埼玉県央広域にも同じ数字があります。
ただし、堺市の資料には見当たりませんでした。
附室や防火設備のある開口部は面積にどう数えるのか
開口部の面積の数え方には、2つの例外が書かれています。どちらも、(3)の本文のあとに続く項目です。
豊中市消防局「消防用設備等の設置に関する運用基準」第1部 第2章 第3節 第3 準地下街の取扱い基準 1 (3) ア 建基令第123条第3項第1号に規定する附室を介して接続される開口部は、面積算定から除外する。
ここで引かれている建築基準法施行令第123条第3項第1号は、特別避難階段の構造の規定です。
建築基準法施行令 第123条 第3項 第1号 屋内と階段室とは、バルコニー又は付室を通じて連絡すること。
つまり、附室という
煙を階段室へ流さない前室を通してしか地下道とつながらない開口部は、面積に入れません。次が、防火設備を備えた開口部の数え方です。
豊中市消防局「消防用設備等の設置に関する運用基準」第1部 第2章 第3節 第3 準地下街の取扱い基準 1 (3) イ 随時開くことができる自動閉鎖装置付の特定防火設備又は随時閉鎖することができ、かつ、煙感知器の作動と連動して閉鎖する特定防火設備(建基令第112条第14項第3号の規定に基づく防火戸の自動閉鎖機構の構造基準(昭和48年建設省告示第2563号)に適合するもの。)を有する開口部にあっては、当該開口部の1/2を面積として算出する。
例えば、開口部が10㎡でも、条件に当てはまる特定防火設備を備えていれば、面積には
5㎡として入れます。
なお、括弧内の「第112条第14項第3号」は運用基準の表記のままです。e-Govで確認した現行の建築基準法施行令では、区画に用いる特定防火設備の構造は
第112条第19項が定めています。実際の適用では、現行の条文と運用基準の両方を消防署で確認してください。
同じ「2分の1」の扱いは、鈴鹿市と埼玉県央広域にもあります。ただし、防火設備の書き方が違います。
| 本部 | 附室を介する開口部 | 防火設備のある開口部の数え方 |
| 豊中市 | 面積算定から除外 | 2分の1(随時開くことができる自動閉鎖装置付の特定防火設備、又は煙感知器連動で閉鎖する特定防火設備) |
| 鈴鹿市 | 除く | 2分の1(常時閉鎖式又は随時閉鎖式の特定防火戸) |
| 埼玉県央広域 | 除く | 2分の1(常時閉鎖式又は随時閉鎖式の特定防火戸) |
豊中市は、防火設備の種類を具体的に書いています。鈴鹿市と埼玉県央広域は「常時閉鎖式又は随時閉鎖式」と書いており、
同じ運用かどうかは資料から読み取れませんでした。設計の段階で、使う防火設備の種類が当てはまるかを確かめましょう。
防火シャッターがあれば、面積は半分になるのですか?
条件に合う特定防火設備なら2分の1です。
付けただけでなく、種類の確認が要ります。
準地下街の範囲と別の防火対象物は何で決まるのか
準地下街と判定されたあとは、どこまでが準地下街なのかが問題になります。運用基準は「準地下街の範囲」として、次のように書いています。まず地下道の範囲です。
豊中市消防局「消防用設備等の設置に関する運用基準」第1部 第2章 第3節 第3 準地下街の取扱い基準 2 (1) 地下道の範囲 準地下街を構成する店舗、事務所等の各部分から歩行距離10メ-トル(10メ-トル未満の場合は、当該距離)以内の範囲とする。
地下道は、店舗の各部分から
歩行距離10メートル以内の範囲が準地下街に入ります。次が、建築物の地階等の範囲です。
豊中市消防局「消防用設備等の設置に関する運用基準」第1部 第2章 第3節 第3 準地下街の取扱い基準 2 (2) ア 準地下街となる地下道の面積範囲に接して、建築物の地階等の開口部が面している場合、当該開口部から準地下街を構成する建築物の地階等の開口部まで歩行距離20メ-トルを超える場合は、当該建築物の地階等は含まないものであること。
豊中市消防局「消防用設備等の設置に関する運用基準」第1部 第2章 第3節 第3 準地下街の取扱い基準 2 (2) イ 建基令第123条第3項第1号に規定する、附室を介しての地下道と接続される建築物の地階等は、準地下街に含まれないものであること。
豊中市消防局「消防用設備等の設置に関する運用基準」第1部 第2章 第3節 第3 準地下街の取扱い基準 2 (2) ウ 準地下街を構成する建築物の地階等の部分が、相互に令第8条の床又は壁で区画されており、地下道に面する開口部を有していないものについては、それぞれ別の防火対象物が存在するものとして取り扱うものであること。
ウに出てくる「令第8条の床又は壁」は、次の条文です。
消防法施行令 第8条 第一号 防火対象物が次に掲げる当該防火対象物の部分で区画されているときは、その区画された部分は、この節の規定の適用については、それぞれ別の防火対象物とみなす。
一 開口部のない耐火構造(建築基準法第二条第七号に規定する耐火構造をいう。以下同じ。)の床又は壁
令第8条には防火設備を使った区画を定める第二号もありますが、運用基準のウが書くのは、
開口部を持たない区画です。次に、地下鉄の駅の扱いです。
