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畜舎の建築で消防同意が必要になるのはどこからか|床面積3,000平方メートルの線引きと特例畜舎等の扱いを解説

畜舎の建築で消防同意が要る床面積の線引き

畜舎や堆肥舎を建てるとき、消防署の同意が要る場合と要らない場合があります。
消防庁は令和4年2月24日、畜舎特例法の施行に伴う消防同意等の対応を通知しました(消防予第59号)。
畜舎特例法は令和4年4月1日から施行され、畜舎建築利用計画の認定では、消防法第7条に基づく同意が求められることがあります。
この記事では、消防同意が必要になる線引きと、特例畜舎等や仮使用の扱いを解説します。

畜舎を建てるときにも、消防署の同意が要るのでしょうか。

畜舎特例法の認定では、消防同意が求められる場合があります。

同意が要る場合と要らない場合は、何で分かれるのですか。

床面積で分かれると、通知は整理しています。

この記事の結論
  • 消防予第59号は、令和4年2月24日に消防庁予防課長が出した通知で、畜舎特例法の施行に伴う消防同意等の対応を示しています。
  • 畜舎建築利用計画の認定では、床面積が3,000平方メートルを超える畜舎等に、消防法第7条に基づく同意が求められます。
  • 床面積が3,000平方メートル以下の特例畜舎等では消防同意は求められず、代わりに都道府県から消防機関へ資料が提供されることになっています。
  • 消防同意の審査は畜舎特例法省令の防火に関する規定が対象で、認定の書面に同意欄がないため、同意の旨を書いた文書を新たに交付します。
  • 工事中の仮使用の認定は都道府県が判断し、消防機関は相談があったときに必要に応じて対応します。

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畜舎の消防同意の線引きを、畜舎の計画を都道府県が認定、広い畜舎は消防同意が必要、小さな畜舎は資料の提供のみ、工事中の仮使用は都道府県が判断の4つで整理した概要図解

畜舎特例法の施行でなぜ消防機関への通知が必要になったのか

開放的な畜舎と堆肥舎を並べたイラスト
通知は、畜舎特例法がどんな制度かを説明するところから始まっています。
まず、原文を確認します。
消防予第59号(令和4年2月24日)
畜舎特例法は、畜産業を取り巻く国際経済環境の変化等に鑑み、その国際競争力の強化を図るため、畜舎等(畜舎及び堆肥舎をいう。以下同じ。)の建築等及び利用に関する計画(以下「畜舎建築利用計画」という。)の認定制度を創設し、当該認定を受けた計画に基づき建築等がされ、及び利用される畜舎等に関する建築基準法(昭和25年法律第201号)の特例を定めたものです。
同通知
畜舎建築利用計画の認定に当たっては、消防法(昭和23年法律第186号)第7条に基づく同意(以下「消防同意」という。)が求められるなど、消防機関の関与が必要となることから、畜舎特例法の施行に伴う対応について下記のとおり通知しますので、適正に対応されるようお願いします。
畜舎等の建築等及び利用の特例に関する法律第十二条第1項
認定畜舎等については、建築基準法令の規定は、適用しない。
畜舎特例法の認定を受けた畜舎等は、建築基準法令の規定が適用されません。
その認定の手続きに消防機関が関わることから、通知が出されました。
畜舎特例法は令和4年4月1日から施行される、と通知に書かれています。
同じ日に、農林水産省畜産局企画課長と国土交通省住宅局建築指導課長も、都道府県の畜産・建築部局へ消防部局との連携を求める通知を出しており、消防庁の通知に別添されています。

建築基準法が適用されないのに、消防は関わるのですか。

はい。
認定には消防同意が求められる場合があります。

消防同意が必要になるのは床面積がどこからなのか

小さな畜舎と大きな畜舎を並べたイラスト
消防同意の要否は、畜舎の床面積で決まります。
通知と、根拠になる条文を確認します。
同通知 1 消防同意について(2)消防同意の手続き
床面積が3,000平方メートル以下の畜舎等(以下「特例畜舎等」という。)を除き、都道府県知事の認定に当たっては、消防同意が求められるものであること。
畜舎等の建築等及び利用の特例に関する法律第三条第5項
都道府県知事が第一項の認定をする場合(特例畜舎等に係る畜舎建築利用計画について当該認定をする場合を除く。)における消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第七条第一項の規定の適用については、同項中「許可、認可若しくは確認」とあるのは、「認定」とする。
畜舎等の建築等及び利用の特例に関する法律施行規則第六十五条
法第三条第二項の主務省令で定める規模は、床面積三千平方メートルとする。
消防法第七条第1項(抜粋)
建築物の新築、増築、改築、移転、修繕、模様替、用途の変更若しくは使用について許可、認可若しくは確認をする権限を有する行政庁(略)は、当該許可、認可若しくは確認(略)に係る建築物の工事施工地又は所在地を管轄する消防長又は消防署長の同意を得なければ、当該許可、認可若しくは確認(略)をすることができない。
畜舎等の規模消防同意消防機関との関わり
床面積が3,000平方メートルを超える求められる都道府県知事の認定にあたり、消防法第7条の同意を求められる
床面積が3,000平方メートル以下(特例畜舎等)求められない都道府県から、申請者が提出した資料の提供を受ける
線引きは床面積3,000平方メートルで、超える畜舎等が消防同意の対象になります。
畜舎特例法第3条第5項は、認定を消防法第7条第1項の「許可、認可若しくは確認」とみなして同意の仕組みを使うと定めています。
特例畜舎等は同項のカッコ書で除かれており、規模は施行規則第65条が3,000平方メートルと定めています。
特例畜舎等は、畜舎建築利用計画に「畜舎等の敷地、構造及び建築設備」を書かなくてよい建物で、この項目の審査が行われないため、消防同意も求められません。

