総合操作盤の「評価」は、中央管理室のある建物ならどこでも受けるものなのでしょうか。
共同住宅のように設備の種類が少ない建物や、すでに建っている建物の盤を入れ替えるとき、同じ盤を別の建物に使うときは、どう扱われるのでしょうか。
消防庁は平成6年に、総合操作盤のガイドラインの運用について質疑応答を通知しています。
この記事では、その質疑を、現行の規則第12条第1項第8号に照らして読みます。八つの質疑のうち、五つの問いと答えを順に確かめます。
総合操作盤の評価って、なんのことですか。
平成5年に消防庁が示した総合操作盤に関するガイドラインに基づく手続きです。
質疑は、その運用を問うものです。
現行の規則には、評価という言葉は出てくるんですか。
規則第12条第1項第8号に、評価という語は出てきません。
順に、質疑と条文を見比べます。
- 特例基準が適用された共同住宅等のように、防災設備等の種類が少なく、表示盤等を並列するだけで十分に監視・操作できるものは、評価対象としないことができると答えています
- 評価対象の規模の既存防火対象物で防災センターの総合操作盤を新設し、又は更新する場合は、ガイドラインに準じた盤の設置と評価を受けるよう指導すると答えています
- 評価済の総合操作盤と同一の設備でも、異なる防火対象物に設置する場合は、新たに評価を受ける必要があると答えています
- 一の防火対象物に複数の総合操作盤を設置し評価を受ける場合は、それぞれについて個別に評価を受けなければならないと答えています
- ガイドラインに適合しない部分がある場合は、情報伝達装置の設置や防災センター要員の体制強化などの対応措置で補うことで足りるとしています
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目次
総合操作盤の評価は、中央管理室のある建物すべてで受けるのか

(消防庁予防課長から各都道府県消防主管部長あての通知・平成6年3月28日・消防予第60号「3」)
答えは、防災設備等の種類が少ない共同住宅等で、表示盤等を単に並列するだけで十分に監視・操作できると判断されるものを、評価対象としないことができるとしています。それ以外の防火対象物は、ガイドラインに基づく総合操作盤を設置し、評価を受けるよう指導するとしています。
現行の規則第12条第1項第8号は、総合操作盤の設置対象を、令別表第一(1)項から(16)項までの延べ面積が5万平方メートル以上のもの、地階を除く階数が15以上で延べ面積が3万平方メートル以上のもの、千平方メートル以上の地下街と書き分け、さらに消防長又は消防署長が指定するものを加えています。質疑の「中央管理室を設ける防火対象物」という区分は、その条文には出てきません。
中央管理室があっても、全部が評価の対象ではないんですね。
答えは、種類が少なく並列の表示盤で足りる建物は、評価対象としないことができるです。
何を「少ない」と見るかの数字は、載っていません。
評価対象の規模の既存の建物で、盤を新設や更新するときはどう指導するのか

(消防庁予防課長から各都道府県消防主管部長あての通知・平成6年3月28日・消防予第60号「3」)
答えは、評価対象の規模の既存の防火対象物でも、ガイドラインに準じた総合操作盤を設置し、評価を受けるよう指導するとしています。新設と更新の書き分けや、更新の範囲は、答えは述べていません。
なお、この答えは、平成6年当時に消防庁が都道府県へ示した運用の考え方です。個別の建物の更新の進め方は、所轄の消防署に確かめる必要があります。
古い建物でも、盤を替えるなら評価が要るんですね。
答えは、ガイドラインに準じた盤の設置と評価を受ける指導です。
更新の範囲までは、述べていません。
評価を受けた盤と同じ設備なら、別の建物では評価を省けるのか

(消防庁予防課長から各都道府県消防主管部長あての通知・平成6年3月28日・消防予第60号「3」)
答えは、その理由を、規模や利用形態が異なるので、防災センターに設置される防災関連機器や運用管理等も異なることが予想されるからだと述べています。
設備が同じかどうかではなく、置かれる建物の条件で見るという答えです。答えは、条件がほぼ同じ二つの建物の場合を、別に述べてはいません。
同じ盤を使い回しても、評価は建物ごとなんですね。
答えは、規模や利用形態が違うので新たに評価を受けるです。
似た建物の場合は、述べていません。
一つの建物に総合操作盤が複数あるときは、評価も別々に受けるのか

(消防庁予防課長から各都道府県消防主管部長あての通知・平成6年3月28日・消防予第60号「3」)
照会は、それぞれの総合操作盤について個別に評価を受けなければならないかと尋ね、答えは「お見込みのとおり」です。
答えは、なぜ個別なのか、盤同士の関係をどう見るのかという理由を、述べていません。また、盤が二つある防火対象物のうち、どの盤が中心になるのかも、答えには出てきません。
盤が二つなら、評価も二つ必要ということですね。
答えは、お見込みのとおり個別に評価です。
理由までは、述べていません。
ガイドラインに完全に適合しない盤は、評価を受けられないのか

(消防庁予防課長から各都道府県消防主管部長あての通知・平成6年3月28日・消防予第60号「3」)
答えは、ガイドラインに基づいて指導する必要があるとしたうえで、適合しない部分については、情報伝達装置の設置、消防用設備等の維持管理システムの強化、防災センター要員の体制強化等の対応措置で補うことで足りるとしています。
なお、答えは、どの程度まで適合しなくてよいのかという限度を、述べていません。「等」とされた措置の範囲も、答えには書かれていません。
少し足りなくても、別の対策で補えるんですね。
答えは、適合しない部分を対応措置で補えば足りるです。
補える限度は、述べていません。
よくある質問
まとめ
建物ごと、盤ごとに評価が分かれるんですね。
まずは、うちの建物の総合操作盤の状況を見直してみます!
進める前に、所轄の消防署へ確かめておくのが安心です。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防法第17条、消防法施行規則第12条第1項第8号、建築基準法施行令第20条の2
- 消防庁の総合操作盤に関するガイドラインの運用に係る質疑応答(予防行政の通知)
※本記事は公表されている法令および通知に基づく一般的な解説です。掲載した回答は発出当時のもので、条番号や言葉づかい等は当時のものです。その後の改正により運用が変わっている場合があります。個別の事案についての適用は、所轄の消防署にご確認ください。