豊中市消防局「消防用設備等の設置に関する運用基準」第1部 第2章 第3節 第3 準地下街の取扱い基準 2 (3) 地下鉄道施設の取扱い 鉄道の地下停車場の改札口内の区域及び改札口外であって、当該部分が耐火構造の壁又は常時閉鎖式若しくは煙感知器連動閉鎖式(2段降下式のものを含む。)の特定防火設備で区画されている区域は、令別表第1(16の3)項に掲げる防火対象物の「建築物」及び「地下道」に該当しないものとして取り扱うものであること。
地下道の意味も、運用基準の「その他」に書かれています。
豊中市消防局「消防用設備等の設置に関する運用基準」第1部 第2章 第3節 第3 準地下街の取扱い基準 4 その他 令別表第1の準地下街の定義中、地下道とは、法第8条の2でいう地下街の地下道と同様の意味であり、地下の工作物内に設けられた一般の通行の用に供される通路コンコースは含まれるが、建築物の地階内の通路等は含まないものであること。
法第8条の2は、地下街を次のように定めています。
消防法 第8条の2 第1項 地下街(地下の工作物内に設けられた店舗、事務所その他これらに類する施設で、連続して地下道に面して設けられたものと当該地下道とを合わせたものをいう。以下同じ。)
他の本部はどうでしょうか。堺市の審査基準は、(十六の三)項の補足事項に、豊中市と同じ趣旨の項目を並べています。附室の項目はこうです。
堺市消防局「堺市消防同意・消防用設備等審査基準」別記1 政令別表第1に掲げる防火対象物の定義 (16の3)項 補足事項 3 建築物の地階が建基政令第123 条第3項第1 号に規定する附室を介してのみ地下道と接続している建築物の地階は含まないものであること。
鈴鹿市と埼玉県央広域にも、地下道の範囲の項目があります。ただし、この2つには豊中市にない一文が付いています。
鈴鹿市「鈴鹿市消防用設備等に関する審査基準」第2章 第3 建築物の床面積及び階の取り扱い ⑽ ア 準地下街の地下道は、建築物の地階の各部分から歩行距離が10m(10m未満の場合は、当該距離)以内の部分を床面積に算入する。ただし、当該地下道に常時閉鎖式又は随時閉鎖式の特定防火戸を設置する場合は、当該特定防火戸の線で囲まれた部分までとする。
| 本部 | 地下道の範囲(歩行距離10メートル以内) | 特定防火戸の線までとする緩和 |
| 豊中市 | あり(2(1)) | 書かれていない |
| 堺市 | あり(補足事項1) | 書かれていない |
| 鈴鹿市 | あり(⑽ア) | あり(特定防火戸の線で囲まれた部分まで) |
| 埼玉県央広域 | あり(⑽ア) | あり(特定防火戸の線で囲まれた部分まで) |
豊中市の運用基準の地下道の範囲の項目には、防火戸の線までとする緩和が読み取れませんでした。同じ基準が堺市にも書かれていないので、鈴鹿市と埼玉県央広域の二つが
緩和を加えていることになります。
なお、四日市市の審査基準は(十六の三)項の定義だけを載せており、範囲の補足事項は見当たりませんでした。
地下道の範囲は、店の各部分から10メートルなのですね。
はい、豊中市は歩行距離10メートル以内です。
20メートルを超える地階は含まれません。
地下道の通行部分には設備は要らないのか
準地下街になったあと、設備の設置で問題になるのが、地下道の「通行の用に供される部分」です。豊中市の運用基準は、次のように書いています。
豊中市消防局「消防用設備等の設置に関する運用基準」第1部 第2章 第3節 第3 準地下街の取扱い基準 3 (1) 準地下街の通行の用に供される部分 規則第13条第3項第10号の2に規定する「地下道で通行の用に供される部分」には、地下道に存する移動可能な売店等の存する部分も含むものであり、当該部分に対するスプリンクラーへッドの設置を要しないものであるが、移動可能でない売店等は、当然通行の用に供される部分には該当しないので、スプリンクラーへッドの設置が必要となるものであること。
引かれている消防法施行規則第13条第3項第10号の2を、国の条文で確かめます。第13条第3項の柱書は、令第12条第2項第1号が総務省令に委ねた部分を、次のように定めています。
消防法施行規則 第13条 第3項 令第十二条第二項第一号の総務省令で定める部分は、次の各号に掲げる部分以外の部分とする。
消防法施行規則 第13条 第3項 第10号の2 令別表第一(十六の三)項に掲げる防火対象物の地下道で、通行の用に供される部分
柱書は「次の各号に掲げる部分以外の部分」と書くので、第10号の2に挙がった
地下道の通行部分は、スプリンクラーヘッドを設ける部分から外れます。この読み方は、
こちらの記事で詳しく解説しています。
豊中市の運用基準は、ここに「移動可能な売店」を含めつつ、
移動できない売店等は通行部分に当たらないと明記しています。
鈴鹿市と埼玉県央広域も、移動可能な売店の部分を通行部分に含む点は同じです。鈴鹿市の文言です。