床面積がちょうど3,000平方メートルなら、同意は要らないのですか。

はい。
通知は3,000平方メートル以下を特例畜舎等としています。

消防同意では何を審査しどう回答するのか

消防署の建物と書類皿と丸い印鑑を並べたイラスト
同意を求められた消防機関は、何を見て、どう答えるのでしょうか。
通知の該当部分を確認します。
同通知 1(3)消防同意の審査
畜舎特例法第2条第3項の技術基準のうち、消防同意における審査の対象となる規定は、畜舎特例法省令第2章第1節第1款、第4款から第7款まで及び第3節に定める規定のうち、防火に関するものが該当すること。
同通知 1(4)消防同意の方法
畜舎建築利用計画の認定に係る書面には消防関係同意欄がないことから、同意する旨又は同意できない旨、消防長等の官職、申請者の氏名等の事案を特定するために必要な事項、交付の日付等を記載した文書を新たに交付する方法により、消防法第7条第2項に基づく通知をすること。
同通知 1(2)(要旨)
畜舎建築利用計画の認定については、都道府県が建築基準法第77条の21第1項に規定する指定確認検査機関等を活用して審査を行うことができる。その方法としては、(ア)都道府県への認定の申請前に、申請者が指定確認検査機関等に技術審査を依頼する方法、(イ)都道府県が認定の申請を受けた後に、指定確認検査機関等に技術審査を委託する方法が考えられること。これらの場合、技術審査が行われた後に都道府県から消防同意を求められることがある。
消防同意の審査は、畜舎特例法省令のうち防火に関する規定に限られます。
認定の書面には消防関係の同意欄がないため、同意する旨か、同意できない旨を書いた文書を新たに交付して、消防法第7条第2項に基づく通知をします。
都道府県が指定確認検査機関等に技術審査をさせる場合は、その後に消防同意を求められることがあります。
そのため通知は、疑義への回答や図書の補正の求め方を、関係機関で事前に確認しておくことが望ましいとしています。

同意する旨を書いた文書を、別に出すのですね。

はい。
認定の書面に同意欄がないからです。

特例畜舎等では消防機関は何を受け取るのか

小さな畜舎と書類の束を載せた皿を並べたイラスト
特例畜舎等は消防同意の対象外です。
では、消防機関はどのように内容を知るのでしょうか。
同通知 2 特例畜舎等の認定に係る情報提供について
(1)特例畜舎等に係る資料の提供 特例畜舎等に係る畜舎建築利用計画の認定手続きでは、畜舎特例法第3条第3項第4号の審査が行われないことから、消防同意は求められないこととされていること。この場合、消防機関は当該特例畜舎等の内容を把握できないことから、都道府県から消防機関に対し、当該特例畜舎等に係る認定手続きにおいて、申請者から提出された資料の提供が行われることとされていること。資料提供の時期や、提供される図書等の種別については、消防機関と都道府県の間で協議しておくことが望ましいこと。
同通知 2(2)留意事項
畜舎等の建築に係る負担の軽減という畜舎特例法の趣旨を踏まえ、都道府県から提供される図書等以外の資料を求めることのないよう留意すること。
畜舎等の建築等及び利用の特例に関する法律第七条第1項
認定畜舎等の敷地、構造及び建築設備は、技術基準に適合するものでなければならない。
特例畜舎等では、都道府県から提供される資料が消防機関の情報源になります。
審査が行われないので消防同意も求められず、消防機関は建物の内容を自分では把握できません。
そこで、申請者が都道府県へ提出した資料が消防機関へ提供されます。
一方で、消防機関は提供された図書等以外の資料を求めないよう、通知は求めています。
審査が行われなくても、認定畜舎等の敷地・構造・建築設備が技術基準に適合しなければならないことは、畜舎特例法第7条第1項が定めています。