鈴鹿市「鈴鹿市消防用設備等に関する審査基準」第4章 第3 スプリンクラー設備(閉鎖型ヘッドを用いるスプリンクラー設備) 6 ⑻ 省令第13 条第3項第10 号の2に規定する「地下道で通行の用に供される部分」には、地下道に設置する移動可能(床に固定されておらず、人力により移動できるものをいう。)な売店、設備等の存する部分も含む。
一方、豊中市には、もう一つ読んでおきたい項目があります。自動火災報知設備の感知器についてです。
豊中市消防局「消防用設備等の設置に関する運用基準」第1部 第2章 第3節 第3 準地下街の取扱い基準 3 (2) 準地下街の通行の用に供される部分 「地下道で通行の用に供される部分」は、火災の発生危険及び延焼のおそれが少ないことから、令第32条の規定を適用して、当該部分には自動火災報知設備の感知器の設置を要しないものとして取り扱って支障ないものであること。
令第32条は、基準の特例を定めた条文です。
消防法施行令 第32条 この節の規定は、消防用設備等について、消防長又は消防署長が、防火対象物の位置、構造又は設備の状況から判断して、この節の規定による消防用設備等の基準によらなくとも、火災の発生又は延焼のおそれが著しく少なく、かつ、火災等の災害による被害を最少限度に止めることができると認めるときにおいては、適用しない。
豊中市の運用基準は、この令第32条を使って、
通行部分の感知器を省略して支障ないと書いています。鈴鹿市・埼玉県央広域・堺市・四日市市の資料には、同じ趣旨の記載は
読んだ範囲で見当たりませんでした。
ただし、令第32条は「消防長又は消防署長が認めるとき」の特例です。感知器を省略できるかどうかは、個々の計画で消防署に確認する必要があります。
豊中市は省略して支障ないと書いています。
ただし、令第32条の特例なので、消防署に確認します。
よくある質問
Q地下道に面した地階の店が1つだけでも、準地下街になりますか?
A豊中市の運用基準は、連続性として開口部相互間の歩行距離が20メートル以内となる地階等が2以上と書いています。この文言を読む限り、1つだけでは当てはまりません。実際の判定は、管轄の消防署で確認してください。
Q地下道のすぐ先にある店は、必ず準地下街に含まれますか?
A含まれない場合があります。豊中市の運用基準は、開口部から歩行距離20メートルを超える地階等と、附室を介してのみ地下道と接続する地階は含まないと書いています。
Q準地下街になるとスプリンクラー設備は必要になりますか?
A令第12条第1項第7号は、(十六の三)項のうち、延べ面積1000㎡以上で、かつ特定用途の床面積の合計が500㎡以上のものを挙げています(e-Govで確認)。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
Q豊中市の運用基準は、すべて法令上の義務ですか?
A運用基準の前文は、法令上義務となる内容と行政指導の内容の両方が含まれると書いています。準地下街の節には区別する記号が見当たらないため、消防署で確認してください。
まとめ
✔豊中市の運用基準は、準地下街を形態・連続性・開口部の面積・用途の四つのすべてに当てはまるものと定めています
✔連続性は歩行距離20メートル以内の地階等が2以上、開口部の面積は合計40㎡以上です
✔附室を介する開口部は面積から除外し、防火設備を備えた開口部は2分の1で数えます
✔地下道の範囲は各部分から歩行距離10メートル以内で、令第8条の区画で分かれた地階等は別の防火対象物です
✔地下道の通行部分は、スプリンクラーヘッドの設置を要しない部分に当たり、感知器は令第32条の特例で省略して支障ないと書かれています
✔40㎡の判定は鈴鹿市と埼玉県央広域にもあり、堺市・四日市市には見当たりませんでした
✔設計や届出の前に、最新の内容を管轄の消防署で確認しましょう
まず自分の地階が準地下街に当たるかを調べます。
そのうえで消防署に相談します!
開口部の面積や防火設備で判定が変わるので、計画の段階で確認しましょう。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
防火管理はプロにお任せ下さい
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この記事を書いた人
㈱防災屋Web編集部
元消防士、行政書士、高専卒など
防火管理者には「セルフ選任」と「プロ代行」の2択があることをもっと多くの方々に知ってもらい、世の中の防火管理レベルをもっと上げていきたい。
0にはできない火災リスクとの向き合い方を伝え、救える命を増やし、悲しみの総量を減らしたい。
後悔してからでは遅すぎる火災予防に、Webの力で取り組む㈱防災屋の編集部です。
監修・編集者
青木 俊輔
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
主な活動
参考・出典
※本記事は公表されている法令および豊中市・堺市・鈴鹿市・埼玉県央広域・四日市市の公開資料に基づく一般的な解説です。運用基準は改正されることがあるため、最新の内容は管轄の消防署・消防局で確認してください。各資料は2026年10月時点の公開版で確認しています。