審査が行われなくても、資料は消防機関へ届くのですね。

はい。
都道府県から提供される決まりです。

工事中の仮使用や電子申請では消防機関はどう関わるのか

工事中の骨組みの畜舎と点検用の板を並べたイラスト
通知には、仮使用と電子申請の扱いも書かれています。
まず、条文と通知を確認します。
畜舎等の建築等及び利用の特例に関する法律第六条第2項
認定畜舎等(特例畜舎等を除く。以下この項及び第十八条第一項において同じ。)を新築する場合においては、認定計画実施者は、前項の規定による届出をした後でなければ、当該認定畜舎等を使用し、又は使用させてはならない。ただし、都道府県知事が、安全上、防火上及び避難上支障がないと認めたときは、当該届出をする前においても、仮に、当該認定畜舎等又はその部分を使用し、又は使用させることができる。
同通知 3 仮使用の認定について
畜舎特例法第6条第2項ただし書きに基づく工事中の認定畜舎等の仮使用の認定に当たっては、都道府県が安全上、防火上及び避難上支障がないことを判断するものであること。ただし、都道府県から工事中の安全上、防火上又は避難上講じられる措置について消防機関に相談があった場合は、必要に応じて対応することが考えられること。
同通知 1(5)電子申請による手続きの留意事項(要旨)
畜舎建築利用計画の認定手続きが電子申請により行われた場合は、「電子申請による建築確認に係る消防同意事務等の取扱について」(令和3年2月9日付消防予第40号)を参考とし、情報通信の技術を利用して消防同意事務を行うよう努めること。この場合、データに記録された氏名等の確認等により、申請者本人の確認をすること。
仮使用の認定をするのは都道府県で、消防機関は相談を受けたときに対応します。
仮使用は、工事完了の届出をする前でも、都道府県知事が安全上・防火上・避難上支障がないと認めたときに認められます。
この定めは、特例畜舎等を除く認定畜舎等を新築する場合が対象です。
消防機関の関わり方は、都道府県から措置について相談があった場合に、必要に応じて対応するという形です。
電子申請のときは、消防機関と都道府県の間で電子メールによるファイル送信を行う方法などが考えられるとされています。
いずれも、消防機関・都道府県の畜産部局・建築部局が事前に確認しておくことが望ましい事項です。

仮使用の認定は、都道府県が決めるのですね。

はい。
消防機関は相談があれば対応します。

よくある質問

Q畜舎を建てるとき、必ず消防同意が必要ですか?
A床面積が3,000平方メートルを超える畜舎等では求められ、3,000平方メートル以下の特例畜舎等では求められません。
Q特例畜舎等では、消防機関は建物の内容を知らないままですか?
A通知は、都道府県から消防機関へ申請者が提出した資料の提供が行われるとしています。提供の時期や図書の種別は、両者で協議しておくことが望ましいとされています。
Q認定の書面に消防の同意欄がないとき、同意はどう示しますか?
A同意する旨か同意できない旨を書き、消防長等の官職や交付の日付などを記載した文書を新たに交付する方法で、消防法第7条第2項に基づく通知をします。
Q認定の手続きが電子申請で行われたときは、消防同意も電子でよいですか?
A通知は、消防予第40号を参考に情報通信の技術を利用して消防同意事務を行うよう努めることを求めています。この場合は、データに記録された氏名等の確認等で申請者本人を確認します。

まとめ

✔消防予第59号は、畜舎特例法の施行に伴う消防同意等の対応を令和4年2月24日に示した通知
✔畜舎特例法の認定を受けた畜舎等には、建築基準法令の規定が適用されない
✔床面積が3,000平方メートルを超える畜舎等の認定では、消防法第7条に基づく消防同意が求められる
✔床面積が3,000平方メートル以下の特例畜舎等は、消防同意が求められず、都道府県から資料の提供を受ける
✔消防同意の審査は防火に関する規定が対象で、同意の旨は文書を新たに交付して通知する
✔消防機関は、提供された図書等以外の資料を求めないよう留意する
✔仮使用の認定は都道府県が行い、消防機関は相談があれば必要に応じて対応する

畜舎の計画では、床面積と消防同意の要否を最初に確かめます!

畜舎の防火対策も、㈱防災屋でもご相談を承っております。

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お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 畜舎等の建築等及び利用の特例に関する法律等の施行に伴う消防同意等の対応について(令和4年2月24日 消防予第59号 消防庁予防課長)
  • 畜舎特例法の運用における消防部局との連携等について(令和4年2月24日 3畜産第1685号・国住指第1497号 農林水産省畜産局企画課長・国土交通省住宅局建築指導課長)
  • 畜舎等の建築等及び利用の特例に関する法律(令和3年法律第34号)第2条・第3条・第6条・第7条・第12条
  • 畜舎等の建築等及び利用の特例に関する法律施行規則(令和3年農林水産省・国土交通省令第6号)第65条
  • 消防法(昭和23年法律第186号)第7条

※本記事は公表されている法令および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。条例や運用は都道府県・市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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